これではまるで「われ泣きぬれて蟹とたはむる」(石川啄木『一握の砂』 )みたいだ。言っておくけど泣いてなんかいない。もし泣いてもブログになんて書かない。そんな自己顕示のしかたは好きではない。
先日、江ノ電の電車を撮りに数回出かけたというエントリーを書いた。そのときの主目的である茅ヶ崎東海岸での用務の合間の写真だ。湘南とかサザンオールスターズにぜんぜん関心がなくてロマンを感じない人なのに、目の前に穏やかに広がる冬の海を見て、やはり圧倒された。
その広がりや光のまぶしさ、想像もできないほどの昔からあり、私がいなくなっても未来永劫続くのに、そのくせ二度と同じかたちにはならない寄せては消える波。すべてのとほうもなさ。
そんなことを解説するのももどかしい。いかのも後づけの理屈らしくて不自然だ。とにかく本当に言葉を失った。ただ茫然と。