【前回のあらすじ】
「私」は、釣りかけ駆動の甲高い音を立てて走ってくる「上州の野武士」こと上毛電気鉄道デハ101号車を曇天でいかに撮るかに頭を悩ませる。「その者、白き空を背負て、ナノハナの野に舞い降りるべし」……古老から聞いたこの地に伝わる言い伝えに戦慄を覚え……たりはしませんが。それに、そんな伝承もありませんからね。
■いまひとつ気に入らない
上電大胡電車庫イベントに合わせて、大胡→(出庫)→西桐生→中央前橋→西桐生→中央前橋→大胡(入庫)と沿線を往復したデハ101を、樋越と新川で撮ったものの、その仕上がりは編成写真としてはよくても、いまひとつ気に入らなかった。そこで、午後の上り中央前橋行きと、下り大胡行きを撮るにはもう少し頭を働かせようと思い、新川から新里まで歩いてみた。
歩くのは頭が冴えていい。自転車もよさそうだけど、気をつけないと漕ぐことに夢中になる。また、クルマやバイクで移動すると、駐車できるかどうかを気にすることになる。今回も歩いてみて正解だった。
列車に乗るたびに、新里と新川のあいだがいつも気になっていた。けれど、沿線は田畑が宅地開発されたうえに、沿道が必ずしも鉄道線路沿いにはないからクルマでもし移動しても撮影できる場所を見つけづらい。歩きであれば見つけられる場所が多いのではないか。そこで、新川から新里まで歩くことにして、丘を越えて気になる踏切をそれぞれ見て回った。晴れていれば勾配の途中でも絵にできたろう。
歩くのは頭が冴えていい。自転車もよさそうだけど、気をつけないと漕ぐことに夢中になる。また、クルマやバイクで移動すると、駐車できるかどうかを気にすることになる。今回も歩いてみて正解だった。
列車に乗るたびに、新里と新川のあいだがいつも気になっていた。けれど、沿線は田畑が宅地開発されたうえに、沿道が必ずしも鉄道線路沿いにはないからクルマでもし移動しても撮影できる場所を見つけづらい。歩きであれば見つけられる場所が多いのではないか。そこで、新川から新里まで歩くことにして、丘を越えて気になる踏切をそれぞれ見て回った。晴れていれば勾配の途中でも絵にできたろう。
だが、どうも気に入らない。そうして見つけたのは、木立を背景にできる場所だ。画面左側の木立の切れ目には、鯉のぼりが翻っている。鯉のぼりをあきらめて、手前に咲いていたナノハナの前ぼけを入れてみた。たまには、前ぼけでもやってみるかというところ。いろいろアレではあるけれど、空を隠せたのはいいか。
■最後の追っかけ
■最後の追っかけ
新里からは続行する上り電車で追いかけた。デハ101は中央前橋にいて、乗っていた電車と三俣で交換する。三俣と大胡のあいだでならば、もう1カット撮れるだろう。そこで、こんどは心臓血管センターと江木のあいだでねらうことにした。晴れていたら心臓血管センター前の公園の橋からねらいたいが、江木への勾配をなんとか使えないかと思っていると、団地の前の切り通しならばなんとか木立を背にできそうだ。
団地の駐車場の端で三脚を立てていると、デハ101がやってきた。まあ、こんなものかなあ。もっと広角で写してもいいけれど、ゆがみ方が半端なのもいやだし。こういう日もあるということ。でも、ひさしぶりにデハ101を追い回すのはおもしろかったからいいや! 関係者のみなさんには感謝の気持ちでいっぱいだ。ありがとうございました!
この時点ですでに14時45分だ。デハ101はずっとイベントのあいだも走っていて、大胡電車区には15時のイベント終了直前まで戻らないダイヤだった。キャパシティの広くない電車区にはだいじな小さいお友だちに来てもらい、うるさ型の大きなお友だち(私とかさ!)には沿線にいてもらうためかもしれないな。それはともかく、ずっとデハ101を追い回してしまったので、今回は大胡電車区に立ち寄らなかった。今度あらためて訪問することにしよう。
■昼ごはんを食べそこねた
だが、ここでもうひとつの問題が発生しまして。それは、「ひるめしのもんだい」(椎名誠のエッセーのタイトル)だ。私はずっと食事をしていなかったけれど、ロードサイドに出ないと、前橋の市街地か西桐生以外では沿線は食事がしにくい。そのロードサイドに出るのに、鉄道線路からでは歩く必要がある。大胡電車区に行けば出店があったはずだ。
いま思えば江木にはパン屋があった。それを失念していた私は、中央前橋まで戻ろうかと上り電車に乗って……おおそうだ、片貝ならばスーパーマーケットもファストフード店もあるぞ、と思い出した。中央前橋では飲み屋だらけだからな。
■最後の戦いにのぞむ
団地の駐車場の端で三脚を立てていると、デハ101がやってきた。まあ、こんなものかなあ。もっと広角で写してもいいけれど、ゆがみ方が半端なのもいやだし。こういう日もあるということ。でも、ひさしぶりにデハ101を追い回すのはおもしろかったからいいや! 関係者のみなさんには感謝の気持ちでいっぱいだ。ありがとうございました!
