■大和高田でワシも考えた
堀田善衞の『インドで考えたこと』のタイトルをパロディとして若き日の椎名誠が書いたエッセーに『インドでわしも考えた』という本がある。80年代に書かれたそのパロディをさらにパロディで小見出しで使う筆者……ああ、痛いよ。ともかく、御所からJR和歌山線の105系電車に乗ってみよう、と意気込んでわざわざ近鉄御所経由でやってきたのに、JR御所駅でプラットホームに入場しようとしたらで駅員氏に「あかーん!」と制止された筆者。諸君らが愛してくれたカメラのおっちゃんは和歌山線に乗れなかった。なぜだ!? そりゃもちろん、アマちゃんという意味で「坊やだからさ」につきるのだけど……台風による降雨の影響で運転見合わせという運行状況を確かめなかったから。
近鉄御所から尺土まで戻って考えた。こうなったら、近鉄に乗って奈良方面を目指すか。桜井線運用ならすべてが新在家派出所に電車が停泊するわけではないはず。おそらくは、王寺などで停泊する編成もあるはずで、そうすると、もしかしたらダイヤが乱れていても桜井線内なら動く可能性もありそうだし。
正確にいうと、街の賑わいはいまやもっとどこかロードサイドにありそうだけれど、それでもいまでもずっとJR駅前より賑わっている。乗車人員数を見てみると近鉄の圧勝じゃないか。さらにいえば、近鉄大阪線大和高田駅のほうがもっとずっと賑わいがある。
◆年度別1日平均乗車人員
(Wikipediaより)
●JR高田駅
2015年(平成27年):2,313人
●近鉄大阪線大和高田駅
2015年(平成27年):8,714人
●近鉄南大阪線高田市駅(平均ではなく特定日)
2015年11月10日:7,696人
桜井線に前回、奈良から高田まで乗って乗客の流れを見ていて想像がついた。奈良から高田まで全線通して乗るのは、休日だと私のようなヲタくらいで、奈良から乗ったひとたちは近隣の駅でぽつりぽつりと乗りつつ、大半は天理や桜井で降りた。途中の乗降もあり2両編成の座席はほぼ埋まっていた。天理と桜井からは乗るひとももちろん多い。あとは、畝傍やイオンモールの眼の前にある金橋で乗降があるといった感じか。
地図を見るとわかるけれど、桜井線のうち桜井〜高田は近鉄大阪線と完全に並行している、時刻表を紐解けば近鉄のほうが運転本数も多い。JR桜井線桜井〜高田は平日ラッシュ時こそ1時間に3本走る時間があるけれど、基本的には30分ヘッドで1時間に2本(1本しかない時間帯もある)。いっぽう、近鉄の上り列車はラッシュ時に1時間に10本ある時間もあり、基本的には1時間に6本ある。おまけに、近鉄を利用するほうが乗換なしで大阪都心に出られる。
◆桜井〜大阪都心までの所要時間と料金
(2021年1月22日金曜日9時桜井出発、とNavitimeで検索)
◆年度別1日平均乗車人員
(Wikipediaより)
●JR高田駅
2015年(平成27年):2,313人
●近鉄大阪線大和高田駅
2015年(平成27年):8,714人
●近鉄南大阪線高田市駅(平均ではなく特定日)
2015年11月10日:7,696人
桜井線に前回、奈良から高田まで乗って乗客の流れを見ていて想像がついた。奈良から高田まで全線通して乗るのは、休日だと私のようなヲタくらいで、奈良から乗ったひとたちは近隣の駅でぽつりぽつりと乗りつつ、大半は天理や桜井で降りた。途中の乗降もあり2両編成の座席はほぼ埋まっていた。天理と桜井からは乗るひとももちろん多い。あとは、畝傍やイオンモールの眼の前にある金橋で乗降があるといった感じか。
地図を見るとわかるけれど、桜井線のうち桜井〜高田は近鉄大阪線と完全に並行している、時刻表を紐解けば近鉄のほうが運転本数も多い。JR桜井線桜井〜高田は平日ラッシュ時こそ1時間に3本走る時間があるけれど、基本的には30分ヘッドで1時間に2本(1本しかない時間帯もある)。いっぽう、近鉄の上り列車はラッシュ時に1時間に10本ある時間もあり、基本的には1時間に6本ある。おまけに、近鉄を利用するほうが乗換なしで大阪都心に出られる。
◆桜井〜大阪都心までの所要時間と料金
(2021年1月22日金曜日9時桜井出発、とNavitimeで検索)
●JR桜井線(桜井→JR難波)
王寺で「大和路快速」に乗換
もしくは高田発「大和路快速」に乗換:1時間程度 860円
王寺で「大和路快速」に乗換
もしくは高田発「大和路快速」に乗換:1時間程度 860円
(7時台と8時台に桜井線からのJR難波までの直通快速は2本)
●近鉄大阪線(桜井→大阪難波)
急行:45分程度 700円
(大阪上本町までなら640円)
さらに、奈良〜高田は桜井線で乗り換えずに行くよりも、関西本線王寺経由のほうが早い。近鉄奈良と大和高田なら2回の乗り換えが必要だけれど、10円安い。
◆奈良〜高田までの所要時間と料金
(2021年1月22日金曜日9時奈良出発、とnavitimeで検索)
●関西本線王寺経由
36分 510円
●桜井線経由
43分 510円
●近鉄奈良〜大和高田(大和西大寺・大和八木経由 参考)
45分程度 500円
■桜井線の役割は地域間輸送と近鉄各線への連絡にあるのかも
こうして遅まきながら気づいたのは、桜井線の果たしている役目は、奈良から桜井、天理、畝傍、高田にいたる地域間の細かい輸送と、近鉄各線への連絡にあるのだということ。
そう考えていくと、この105系電車というのは2両単位で編成を組むことができる1M方式電車であるとか、4扉ロングシートという設備が桜井線の実情に合致していただけではなくて、コストを掛けて新車をなかなか導入しづらかったから、こうして長いあいだ走り続けたということなのかもしれない、と。すごく残念で意地悪な言い方だとは思うけれど。
■街歩きができてよかった
そんなことを考えながらではあっても、はじめて歩いた大和高田の町には立派なアーケード商店街もあり、とても驚かされた。思えば、奈良県内にはバスに乗って修学旅行と仕事で来たことがあるだけだから、知らない場所のほうがずっと多いのだ。百聞は一見にしかずというべきか。大和高田もなんだか気に入った。予定していなかった街歩きが楽しくてよかったよ。
(まだまだ続く。今回もJRの電車の写真が出てこなくてすみません)
【撮影データ】
Panasonic LUMIX DMC-GX7 Mark II/LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH. LUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S./Adobe Photoshop CC 2018
■街歩きができてよかった
そんなことを考えながらではあっても、はじめて歩いた大和高田の町には立派なアーケード商店街もあり、とても驚かされた。思えば、奈良県内にはバスに乗って修学旅行と仕事で来たことがあるだけだから、知らない場所のほうがずっと多いのだ。百聞は一見にしかずというべきか。大和高田もなんだか気に入った。予定していなかった街歩きが楽しくてよかったよ。
(まだまだ続く。今回もJRの電車の写真が出てこなくてすみません)
【撮影データ】
Panasonic LUMIX DMC-GX7 Mark II/LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH. LUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S./Adobe Photoshop CC 2018