この駅の雰囲気が好きだ |
「101系はいい音だなあ」
武甲山の麓の駅を出て勾配を駆け登る三峰口行きの京浜東北線色の1000系電車に乗り込み、カーブで揺られて電車のモーターのうなりに耳を傾けながら、つい私はつぶやいた。
すると、隣駅手前のカーブを曲がる前にある三輪線とかつての武甲線の分岐点を一心不乱に眺めていた子どもが耳ざとく聞きつけて、大人なのに変なことを言うなあという顔で言った。
武甲山の麓の駅を出て勾配を駆け登る三峰口行きの京浜東北線色の1000系電車に乗り込み、カーブで揺られて電車のモーターのうなりに耳を傾けながら、つい私はつぶやいた。
すると、隣駅手前のカーブを曲がる前にある三輪線とかつての武甲線の分岐点を一心不乱に眺めていた子どもが耳ざとく聞きつけて、大人なのに変なことを言うなあという顔で言った。
「ひゃくいちけいじゃないよ」
あ、そうだよね。でも秩父鉄道1000系は、むかあしむかし「国鉄101系」っていったんだよ。私が子どものころは国鉄鶴見線や南武線、武蔵野線を走っていたのさ。
あ、そうだよね。でも秩父鉄道1000系は、むかあしむかし「国鉄101系」っていったんだよ。私が子どものころは国鉄鶴見線や南武線、武蔵野線を走っていたのさ。
小さな子どもを連れて秩父鉄道へ行った。外出を思い立ってからチビッコに聞いてみたら、やはり「いっしょにちちぶてつどうにいきたい」と言う。そりゃそうだよな、お出かけは楽しいもんな。というわけで「同行取材」だ。
秋の紅葉シーズンでSLパレオエクスプレスにもいろいろな「仕込み」もあるし、1000系電車の国鉄リバイバルカラー「カナリアイエロー」(総武線色)もクリスマスイブで営業運転を止めるし、とこちらも秩父鉄道の「中の人」たちの「仕込み」がいろいろある、だからそうそう退屈させまい、というわけで「子連れ鉄」ででかけたというわけ。
ただし人出が多そうなのは懸案事項だ。撮影地で他人の邪魔になるのは子どもにもかわいそうだし、ずっと道中で座れないのもつらい。だからそういうときは、撮ることはすぱっとあきらめて「撮るより乗る」が子連れ鉄での基本原則だ。
だいたい、せっかく来たからにはその路線に乗りたいし、SLパレオエクスプレスは行楽シーズン中の土日に定期的に走る列車なんだから、特定の列車を期日までに狙うなどという「業務」ではないならば、お出かけは楽しくありたい。
しかも撮影に夢中で気づいたら「被写体がどんな様子だったか、自分の写真でしか思い出せない」なんていうのは素敵なことではないのだ。とくに子どものようすは自分の目で覚えておかなくちゃね。あ、いま俺偉そうなこと言った。すみません、精進します。
■1000系電車が撮れたらそれでオッケー
私としては、カナリアイエロー1012編成(総武線色)やウグイス1009編成(山手線色に、正面に黄色い帯が一本ある関西本線色)、そしてスカイブルー1001編成(京浜東北線)のリバイバルカラー電車が撮れたらうれしいし、さらには秩父鉄道リバイバルカラーの小豆1002編成や黄茶1007編成(チョコバナナ)が撮れればもう満足な「デハ党」なので、蒸気機関車は「うまく撮れちゃったら儲けもの」という感じなのだ。
そうして西武鉄道からの直通電車に乗って武甲山の麓の駅で降り立った。あれこれチビッコには歩かせるのはツライであろうと思い、駅周辺をうろうろしてから三峰口まで行き、下りよりも空いている上り熊谷行きSLパレオエクスプレス5002列車に乗って帰る作戦をとることにする。作戦としては緩めだ。
まずは駅構内を見渡せる上り方踏切へ。まず、チビッコの好きな7000系7002編成「ヘンテコ顔」が到着。電子音の警笛を鳴らして来る様子もすっかり板についた。 そのあとやって来たのが1000系オリジナルカラー(1003編成)。交換のようだと下り方向に目をこらしていると、わお、カナリアイエロー1012編成が登場。駅構内を見るとなんだか鶴見線のようじゃないですか……。
何かと撮影道具以外の荷物が増えてしまう子連れで来たので、300ミリを持ってこられなかったのが残念! でも80~200ミリでなんとか撮る。そして、後追いだけどデハ側を撮る。うーむ、この時間にカナリアイエローが来ちゃって……今日はこの編成は下り方面に戻って来るのはあきらめよう。
この駅止まりの1003編成を眺めながら下り方踏切へ行く。古いトタン張りの工場は改装しているようで、ちょっといつもと雰囲気が違う。踏切に着くと子どもが小声でおなかすいたと言うので、おやつを分けた。そこへカナリアイエロー1009編成が到着し、ズームレンズでなんとか追う。逆光側のほうがススキがきれいだけど、持ってきたレンズが短いのでうまく撮れない。この場所では仕方がないな。
