2014年8月27日水曜日

【2012年8月 秩父鉄道1000系記事】2012年の夏休み、1000系電車は走る


■2012年の夏を振り返る
3両編成が12本導入されて1980年代半ばから2010年頃までは、秩父路の主役として活躍していた秩父鉄道1000系電車は、2012年8月の時点では4編成まで減っていた。その内わけは、1001編成スカイブルー、1003編成オレンジバーミリオンII、1007編成秩鉄リバイバルからー(チョコバナナ)、そして1010編成秩鉄オリジナルカラーだった。この時点で、1007編成の引退は秋ごろであろうと見られていた。2012年12月8日にさよなら運転が行われて1007編成が引退したのは、秩鉄ファンのみなさんにはご存知のとおり。

とはいえ、2012年には4編成あったので数時間沿線にいればどれかに遭遇することはできた。その翌年の2013年秋に、1001編成スカイブルーが退役してからは「1000系に会えないな」と思うことが多くなったものだ。

もっとも、ファンサービスに余念のない秩父鉄道の運用担当の方々は、パレオエクスプレスの前後に1000系を充当したり、ダイヤの公開を行ってくれたのだから、ちょっと調べれば撮影しやすかったのだと思う。

■とある夏の夕方に
2012年の夏には足繁く秩父に通っていた。とある日の夕方近い時間に御花畑で上り列車を待っていたら、さっそくオレンジバーミリオンの1003編成がやってきた。その走りを楽しみながら長瀞まで行かずになんとなく降りた。まだ明るい時間だったので、どこかで列車が走るようすも撮ってみたいと思ったからだ。

駅を降りてすぐ近くにある第4種踏切に立った。すると、さっそく1001編成スカイブルーが現れてうれしくなった。


■夏の秩父路が好きだ
学生さんの夏休み期間中は、沿線もとても活気づく。御花畑や寄居、熊谷といった主要乗換え駅から家族連れや学生さんたちがうれしそうに秩父鉄道の列車に乗り込んでくると、電車はときには都内を走っているかのように座席が埋まる。通勤輸送用に作られたこの電車はそういうときに本領発揮したのだろう。乗っているみなさんが楽しそうなようすなのもいい。楽しい思い出ができるといいね。

さて、私は1001編成を見てからそのあとはしばらく線路沿いを歩いて1001編成の下り列車も撮った。それでもまだもの足りずに武甲山の麓の駅まで列車に乗った。そうしてしばらく待っていると1010編成と1007編成が上下で交換するところに出くわした。


■あのころを思い出すとまた秩父へ行きたくなる
1000系電車、というよりも国鉄101系電車ははいま思い出すと、よく揺れる電車でもあった。FS-072/372空気ばね台車をはく秩鉄6000系電車や西武4000系電車、あるいは空気ばねのTS台車をはく東急から来た7000系列の電車から乗り換えると、最高速度85km/hほど出す直線区間では大きな揺れや車端部の渡り板が跳ね上げる音が聞こえてきて、そのようすに「101系はこういう感じだよな」などと、ちょっと懐かしい思いがこみ上げてきたものだ。

この日はたくさんそうして列車に揺られて、いろいろと撮影もできた。こうして自分自身にも夏の秩父の思い出を増やしたから、いまでも夏になると目的がなくても秩父へでかけたくなる。

【撮影データ】
Nikon D2X/AI AF Zoom-Nikkor 80-200mm f/2.8D ED <NEW>/RAW/Adobe Photoshop CC