2019年8月28日水曜日
【関西リハビリ鉄2019夏】カラフルチン電 阪堺おでこライト電車モ351&モ501
■チン電散歩の日々を思い出しつつ
首都圏では熱帯夜が続いた暑苦しい日々が終わりを告げて、朝晩の気温がだいぶ下がり過ごしやすくなってきた。台風の影響もあり、夏の終わりをひしひしと感じさせる。小・中学生諸君で夏休みの宿題が終わっていない子は、そろそろ焦っているのではないかな。
「松下ルミ子」(飯田ともき『カメラバカにつける薬』より。筆者にとってはPanasonic LUMIX GX7 Mark II)を手にあちこち撮り歩く「大阪のカメラのおっちゃん」の日々を終えて、首都圏の自宅に帰ってきて、いまはごくありふれた「首都圏のカメラおじさん」に戻ったということは、自分にとっての「今年の夏」が終わった感じがするのですね。そのせいか、そのときはなんとも思わなかったものごとをときどき思い出してはハッとさせられる。もの思いにふけるのも晩夏っぽいよね。
昨夜は、寝床でとつぜん「大寺南門山之口前(おおでらみなみもんやまのぐちまえ)」というバス停を告げる南海バスの放送を思い出してしまい、あれれれれ、なんだっけそれ! としばらく目が冴えてしまった。じぶんには堺市内の南海バス布忍(ぬのせ)線宿院(しゅくいん)バス停のとなりにあるバス停というだけで、降りたことがない。その響きをおもしろいと思っていたのかな。滞在先から堺市内に出て阪堺電気軌道(以下阪堺電車)に乗るために、しばしば乗っていたからね。
■雲電車塗装のモ352が除籍に
阪堺電車が好きで初年の夏もしばしば乗っていたとはいつも書いている。真夏に滞在しているので、阪堺電車名物の雲塗装、あるいは緑色のレトロ電車であるモ161形が走るところはいまだにいちども目撃できないでいるという、遅れてきたチン電ファンはかなりおかしなことになっているのだが……俺だってモ161形に乗ってみてえんだけど、夏は走らないからしかたねえだろ……それでも、阪堺電車は私にとってじゅうぶんにおもしろい。それは、南海電鉄時代にズームーカーの要素を活かして作られたおでこライトのモ501形と、似た車体に吊り掛け駆動の主電動機と台車を流用して作られたモ351形が、併用軌道や路地裏の専用軌道、鉄橋や勾配を走るところを見られるから。
都電荒川線も好きだけれど、沿線の景色の変化がずっと大きい阪堺電車のほうが、私にはずっと興味を引かれるのだ。
そんな阪堺電車のことを思い出したのは、この好きな電車のうち吊り掛け駆動のままでいたモ351形のうちの1両である雲電車塗装のモ352がこの夏に除籍されたということが、阪堺電車の公式Webサイトに記されているのを目にしたから。このモ351型は全5両製造され、日中でも少し待てば数両は見ることができるので、日常的に乗車もできる国内でも数少ない吊り掛け駆動の電車としては(少なくとも私には)貴重な存在だ。
除籍されたモ352は数年前に脱線事故を起こしたそうで、それ以来ずっとあびこ道の車庫の奥で動かされないでいるのを列車でそばを通過するたびに見ていた。もうずっと動いていないと沿線で会話をしたファンの方からも聞いていたので、驚きはしない。「公式が認めた」という事実に、ああ、と声にならない声を出したというだけだ。
■カラフルチン電をこれからも撮るぜえ
過ぎ去った日々を懐かしく思っているだけではしかし、アレなのだ。何度も行って気に入ったことだし、沿線にご縁もできたと思えばこれからもチン電は自分にとっての観察対象だ。チン電を撮りに堺まで来たでえ、おっちゃんまた宿院におるよ! という元気を出せるようにがんばろ。ルミ子はアライアンスや。
【撮影データ】
Panasonic LUMIX DMC-GX7 Mark II/LUMIX G VARIO 45-150mm F4.0-5.6 ASPH. MEGA O.I.S./Adobe Photoshop CC 2019