一日に三往復しか列車のこない線路沿いは、もう秋の装いだった。
北海道に行ってきた。鉄道撮影が主目的で出かけたわけではないが、それでもうち二日間は廃止になりそうな路線を見に行きながらの撮影をした。
まず訪れたのは学園都市線末端の非電化区間の新十津川。学園都市線などというと、どこにでもありそうな路線のようだ。札沼線というほうが似合う。そして、新十津川は意外にも町中にあるのに、駅のさびれ具合に言葉を失った。
浦臼まで戻って、やってきたキハ40を眺めた。列車の到着と同時に町の運営するバスがやって来た。けれど、午後の列車にもバスにも乗降する人は見あたらない。このあたりの人たちの暮らしに、鉄道はまったく関係がない存在なのだろう、と思わざるをえない。かくいう私もクルマでここまで来たのだから、偉そうなことは言えない。
この日から数日間は、本州に接近しつつあった台風の影響で天候が安定せず、晴れ間が見えてもすぐに太陽は黒雲に隠れ、しばらくすると雨が降るという感じ。写真的にはたいへんダイナミックに仕上がるとはいえ、私はむしろ明るい絵がほしかったのだけどなあ。
【撮影データ】Nikon D7200/AF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-6.3G ED VR/RAW/Adobe CameraRaw