この時点ですでに14時45分だ。デハ101はずっとイベントのあいだも走っていて、大胡電車区には15時のイベント終了直前まで戻らないダイヤだった。キャパシティの広くない電車区にはだいじな小さいお友だちに来てもらい、うるさ型の大きなお友だち(私とかさ!)には沿線にいてもらうためかもしれないな。それはともかく、ずっとデハ101を追い回してしまったので、今回は大胡電車区に立ち寄らなかった。今度あらためて訪問することにしよう。
■昼ごはんを食べそこねた
だが、ここでもうひとつの問題が発生しまして。それは、「ひるめしのもんだい」(椎名誠のエッセーのタイトル)だ。私はずっと食事をしていなかったけれど、ロードサイドに出ないと、前橋の市街地か西桐生以外では沿線は食事がしにくい。そのロードサイドに出るのに、鉄道線路からでは歩く必要がある。大胡電車区に行けば出店があったはずだ。
いま思えば江木にはパン屋があった。それを失念していた私は、中央前橋まで戻ろうかと上り電車に乗って……おおそうだ、片貝ならばスーパーマーケットもファストフード店もあるぞ、と思い出した。中央前橋では飲み屋だらけだからな。
■最後の戦いにのぞむ
そうして食事をしたのち、「かたかい」とひらがなで書いてあると、「たたかい」のように見えるなどととりとめのないことを考えながら、日没直前の沿線にもう一度繰り出すことにした。朝買った赤城南麓フリー切符(1日乗車券)もあるからね。それに、何度か遭遇した715-725編成『北原ゆうき』号をうまく撮れなかったのが惜しまれた。去年はあれこれ言っていたくせに(苦笑)。今年は「戦いはこれからだ!」という勢いでいる私も、そうとうアレでナンだ。いやいや、撮れぬなら撮らせてもらおうホトトギス。
そうして粕川の橋梁のたもとでカメラを構えていたら……。
イベント終了後にヘッドマークは取り外されていましたとさ。
【撮影データ】
そうして粕川の橋梁のたもとでカメラを構えていたら……。
イベント終了後にヘッドマークは取り外されていましたとさ。
【撮影データ】
Nikon D7200 /AI AF Nikkor 50mm f/1.4D, AI AF Zoom-Nikkor 80-200mm f/2.8D ED <NEW>/RAW+JPEG/Nikon Capture NX-D/Adobe Photoshop CC/Google Nik Analog Efex Pro2
【関連記事】
■【上毛電気鉄道撮影記事】いざ大胡! 「上州の野武士」デハ101出陣なり(その1)(2016年4月25日)
■【上毛電気鉄道撮影記事】「上州の野武士」デハ101、新年も元気に走る(2016年1月5日)
■【上毛電気鉄道撮影記事】アップダウンの線形を撮る(2015年4月28日)
■【上毛電気鉄道撮影記事】菜の花を揺らしてデハ101が行く(2015年4月27日)
■【上毛電気鉄道撮影記事】上州の野武士健在!(2015年3月29日)
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上毛電気鉄道を被写体にして、撮影術とNikon Dfの機能を解説したKindle 電子書籍『ぼろフォト解決シリーズ073 Nikon Df で上毛電鉄を撮る!』はおかげさまで好評発売中です。編成写真ばかりではないけれど、そうゆるくもない写真を撮ってみたいなあ、という方におすすめです。上電の主要撮影地で撮影しています。私も自著を見ながら今回も撮影地を探しました! アマゾン(Amazon.co.jp)で販売しているKindle電子書籍ですが、専用リーダーKindleや各種タブレット端末をお持ちではなくても、iPhone、iPad、iPod touch などのiOS 搭載端末、Android 搭載のスマートフォンに専用のKindle リーダーをダウンロードしていただければ読むことができます。また、パソコンのブラウザで「Kindle Cloud Reader」と入力していただければ、パソコンで読むこともできます。ダウンロードしておけばネット環境から切り離しても大丈夫です。
書名:『ぼろフォト解決シリーズ037 Nikon Dfで上毛電鉄を撮る! しみじみ鉄道写真家・秋山薫編』[Kindle版]
著:秋山 薫
編:齋藤千歳
価格:530円
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