2016年3月24日木曜日

【Nikon D7200記事】位相差AFに驚かされる、の巻

根小屋駅をデハ252が出発

■Nikon D7200に驚かされること
Nikon D7200を使っていてひどく驚かされることがある。それは、低照度時の位相差AF(ファインダーAF)の性能向上を体感するときだ。

長年使っていたD2Xはフラッグシップ機だけあり、低照度でもカプラー駆動のDタイプレンズを用いていても位相差AFに助けられることが多かった。AFはかなり食いつきがよく、そうそう外さないところがD2Xを手放せない理由だった。

ところが、そのあと使用していたD7000はD2Xと同じようにはいかなかった。1,600万画素は位相差AFの限界なのか、あるいはミドルクラス機だからしかたがないのかと、なかばあきらめていた。でも、ミドルクラスではあってもD7200では、きちんと位相差AFの精度が改良されているのだと知り、うれしくなった。

具体的には、AFセンサーがアドバンストマルチCAM3500IIオートフォーカスセンサーモジュールに変更されたこと。同じものがD750から採用されている。このD750は数回試用してみたところ、低照度でもAFがかなり使えるという実感があった。

D7200のD7000やD7100からの改良点はいくつもあるが、バッファメモリー容量の増大もさることながら、私にはこの位相差AFの高精度化がいちばんありがたい。

■日没後の列車をAF追従撮影してみたら
日没後に上信電鉄根小屋駅を見下ろす場所でカメラを構えていた。根小屋駅に停車した列車をライブビューで撮影していて、ふと思いついて位相差AFに切り替えてみた。あたりはもう暗い。どこまでAF追従するか興味があったからだ。フォーカスモードはAF-C、AFエリアモードはダイナミックAF(9点)だ。

そうして駅を発車した列車を連続撮影をしてみた。使用したレンズは古いAI AF Nikkor ED 300mm F4S (IF)でDタイプになる前のカプラー駆動のレンズだ。

このレンズが出たのはフィルムカメラのNikon F4(デジタルカメラのD4ではない)の時代で、1987年6月とアサヒカメラ別冊『ニューフェース診断室 ニコンの黄金時代 2 F4〜F100 「診断室」再録』(朝日新聞社(現 朝日新聞出版) 2000年)にもある。

ここまでは位相差AFが合焦

ファインダー内でヘッドライトの明るい部分の面積が大きくなるにつれて幻惑されるだろうことは想像がついた。1コマAFを外したのは、まあそうだろうなあ、と思った。ところが、驚かされたのはこのあとだ。AFが再測距して合焦できたのだ。驚きながらレリーズを続けた。

1カットAFを外したら……

なんと再び合焦!
■D7200が手放せなくなった
DXフォーマットのフラッグシップ機D500や、FXフォーマットのフラッグシップ機D5はさらにAF性能に手を入れられているようなので、それも楽しみだ。

D7200はフラッグシップ機ほどの作りこみはないが、D500よりもわずかに画素数が多く、それでいて多少小柄でもあるので、D500が出ても存在意義は多いにある。まだまだ活躍してもらおう。

【撮影データ】
Nikon D7200 /AI AF Nikkor ED 300mm F4S (IF)/RAW+JPEG/Adobe Photoshop CC

このようすはKindle電子書籍にも記しました
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書名:『ぼろフォト解決シリーズ041 プロの撮影思考とテクニックを徹底解説する Nikon D7200で上信電鉄を撮る! しみじみ写真家・秋山薫 [Kindle版]』
著・写真:秋山薫
著・編集:秋山薫、齋藤千歳
価格:540円

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