2012年1月19日木曜日

【KIEV-6S関連記事&秩父鉄道リハビリ鉄記事】デキ102+108の登場!

デキ102がデキ108を牽引して広瀬川原から出場

■KIEV-6Sを持って秩鉄に来た日の話の続編
1000系電車1003編成「オレンジバーミリオンII」と荒川桜堤の駅で交換する列車が遠くから見えて来たとき、いったいなにがきたのだろうと思い、目を細めた。クリント・イーストウッドが演じるダーティ・ハリーのように。

「さあ、やれよ。楽しませてくれ」"Go ahead, Make my day"というやつだ。

目を細めたのは、近づいてくる列車は水色の車体でヘッドライトがひとつ灯っているからだ。どうみても電気機関車(デキ)にしか見えない。けれど秩父党のみなさんならご存知のように、熊谷~武川には通常は貨物列車が来ないので、デキが走ることは少ないはずだ。SLパレオエクスプレスを広瀬川原からの出入庫時に牽引するデキ201ならば、SLパレオエクスプレス運転時に熊谷~広瀬川原で見られる。けれど、デキ201のヘッドライトは2灯だ。いま見えている車両のヘッドライトは1灯……デキ100形ということか。

これにはひどく驚かされた。広瀬川原から武川のあいだは、広瀬川原で各種検査を受ける電気機関車が行き来する程度だろうから、ふらりと訪問した日に簡単に出会えるとは思っていなかったのだ。

逆光だとしびれるほどカッコいい

■好きなカメラを持っている日の好きな車両に出会っちゃった
しかも、よりによってポジフィルムをつめたソ連製一眼レフKIEV-6Sという、自分にとってはスペシャルな機材ではあっても、デジタル一眼レフのようには連続撮影をしながら写すことができない機材を持っている日に出会うとは。

おまけに、デキのうちでもクラシックさが最も好きなデキ102と108の組み合わせで出会えるとは! いやもう、これはものすごくついている。

■私のKIEV-6Sはきちんと働いてくれた
デキ102+108は駅でいったん停車したのち、すぐにゆっくりと走り出した。吊り掛け式駆動のモーターの重低音が唸り始めた。目の前をゆっくり通過するようすにすっかりまいってしまい、私はブローニーフィルムの一眼レフであることを忘れて興奮しながら連写をした。ゆっくり確実にフィルムを巻き上げるのが操作の基本であるというのに。

けれど、KIEV-6Sでもきちんと整備をしてあるものならば、こういう用途にも使える。1970年代後半の製造のカメラでも、この数年前にウクライナのカメラディーラーであるARAX FOTOでオーバーホールをしてもらったからだ。ネットオークションや中古カメラ店で買っただけではない。調整済みなのだ。KIEV一眼レフに限らず、ソビエト製カメラはとくにときどき整備や調整をしてもらいながら使うカメラだ。

ひさしつきデキ108もほんとうにかっこいい

■冬の光のもとで見るとじつによかった
冬の逆光で見るデキはかっこいいけど、デキ108は外板もけっこう傷んでいるんだね。そのうちにデキ107+108重連なんていうのも見たい。などとずいぶん勝手なことを思う私。

あっというまのデキごとだった

デキはゆっくり加速して武川へ向かって行った。1003編成「オレンジバーミリオンII」とデキ102+108の交換とはじつにいいものを見てしまった。そして、標準レンズ程度ならば「カジュアル中判撮影」はできるかもしれないという確信も得た。あとはカメラと撮影方法に慣れれば。

カメラを使いこなすというのは、カメラに慣れることなのだろうね。まずはどんなことでも始めてみないといけないな。

【撮影データ】
KIEV-6S・MC ARSAT-C 2.8/80・F8~5.6・1/500sec.・RVP100