2019年9月20日金曜日
【関西リハビリ鉄2019夏】雨の日、チン電に乗る
■雨の日になるとチン電に乗っていたのかも
今年の梅雨入りは遅かった。けれど、そのぶん雨がちの日もきちんとあって、「朝は晴れていても午後から曇ってにわか雨が降ったりやんだり」という日々が続いた。そういうふうにはっきりと雨が降ることがわかっていた日は、私はいつもいつも阪堺電気軌道上町線の帝塚山四丁目電停に行った。松虫電停でもあべのハルカスを画面に入れて撮ることができるけれど、クルマの通行量が多い。帝塚山四丁目なら電停の屋根もあるし、ある程度通行量も減る。ただし、よく晴れると夕方近くになると道路は陰ってしまう。
そんなわけで、雨が降るたびにチン電に乗っていたというわけ。どこかに出かけたいけれど遠くに行く気がしない、という場合に遠からず、しかも首都圏にいては見られない路面電車の行き交うシーンを見ることができるから。滞在先からもっと近いのは堺市内の大小路あたりではあるけれど、天王寺駅前〜我孫子道のほうが列車の運転本数が多い。
■世の中の営みのほんの一部を垣間見る気持ちだったのかも
ここで1時間から1時間半ほどねばって、南海電車ふうデザインのモ351形やモ501形がやってくるのを待っていた。運がいいと続行してくることもある。そうして、おそらくこの場で私が見ていたのは列車だけではなく、道行く人々が列車や車を避けて道路を渡り目的地へ去っていくようすなのだろうといまは思う。世の中の人々の営みのほんの一部だということはわかっているけれど、それを垣間見るような気持ちだったのだろう。
■半端な曇り空よりも雨カモーン!
さて、列車や町の記録写真というよりも、もう少しエモく「自分の気持ちの記録」もできれば撮りたいな、くらいに考えている私としては、曇り空というのはいちばん困る。おもしろく撮りづらいからだ。いっそのこと、ばーっと雨が降るといいなあ、くらいな迷惑なことをしばしば考えている。雨粒が画面に写るとか傘をさす人々が写ると、「雨ですねえ」という描写ができていいから。
そんなふうに考えていたらにわか雨にあった。そこで、撮影を切り上げて浜寺駅前まで乗りを楽しんで、いつも行く松露だんごのお店福栄堂に行ってかき氷を食べながら雨が降るようすをひとしきり眺めた。その帰り道に、浜寺駅前からふたたび電車に乗ったら雨脚が強くなってきた。
そこで、思い切って石津電停で降りて石津川の太陽橋に行くと、傘を指していられないほどの本降りになった。そこでカメラを構えていると通行人のみなさんに不思議そうな顔をされた。善良な堺市民のみなさん、お騒がせしてすみません。
そこへ、オレンジ色に塗られて洋菓子店(キーフェルパティスリー)の広告ラッピングをまとったモ354がやってきた。青っぽい光の中でとてもめだっていい。自分がものすごく強運だと思うのはこういうときだ。やっぱり、少なくとも「電車運」はすごくいい。
このあと、金太郎塗装のモ505もやってきた。雨のおかげで全身ずぶ濡れだったけれど、気持ちはものすごく高揚していて、とても幸せな気持ちがした。
【撮影データ】
Panasonic LUMIX DMC-GX7 Mark II/LUMIX G 42.5mm F1.7 ASPH. POWER O.I.S./LUMIX G VARIO 45-150mm F4.0-5.6 ASPH. MEGA O.I.S./Adobe Photoshop CC 2019