■空腹になったところで1001編成がやってきたので乗り込んだ
しばらくいてパレオエクスプレス下り5001列車を見送ってから、後続の電車で三峰口へ行く。ホーム端でおなかがすいたとごねる子ども(ねぇー、なんでおひるごはんもってこないのよー)とやって来る電車に目をこらすと……全検上がりでピカピカな1001編成スカイブルー登場! 子どもと「せんけいにのりたいね」と言っていたうえに、空腹もごまかせて好都合だ。
しかも撮影に夢中で気づいたら「被写体がどんな様子だったか、自分の写真でしか思い出せない」なんていうのは素敵なことではないのだ。とくに子どものようすは自分の目で覚えておかなくちゃね。あ、いま俺偉そうなこと言った。すみません、精進します。
カナリアイエロー1012編成出発! |
■1000系電車が撮れたらそれでオッケー
私としては、カナリアイエロー1012編成(総武線色)やウグイス1009編成(山手線色に、正面に黄色い帯が一本ある関西本線色)、そしてスカイブルー1001編成(京浜東北線)のリバイバルカラー電車が撮れたらうれしいし、さらには秩父鉄道リバイバルカラーの小豆1002編成や黄茶1007編成(チョコバナナ)が撮れればもう満足な「デハ党」なので、蒸気機関車は「うまく撮れちゃったら儲けもの」という感じなのだ。
1009編成ウグイス出発! |
そうして西武鉄道からの直通電車に乗って武甲山の麓の駅で降り立った。あれこれチビッコには歩かせるのはツライであろうと思い、駅周辺をうろうろしてから三峰口まで行き、下りよりも空いている上り熊谷行きSLパレオエクスプレス5002列車に乗って帰る作戦をとることにする。作戦としては緩めだ。
まずは駅構内を見渡せる上り方踏切へ。まず、チビッコの好きな7000系7002編成「ヘンテコ顔」が到着。電子音の警笛を鳴らして来る様子もすっかり板についた。 そのあとやって来たのが1000系オリジナルカラー(1003編成)。交換のようだと下り方向に目をこらしていると、わお、カナリアイエロー1012編成が登場。駅構内を見るとなんだか鶴見線のようじゃないですか……。
何かと撮影道具以外の荷物が増えてしまう子連れで来たので、300ミリを持ってこられなかったのが残念! でも80~200ミリでなんとか撮る。そして、後追いだけどデハ側を撮る。うーむ、この時間にカナリアイエローが来ちゃって……今日はこの編成は下り方面に戻って来るのはあきらめよう。
この駅止まりの1003編成を眺めながら下り方踏切へ行く。古いトタン張りの工場は改装しているようで、ちょっといつもと雰囲気が違う。踏切に着くと子どもが小声でおなかすいたと言うので、おやつを分けた。そこへカナリアイエロー1009編成が到着し、ズームレンズでなんとか追う。逆光側のほうがススキがきれいだけど、持ってきたレンズが短いのでうまく撮れない。この場所では仕方がないな。
■空腹になったところで1001編成がやってきたので乗り込んだ
しばらくいてパレオエクスプレス下り5001列車を見送ってから、後続の電車で三峰口へ行く。ホーム端でおなかがすいたとごねる子ども(ねぇー、なんでおひるごはんもってこないのよー)とやって来る電車に目をこらすと……全検上がりでピカピカな1001編成スカイブルー登場! 子どもと「せんけいにのりたいね」と言っていたうえに、空腹もごまかせて好都合だ。
検査あけでピカピカな1001編成スカイブルー |
そうして乗り込んで出発したところが、冒頭の「101けいじゃないよ」というシーンというわけだ。
電車は山線区間を走る。武州中川、武州日野と止まるたびに聞こえる床下からのモーターやコンプレッサーの動作音が懐かしい。 個人的には秩父に来ると晩秋や冬の晴れた日が似合う印象がある。好きな雰囲気なのに、うまく写せないところがもどかしい。まあいい、今日は子どもと楽しく過ごした貴重な時間だと記憶しておけばいいのさ。
そうして電車は荒川の河岸段丘を見ながら、三峰口へラストスパートの加速をかけた。
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【撮影データ】
Nikon D2X/AI AF Zoom-Nikkor 80-200mm f/2.8D ED <NEW>/RAW/Adobe Photoshop CC