2014年6月5日木曜日

【秩父鉄道沿線撮影記事】武甲線の遺構を見る


秩父鉄道影森駅から伸びていた武甲線をようすを知っている人は、おそらくアラフォー以上の年齢だろう。1984年に廃止になったといい、私もその現役当時は見たことがない。そもそも、おぼろげな記憶を辿ると『レイルマガジン』誌が創刊(1983年)間もない頃に特集で秩父(秩父鉄道と西武秩父線)を扱ったことがあり、そこで武甲線の廃止を知った記憶がある。手元に本がないのでおぼろげな記憶ではあるが。当時私は秩父鉄道に興味を持ち始めた小学生だったうえに、電車を追いかける余裕しかなかった。武甲線の廃止直後の跡を見に行くことも考えつかなかったのだと思う。

影森駅の待合室に飾ってあるデキの単機回送の写真を見るたびに、ああ、行ってみなくちゃとは思っていたのに。




余裕がないとものが見えないのだな、とつくづく思ったのは最近のこと。武甲線の跡の一部区間がハイキングコースになっていることを、しばしばそのそばを歩いているのに知らなかったのだ。

正確に言えば、電車のダイヤを考えていて余分な行動をできていなかった、というほうが正しい。いま、毎週のように秩父に通いながらもパレオ以外の列車のダイヤを追うことをしていない、という撮影行をするようになってはじめて、武甲線の跡のハイキングコースを歩いてみて……もっと早く行くべきであったと思い知ったというわけだ。残された架線柱や枕木を見て、なんと魅力にあふれる路線跡なのか! と思う。