■台風シーズンとは夏が終わるのかな
つい先日梅雨明けして夏の本格的な訪れをよろこんだつもりでいたら、台風の到来に夏の終わりを感じさせる。えーもう、マジか。筆者は撮影や原稿書きに、夏の被写体をありがたく撮っている。今年はなんども花火大会に出かけた。浴衣が似合う素敵な異性が隣にいるとか、疲れて眠ってしまうかわいい子どもを抱いて電車に揺られる、なんてことはなくて、三脚を抱えての撮影目的だ。
それでも、ときには「おお!」と声にならないため息を思わず漏らすことがあるのが、撮影に出ているおもしろさ。ありがたいことですね。今回は8月15日に行われた長瀞船玉まつりの日のことを書こうと思う。
■撮影地でお盆であることを思い出した
それでも、ときには「おお!」と声にならないため息を思わず漏らすことがあるのが、撮影に出ているおもしろさ。ありがたいことですね。今回は8月15日に行われた長瀞船玉まつりの日のことを書こうと思う。
■撮影地でお盆であることを思い出した
夏らしい絵とSLパレオエクスプレスを求めて秩父鉄道に出かけ、勾配を上るパレオエクスプレスを見て私はようやく、この日が8月15日であることと、長瀞船玉まつりが行われる日であることを思い出した。子どもの頃から数え切れないほど秩父に行っているのに……少なくとも25回くらいは昨年1年間だけでも秩父鉄道沿線にいたのに、この祭りを見たことがない。そもそも、自宅周辺の祭りには行っても、遠くの祭りに行ったことがほとんどないので、私の催事レーダーが働いていなかった。うかつ、ではあるね。いやまあ、13日土曜日の熊谷花火大会には行こうかどうか迷ったのだけどさ。
お祭りも見てみたいし、花火の写真を撮る必要があるから、行ってみようかな。
そこで、上りSLパレオエクスプレス5002列車を武川まで追いかけたあと、秩父まで戻ってほかのこまこました撮影を済ませてから、夕食を買った。17時ころの長瀞駅もすでに混雑しているのが見えたので、長瀞ではどう考えても食べ物が買えないのではないかと危惧したからだ。
そうして、18時過ぎに長瀞駅に降り立って、自分の予想は外れていなかったことをかみしめた。23区内の朝ラッシュのような人混みだったからだ。そこで帰りの急行券を買い、スーパーやおよしで飲み物を買ってから岩畳へ行ってみた。やおよしの惣菜がほとんど売り切れていたことにも驚きながら。
長瀞によく行かれる方ならおわかりだろう。長瀞駅から岩畳へ行くには狭い道しかない。左右に土産物屋と飲食店、旅館が並ぶ。あの道が人並みで埋まっているのだから混雑は推して知るべし。そして、岩畳も見物客でびっしり埋まっていた。
■自分の知らない長瀞の美しさをかいま見た
それでもね。たそがれゆく川面に浮かぶ船と灯篭には風情があって、いいなあとうっとりした。これだけでも私は満足だ。このようすを自分の目で見てみたかったのだ。
花火は19時15分から打ち上がる。はじめて行ったので打ち上げ場所と打ち上がる方向がいまひとつわからない。そこで、岩畳を上流方向に歩いていった。川面が見えないけれど、それはもう到着が遅いのでしかたがない。
花火の打ち上げ場所は岩畳の対岸だった。つまり、岩畳で花火を見ているとほとんど真上に見える。川面といっしょに写すことはあきらめて、花火を観察しながら撮る。花火そのものよりも、観客の歓声を聞いているのが楽しい、ということに気づいた。岩畳に寝そべって花火を見るというのも楽しそうだ。こんどはゆっくりと見に来ようっと。
■夜の長瀞駅が都心のラッシュアワーのよう
さて、花火は21時で終了する。岩畳から長瀞駅まではふだんならば10分もあれば歩ける。だが、21時に歩き始めたら、いっせいに見物客が移動し始めるので、おそらくは長瀞駅まではそうとう時間をかけてもたどり着けまい。そこで、20時45分に私は機材を片付け、転ばないように注意して岩畳を抜けて駅に向かった。それでもいつもよりも駅までは時間がかかった。
21時になる前の長瀞駅は、それでも23区内の朝ラッシュのようだった。目の前で出発した下り電車(7001編成)は、あたかも田園都市線のようだった。私は念のために買った急行券を駆使することにして、急行列車を待ちながら、最後の花火を駅のホームから眺めた。夏が終わっていくんだな、と思いつつ。そこへ、影森行きの急行がやってきた。充当されていたのが急行リバイバルカラーの6003編成で、じつにうれしくなった。
