2014年9月13日土曜日

【秩父鉄道1980年代】1987年春、塗装移行期のころ

ツートンカラーの502編成(白久〜三峰口)

■1987年春はチョコバナナ化が完了する直前だった
前回のエントリーで、秩父鉄道の秩父地域開通100周年記念イベントに関連した、謎(?)の「急行リバイバルカラー」について思わず熱狂したものの、私の手元には秩父鉄道300系電車の写真はもう、このブログと旧ブログでお見せしたもの以外には、お見せできるようなものがない。当時、小学生から中学生でいまよりもずっと写真の腕が稚拙だったからだ。

そこで、以前もお見せしたことのあるカットを再スキャンしたので、1987(昭和62)年4月初めの春休み時期(1987年4月3日とポジの箱に書いてあった。フィルムはEN:エクタクローム100)に秩父鉄道を訪問した際に撮影したポジフィルムをお目にかけようと思う。それでも既出のカットが多いことはご容赦いただきたい。

■朝の下り急行列車に熊谷から乗った
その日は100形と300系電車の動向を知りたくもあり、下り三峰口行きの急行『秩父路』号に乗るために、西武沿線在住だったそのころの私にしてはめずらしく高崎線に乗り、熊谷から秩父鉄道訪問を始めたようだ。当時の時刻についての記録をしていないが、現在でも平日は熊谷9時3分発の下り急行が昼間走る最終の急行(その後は18時発)だから、おそらく8時半頃に熊谷に降り立ったはずだ。現在の平日の急行列車は影森止まりだが、当時は三峰口行きだった。

■「チョコバナナ」化はほぼ完了していた
そして、熊谷駅南口へいたる通路から秩父鉄道の電車を見渡してみて、新塗装(いまでいうところの「チョコバナナ塗装」)への移行がほぼ完了し、廃車予定の100形以外の電車は、この500系電車の(おそらく)1編成を残して新塗装をまとっていたことを知った。

熊谷駅跨線橋より。1000系電車以外は全員集合だ(再掲載)

そのころは旧国鉄→JR東日本から譲渡された101系電車改め秩父鉄道1000系電車の増備が着々と進められていて、その導入とともに黄色に茶帯の新塗装変更が在来車にも進んでいた。廃車予定の800系電車(元小田急1800系)と500系電車もこの塗装変更の対象になっていた。そして、急行用300系電車は茶ではなく紺の帯を締めていることも、このとき初めて知った。

この時代はインターネットももちろんなく、沿線に在住していないと鉄道雑誌の読者投稿欄程度からでしか、首都圏の地方私鉄とはいえ中学生には情報を得ることは難しかったのだ。だから『鉄道ファン』誌を買うときにまっさきに読者投稿欄をチェックした。小田急800形電車の秩父鉄道への譲渡と運用開始も同欄から知った。

■運用の想像がつかなかった
いまこの写真を見れば、いちばん手前にいる旧塗装の502編成が出庫準備をしていることはわかる。そのころはそんなことはわからなかった。だから急行券を買ってホームに行き、まずは100形電車を撮った記憶はあるけれど、どうして300系電車やこの旧塗装の500系電車をホームから撮らなかったのか。その理由はもう記憶にない。そして、300系電車に揺られて三峰口まで行った道中のこともすっかり記憶の奥底にある。途中でうたたねしたのだろうとも思う。

さらに、急行列車に乗ることに気を取られているために「500系電車と100形電車が下り列車として続行してやって来るうえに、下り方先頭は旧塗装なのだから、三峰口到着後せめて白久あたりまで行けば、そこでその走りを撮ることができる」ことまで考えつかなかったところも、中学生だからしかたないな。

さて、三峰口では乗ってきた300系電車301編成やのちほどやって来た100形電車、留置線の1000系電車を撮ってから、白久方面へ線路沿いの道を歩き、築堤上を行く電車を写した。500系電車も熊谷から出庫してきて、それがまた上り列車として三峰口を出るのを見て、それを撮ろうとしたのだろう。それが冒頭の写真だ。

1000系の増備が着々と進んでいた。1004編成(三峰口)

■黒谷の切り通しでも待った
午後になってからは三峰口から黒谷(現和銅黒谷)まで電車に揺られた。乗ったのは1000系電車だった記憶はわずかにある。そして、当時はよく鉄道誌で見かけた場所まで行き、行き交う列車を撮ったようだ。曇り空を画面にたくさん入れていることなど、いま見るとなんとも情けないが。

新塗装と旧塗装の混結(黒谷〜武州原谷(貨))

そう、もう26年も前のことなのだ。現像時に擦り傷が多数つけられていて褪色しかかったポジを見ながら、あれこれ考える。このころに撮りたいと思っていた写真は、いまの私は撮れるようになったかな。

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