2014年2月1日土曜日

【秩父鉄道1000系撮影記事】北風を背に、1010編成現る

冷たい北風が吹きつけるなか、1010編成が姿を現した

■北風の吹く日に1010編成に遭遇
秩父地方で早朝に雪が降ったある日、1000系電車1003編成から田んぼのなかの駅に降り立ったのちに、戻ってくる1003編成を工夫して撮影した日の続きだ。冷たい北風が吹きつけるので、空気中のちりが飛ばされて、順光側を見ると青空がまぶしい。

オレンジバーミリオン1003編成に乗車できただけではなく、撮影もできて満足したし、風の冷たさと強さに少し嫌気も差したので、田んぼから駅に戻ろうとした。すると、さきほどまでいっしょに撮影されていて私より先に引き上げた方が、あわてたようすで戻ってくるのに出くわした。まさか……。そして、私の顔を見るなりひとこと教えてくれたのだ。

「……来ますよ!」

そのひとことでじゅうぶんに通じた。やはりそうか!

■行田バイパスのオーバーパスとラブホテルをいかに画面に入れないか
ご厚意に感謝して、さきほどまでいた線路際に私も速攻で戻った。奥歯の加速装置を噛んだ。古すぎて通じるかどうか不安だ。そして、今度やって来るのは上り列車だから、アウトカーブ側に立ってセッティングをすることにした。

前述のように、この場所はカーブの外側から見ると、線路の背後にある国道125号行田バイパスがめだつ。カメラの高さを低くするには線路際の枯れススキが邪魔をする。そして、D7000に50mmレンズをつけて75mm相当で構図を考えたものの、そうするといまひとつうまく構図できない。そこで85mm(127mm相当)にした。すると、これでは行田バイパスを引きつけてめだたせてしまう。

迷ったものの、列車の通過まではもう時間はない。だから列車で画面をいっぱいにして、行田バイパスはできるだけ写し込まないようにした。さらに画面右側奥のラブホテルも写し込む必要はないだろう。そうして撮れたのがこの1010編成のカットだ。

画面右奥からあたる西日も素敵だ

こうして見ると満身創痍の老兵という雰囲気

■返しも撮らないと帰れないだろ
1003編成に乗ることと撮影もできただけで満足していたのに、日没前に1010編成まで撮影できたのだから、運がよすぎる。しかも、ここにいれば1010編成が次の下り列車として15分程度も待てばふたたび姿を現す。駅に戻って1010編成に乗るということもできなくはないが、まだ日没しないならば……そりゃあ撮るだろ!


さきほど1003編成をねらっていたカーブの内側に戻り、カメラの高さをやや低めて、線路の背後にある沿道のガードレールと小学校の校舎を隠すように工夫しながら待った。だんだんと日が沈んできて、少しじりじりと思いながら待った。そこに、待望の1010編成がやってきた。

正面に当たる西日のオレンジ色がまぶしい。こんどは追い写しをしながら、正面に西日が当たるようすを強調するような構図でも撮った。列車が去っていく音がこころなしか軽やかに聞こえたのは、撮影に充足感を感じたからだろう。エイドリアーン!

■エントリーのネタはこの日の会話から
さて、昨日のエントリーである「撮影の合間に秩父鉄道沿線のどこで『ふつうの食事』をするか」「熊谷駅コンコース以外の場所のどこで時間つぶしするか」というのは、そのときにごいっしょした方との会話内容がきっかけでもある。北武区間にいるならば、当時は行田市駅前にあった「ジョイフル」か、熊谷駅コンコースの「ぎょうざの満洲」ですかねえ、などという会話をしながら熊谷まで出た。ありがたいことを教えていただいたので、私もたまにはみなさんのお役立つことを書いてみようかと思ったというわけ。

改めて、ごいっしょしたウラハルさんにお礼申し上げます。

【撮影データ】
Nikon D7000/AI Nikkor 85mm F1.4S/RAW