御花畑駅から西武秩父駅まで行くと、ちょうど池袋行き最終のレッドアローの出発時間だった。特急券は車内でも販売いたしまああす、と駅員が声を張り上げるなかを走って乗り込むみなさんを横目に、私は各駅停車に乗り込んだ。その横の秩父本線の線路を、さきほど乗った6003編成が影森から上っていく。子どもの頃にここを100形電車が上っていくのを見て感激したのが、私の秩父鉄道趣味のきっかけだったとはなんどもここに書いたことがあるけれど、ひさしぶりにそんなことを思い出した。
あのころとちがって、ちゃんと写真にできるようになったのは進歩したのかな。
【撮影データ】
OLYMPUS PEN-Fほか/M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROほか/カラープロファイル3/Google Nik Analog Efex2
お祭りも見てみたいし、花火の写真を撮る必要があるから、行ってみようかな。
そこで、上りSLパレオエクスプレス5002列車を武川まで追いかけたあと、秩父まで戻ってほかのこまこました撮影を済ませてから、夕食を買った。17時ころの長瀞駅もすでに混雑しているのが見えたので、長瀞ではどう考えても食べ物が買えないのではないかと危惧したからだ。
そうして、18時過ぎに長瀞駅に降り立って、自分の予想は外れていなかったことをかみしめた。23区内の朝ラッシュのような人混みだったからだ。そこで帰りの急行券を買い、スーパーやおよしで飲み物を買ってから岩畳へ行ってみた。やおよしの惣菜がほとんど売り切れていたことにも驚きながら。
長瀞によく行かれる方ならおわかりだろう。長瀞駅から岩畳へ行くには狭い道しかない。左右に土産物屋と飲食店、旅館が並ぶ。あの道が人並みで埋まっているのだから混雑は推して知るべし。そして、岩畳も見物客でびっしり埋まっていた。
■自分の知らない長瀞の美しさをかいま見た
それでもね。たそがれゆく川面に浮かぶ船と灯篭には風情があって、いいなあとうっとりした。これだけでも私は満足だ。このようすを自分の目で見てみたかったのだ。
花火は19時15分から打ち上がる。はじめて行ったので打ち上げ場所と打ち上がる方向がいまひとつわからない。そこで、岩畳を上流方向に歩いていった。川面が見えないけれど、それはもう到着が遅いのでしかたがない。
花火の打ち上げ場所は岩畳の対岸だった。つまり、岩畳で花火を見ているとほとんど真上に見える。川面といっしょに写すことはあきらめて、花火を観察しながら撮る。花火そのものよりも、観客の歓声を聞いているのが楽しい、ということに気づいた。岩畳に寝そべって花火を見るというのも楽しそうだ。こんどはゆっくりと見に来ようっと。
■夜の長瀞駅が都心のラッシュアワーのよう
さて、花火は21時で終了する。岩畳から長瀞駅まではふだんならば10分もあれば歩ける。だが、21時に歩き始めたら、いっせいに見物客が移動し始めるので、おそらくは長瀞駅まではそうとう時間をかけてもたどり着けまい。そこで、20時45分に私は機材を片付け、転ばないように注意して岩畳を抜けて駅に向かった。それでもいつもよりも駅までは時間がかかった。
21時になる前の長瀞駅は、それでも23区内の朝ラッシュのようだった。目の前で出発した下り電車(7001編成)は、あたかも田園都市線のようだった。私は念のために買った急行券を駆使することにして、急行列車を待ちながら、最後の花火を駅のホームから眺めた。夏が終わっていくんだな、と思いつつ。そこへ、影森行きの急行がやってきた。充当されていたのが急行リバイバルカラーの6003編成で、じつにうれしくなった。
御花畑駅から西武秩父駅まで行くと、ちょうど池袋行き最終のレッドアローの出発時間だった。特急券は車内でも販売いたしまああす、と駅員が声を張り上げるなかを走って乗り込むみなさんを横目に、私は各駅停車に乗り込んだ。その横の秩父本線の線路を、さきほど乗った6003編成が影森から上っていく。子どもの頃にここを100形電車が上っていくのを見て感激したのが、私の秩父鉄道趣味のきっかけだったとはなんどもここに書いたことがあるけれど、ひさしぶりにそんなことを思い出した。
あのころとちがって、ちゃんと写真にできるようになったのは進歩したのかな。
【撮影データ】
OLYMPUS PEN-Fほか/M.ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0、M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PROほか/カラープロファイル3/Google Nik Analog Efex2