(前回の続きです)
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デュッセルドルフ市電の一日乗車券"Tages Ticket" |
■一日乗車券を買って707系統にとりあえず乗ったデュッセルドルフ中央駅(ハウプトバーンホフ)前の宿を出て、DB駅前の電停にある窓口で1日乗車券を買った。系統図をもらいたかったのに、日曜日の朝8時には係員がいない。でも、切符は自販機で買えた。自販機は独英仏伊西対応だったかな。あとトルコ語もあるのが現代のドイツらしい。1週間程度の旅行だから寄らなかったけれど、駅前に夜遅くまで営業している大きなケバブ屋があったもんな。とにかく、路線図はなくても切符は買えたので、とりあえず乗ってみることに。まずは駅前に止まっていた707系統大学行きに乗った。
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まだ紅葉していないけど、こんな町並みを走ります |
乗ってみると急なカーブも平面交差も街路樹のある道を走る経路もあり、とてもいい! 惜しむらくは電車がどこにでもいそうな低床のVVVF車であること。「ありふれている新型」ということだ。あと、緯度が高いので太陽が低く町中だと影がめだってしまう。そこで大きな道と平面交差するUni-Klinikenで降りてみて、しばし平面交差を観察した。しかし、ほかの系統でも新しい電車ばかり。
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平面交差が何カ所もある |
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キリスト教会の尖塔と平面交差があるだけで外国に来た感じ |
■Wikipedia情報に従って乗り換え
今度は、Wikipediaで古いGT8の運用があると書かれていて、郊外までいく路線らしい712系統に乗るために、Sバーン乗り換え駅であるD-Blikまで戻る。Ratingen-Mitte行きを待ってみた。
この系統はおもしろくて市内の繁華街を通り抜けて郊外へ出る。郊外に出ると専用軌道だ。森のなかを走るところを見つけて目星を付けつつ、終点まで行く。終点って気になるよね。森のなかだったらどうしよう!
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電車を降りたら天国みたいなところだった |
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緑が淡い |
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消火栓もすてき |
残念ながら終点はそんなことはありませんでした。バスターミナルが隣接されていて、ループがあるだけ。そこで、森のなかを走るRather-Waldstadionまで戻る。20分に1本と本数はまあまあ。それにしても新しい車両1形式しか来ない。
駅近くの売店で炭酸水を買った。そういえば「炭酸水」ってどういうのだろう。ロシア語は"газированная вода (ガジローヴァンナヤ・ヴァダー)"。それと、コーヒーやお茶の砂糖の有無を"с сахаром(サーハラム)/ без сахара(ベス・サーハラ)"というよね。そんなことから類推して英語でなんとなく"mineral water with gas"とたずねてみたら店員さんに"mit gas?"と念を押されたので、通じたらしい。なるほど"with"が"mit"か。いやほんと。ドイツ語は初級テキストを開いたことさえないから。『蘭学事始』のようだ。でも、「フルヘッヘンド」は『ターヘル・アナトミア』には載っていないのですって。
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緑もきちんと刈り込まれている |
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犬はたくさんみかけた |
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森のなかにあるこの電停はWikipediaで発見 |
ただ森のなかの公園はとても素敵だった。このところ「森に行きたい」とずっと思っていたので電車のことを忘れて散策を楽しむ。緑が淡いのもいい。電停一駅分を遠回りして歩き、町中へ戻る。Heinrich-Heine Allee(だったかな)で降りる。カーブを曲がり石畳の真ん中を電車が走るという、「ヨーロッパっぽくてステキ」な町並みを観光客を入れつつ撮り、バゲットのサンドイッチを買って楽しむ。フランスパンのサンドイッチもずっと食べたいと思っていた。
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ほらほら、曲がってきたよ |
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観光客が歩くようなところも電車が走る |
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クソガキめ、あっかんべー |
じつはこれだけで疲れちゃいまして。しばらく撮ってから一度宿へ戻り、カメラを充電してから「やっぱり古い電車を撮りたい」とWikipediaをあらためて調べてから車庫に行ったのが前回の写真だった。けっきょく、ねらっていたGT8は倉のなかなのかぜんぜん見えなくて。そこは心残りではあるけど、デュッセルドルフ市電のおもしろさにうれしくなってしまったから、まあ仕方ないか。Wikipediaはあてにしてはいけないという例でもあるね。
■GT8が地下を走っていた
帰国する朝になって、ふと中央駅地下のUバーンを見てみた。すると、ようやくねらっていたGT8の改造型(GT8SU)を見ることができた。なんとまあ、路面電車のなかでも中央駅地下を走る系統はUバーンという名前で、路面電車のまんま地下鉄みたいなホームにやって来るとはね。そこにいたんですわ、お目当ての電車のなれのはてが。無知は罪だな。知っていたらこの系統を撮りに行ったもの! 知らないことは存在しないようなものなので、しかたがない。
それにしても、雨の夜に駅前で見かけたクリーム色の旧型車両はなんだったのだろう。おそらくはなにかの臨時運行だったのかといまでは思う。ゲリラ豪雨の夜に見かけたのでなおさら印象深く覚えているのだが。
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宿のすぐ近くの地下におめあての電車が走っていた |
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1995年モスクワのタトラT3SU。こういう感じの電車が見たいのさ |
【撮影データ】
Nikon D2X/AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED, AI Nikkor 50mm F1.8S, AI AF Zoom-Nikkor 80-200mm f/2.8D ED <NEW>/RAW/Adobe Photoshop CC