2014年1月29日水曜日

【いすみ鉄道国鉄色気動車撮影記】キハ52+28急行に乗る&撮る(その2)

キハ28も幌がつくと迫力があるね 大多喜

■力強いエンジン音にどきどきする
どどどどどどどどどどどどどどどど……

いすみ鉄道大原で出発の合図を受けた急行1号が力行し始めて、DMH17エンジンがうなる。排気ガスがぶわあ、と吐き出される。いよいよ出発だ。車掌のアナウンスの前に懐かしいオルゴールを聞いて、ふと頬が緩む。

車内を見回すと社長のコレクションらしい車内中吊りの広告が貼られている。見たことがないものがたくさんあり一見の価値がある。


西大原を過ぎて沿線に田畑が広がり始めると、三脚を据えてカメラを構えた人たちが増え……いや、今日はたぶんすごく多い。でも、たまに乗るといいぞ、この列車。

■「観光急行」だから乗りも楽しみたい
列車は急行とはいえ観光列車だ。沿線は日本のどこにでもありそうな里山の風景だけど、いろいろな仕掛けが用意してあり飽きさせない工夫に感心する。列車はゆっくりと進んで行く。

国吉で交換した。10分ほど停車するので、キハ3062(私自身は久留里線で写して以来の再会)と腕機信号機の組み合わせを見たり、上り列車との交換シーンを撮って、鉄分100パーセントの乗客のみなさんも思い思いに楽しんでいるようだ。

待ち合わせがあるので大多喜で、後ろ髪を引かれる思いで降りる。いかんいかん、いすみに来るのが遅過ぎた。今度は上総中野まで乗ってみようと決めて、Kさんと合流した。

■沿線あちこちで撮りまくり
せっかくクルマに乗せてもらうのだから、昼にかけて大多喜以遠にいるようすを狙うことにする。とはいえ、クルマで追いかけることはするつもりはない。ロケハンも兼ねながらの移動だ。一本撮っては移動し総元や東総元、大多喜、国吉、新田野周辺で狙った。

西暦2014年に見えないね 大多喜

晴れ間はあまり見えなかったけれど穏やかな天気で、カメラを構えていても楽しかった。深緑の時期や秋口にはお弁当を広げながら鳥のさえずりを聞きつつ、空に浮かぶ雲を数えながら列車を待ちたいところだ。夏なら神社の木陰で涼みたい……。

総元駅に進入

列車が万が一うまく撮れなくてもいいじゃないか。だって趣味なのだから。

などと考える事態にも遭遇した。もっとも、スチールだけではなく動画もセッティングして、失敗しないように早めに撮影地にいるような私が「列車がうまく撮れなくてもいいじゃないか」などと言うと、それを知っている仲間たちは爆笑するだろう。失敗しないようにするのは仕事の写真のときだけどさ。

ただし、教育を受けた人は自分の得た知識を人に出し惜しみすべきではない。インテリゲンチャの責務なんだよ。このことだけは守りたいとは思う。あくまでも自戒の念をも込めて。

白いビニールゴミがなければ山深いところに見える 国吉〜新田野

■キハ28にぐっときた
さて、首都圏色になるキハ52を狙いに行ったのが本来の趣旨なのに。いや、仲間との新年会が主目的だった! じつはキハ28のほうに痺れてしまった。キハ28および58は見かけたことはもちろん何度もあるとはいえ、考えたら乗ったことがなかったのかもしれない。それにやはり、急行型はかっこいい。

国吉の腕機信号機

合間に一本見送って食事をしたり、お茶を飲みながら時間をつぶしつつ、日没の頃の大多喜入庫の列車を狙った。この場所は駅を出てカーブを抜けてわずかに勾配する場所なので、キハが加速し始める。

ストーブのそばでずっと眠っていた

いい感じですねえ

どどどどどどどどどどどどどどどど……!

排気管から煙が漏れる。かっこいい。また来ようっと。細かいファンサービスをしてくれるいすみ鉄道関係者のみなさんに感謝の気持ちでいっぱいだ。また来ます!

※新年会の調整とこの撮影でクルマを出してくれたKさん、ご一緒してくれたYさん、および新年会を盛り上げてくれたつかちゃんや、Yさん。さらには、ブログ記事を書いてキハ52塗り替え情報をご教示してくれたみっぴょんさんなど、そもそもWeb上で知り合ったみなさんのおかげで、いろいろと撮影ができました。重ねて感謝いたします。


【撮影データ】
Nikon D7000, Nikon 1 V1/AI AF Nikkor 50mm f/1.4D, AI AF Nikkor 300mm F4S ED IF, 1 NIKKOR 18.5mm f/1.8/RAW