日が照っていたのはこのときだけ |
■雪解けを見ながら下仁田に行くと
車窓を眺めていると、週はじめに降った雪は、案の定ほとんど解けていた。ところが、千平を越えて下仁田へのひと駅というところで、道床に残る雪の量も明らかに増えた。木立のなかでも雪が反射して日陰でも明るい。そうして電車は下仁田に着いた。構内には高崎で姿を見なかったアイツがいた。
それは、ホキ801を従えたデハ205号車だ。西武所沢工場製上信電鉄オリジナル電車200形のうち、最近はもっぱら工臨に用いられているようだ。高崎方は東武3000系電車の窓ガラスと前照灯ケースを用いて運転台の増設がなされた、東武風顔を持つ。茶色に塗られた僚機デハ204よりも、この塗装で見るとなおのこと「東武風味」が強まるようにも思える。「東武ん」というほど強くはないけど。幌枠がつくとちょっぴりいかめしく見えてカッコいい。
下仁田ではシマウマホワイトタイガー塗装であるクモハ153-クモハ154と軌道モーターカーを挟んで並んでいた。西武所沢車両工場製の西武801系電車と、その設計を活かして作られた上信200形2次車はいわば兄弟のような存在だ。ところが、高崎方から見ると「西武湘南形」と「東武顔」という、それぞれの会社の一時期は代名詞的なデザインであるところも、いとをかしな気がしないか。そしてどちらも、保存車両でしか存在しなくなってしまった。これをおもしろがっているのは私だけかな。
こうやって切り取ると東武風味 |
側面は西武風 |
【撮影データ】
Nikon D7200 /AI AF Nikkor 24mm f/2.8D, AI AF Nikkor 35mm f/2D, AI AF Zoom-Nikkor 80-200mm f/2.8D ED <NEW>, AI AF Nikkor ED 300mm F4S (IF)/RAW+JPEG/Capture NX-D/Adobe Photoshop CC