2016年5月2日月曜日

【上信電鉄撮影記事】デキ牽引『 2016ファンタジー』号走る


■「上州のシーラカンス」走る
温は午前8時で17℃。けれど、湿度が54パーセントもあるせいか、晴れ模様ながらいまひとつすっきりしない天気でいささか蒸し暑い。

超望遠ズームレンズのLEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 ASPH. / POWER O.I.S.を使って遠景にピントを合わせると、像のゆらぎも見える。きっと暑い一日になりそうだ。

部活の朝練に向かう黒髪おかっぱぱっつん率が高い(*)中学生たちとあいさつを交わしながら、カメラのセッティングをする。

そこへ踏切警報機がなり、待ち構えていた列車が遠くからゆっくりとやってきた。上信電鉄デキ牽引『2016年ファンタジー』号(以下、ファンタジー号と略)だ。先頭にたつデキはデハ252+クハ1301に比べると車体幅が狭くて、そのでこぼこぶりは見ていておもしろい。

『上毛の野武士』とは上毛電気鉄道デハ101号車だが、『上州のシーラカンス』こと上信電鉄デキ1型もまた、上州に残る貴重な車両だ。昨年の夏前に故障してしまったそうで、それ以来走る姿を見ることがデキなかった、いやちがう、できなかった。

だからこそ、5月1日にデキ牽引の列車が走るという知らせを聞いて、私はその日を心待ちにしてきた。

■超望遠ズームでデキをねらう
『2016ファンタジー』号は定員制の臨時列車で、高崎を8時40分に経ち下仁田着は11時03分。上りは下仁田12時29分発で、高崎着は14時54分とある。高崎〜下仁田を2時間以上かけて走るようにスジがかなり寝ている。

それだけではなく、おそらく途中で定期列車を退避するはず。そう思ってまずは高崎商科大学前周辺でまずねらった。この場所は超望遠レンズではないと撮れない。

今日はそれを予期して、撮影を依頼されている機材を持ち、超望遠ズームレンズのLEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm / F4.0-6.3 ASPH. / POWER O.I.S.を持参した。

冒頭のカットを押さえたのち、山名まで歩いて続行する13列車に乗った。元西武401系であるクモハ151-クモハ152がやってきてうれしくなる。MT46主電動機風味の音がするMT54とほぼ同一の主電動機の音と、AK3コンプレッサーにうっとりしながら(そう書くとちとヤバイ)ゆられていると、ファンタジー号を吉井で追い抜いてしまった。やはり!

過去のダイヤグラムを参照すると、ファンタジー号は吉井と上州富岡で退避があるとにらんでいたので、うまく場所を選べば電車で追いかけても最大で3回の撮影チャンスがあるのだろう。私はそのまま南蛇井まで行き、ファンタジー号を待った。


超望遠ズームレンズで列車の真正面をアップにして撮ることを考えてこの場所を選んだし、事実そう撮ってもいる。けれど、デキが遠くからやってゆらゆらと車体をゆらして走って来るようすが気に入った。

■復路は広角で撮る
上り列車までは時間があるので、下仁田までデキを見に行くことも考えた。けれど、早めに撮影場所を押さえておきたいと思い、神農原まで歩くことにした。もしかしてどうかな、と思っていた宇芸神社の一の鳥居のところまで行くと、1番乗りだった。Yeah!





その後やってきた方と行き来する電車を見ながらよもやま話をする。鳥居を入れつつ架線柱を隠すアングルを考えていると、ときどき太陽が雲に隠れるのでひやひやする。ある程度編成が長いならば背景の住宅が隠せるなあと思って選んだアングルではあるのだが、かげるといまひとつ締まらない。うーん。

そしてファンタジー号が来たタイミングはかげったのよね。まあ、仕方がないな。

■しつこく追いかけて後追いでも撮った
このあと、西山名まで続行列車で行った。ファンタジー号は案の定、上州富岡で退避していたので、西山名まで行くとかなり時間を稼ぐことができた。順光のアングルで後追いでねらった。このときは太陽は隠れなかった。



さて、この日は上信電鉄沿線にしては人出が多かったとはいえ、のんびりした雰囲気で地方私鉄の撮影は楽しいな、と思わされた。先日の上毛電鉄でもそうだったから、JR沿線の撮影がアレなんだよな……。企画と運営をされた上信電鉄の関係者のみなさんにも、お会いしたみなさんにもお礼申し上げます。ありがとうございました。

【注】
* 黒髪おかっぱぱっつん率が高い:高崎および前橋周辺にいると、どうもあのあたりの中高生にはそう思えるのは気のせいかなあ。男子でも茶髪の子が少ないかも。進学校だと校則がうるさいし、かついまの流行をクリアできるからだろうね。

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