2020年5月4日月曜日

【秩父鉄道2013年10月】デキ108が走り回った日


■2013年10月の「さよなら1001編成」の日に
ードディスクのなかを整理していて、2013年10月12日に行われた秩父鉄道1000系電車1001編成「国電リバイバルカラー・スカイブルー」のさよなら列車の日に撮った写真を見つけた。このブログではその1001編成スカイブルーが1010編成秩鉄オリジナルカラーと組み合わされて6両編成で熊谷〜三峰口を往復したようすは記事にしているものの、それ以外の写真からは記事にしていなかった。そのためか撮影した本人がすっかり忘れていたけれど、よくよく思い返すとこの日は秩父鉄道「中のひと」のみなさんによるいわば「大サービス列車」がたくさん走った日だったのだ。そのうち、今回はデキ108号について書く。


あの日はとても天気がよく10月なかばにしては蒸し暑いほどだった。西武鉄道からの直通列車のうち1本めの長瀞行きに乗り、秩父市内の駅で降りてから歩いた。めざした場所は、SLパレオエクスプレスが走り始めるころまではとても有名だった切り通し区間。中学生のころは何度も行った場所だったから、そのことを思い出してなつかしさを理由に目指したようだ。ただし、この場所は駅間にあり、線路に道路が沿っているわけではないのでどちらの駅からでも30分程度歩く。クルマでは試したことがないが、アプローチしにくいし停める場所がないのではないか。

いい天気でうれしいけれど暑いなあ……と思いながら歩き始めたところで上り鉱石貨物列車の先頭にデキ107号が立っているのに遭遇した。武州原谷にいる列車のようすを通過する列車からながめていたのに、次の列車がデキ107が先頭に立つことに気づいていなかったとは不思議なのだが。気づいていたらもっと列車を撮りやすい場所で構えていただろう。それとも、撮りにくい上り列車だから無視しようと決めたのだろうか。

EXIFデータを見るとねらっていた1001編成+1010編成の撮影時刻が10時27分で駅すぐそばの写真が9時20分ごろに撮影されている。ということは撮影地に急ぐことを優先していたのかもしれない。



■デキ108がやってきた!
撮りたい列車を待つあいだにあれこれ野草やススキなどを写している。動画も撮ろうとしていたので機材もめいっぱい持ってきていた。動画を再生したらツクツクボウシの鳴き声までする。とにかく蒸し暑いと思った記憶はある。そうして、10時27分に通過する1001編成を待つあいだにやってきたのがデキ108牽引の鉱石貨物列車の返空だった。これは予期していなかったから、とてもうれしかった。秩父鉄道のデキのうちこのデキ107と108がいちばん好きだからね。



■暑いからという理由で午後は荒川橋梁へ
そうして10時ごろから1001編成を撮ったあとも12時前のSLパレオエクスプレス5001列車までこの場所で待ちつづけた。さすがに日向にずっといて暑さにまいったようで、午後は荒川橋梁をめざした。河原も涼しくはないだろうけれど、場所を選べば水のなかに足をひたしていられるからね。そういう理由で荒川橋梁をめざしたことはこれ以降数多くある。ははは。





そして、このあと16時すぎの西武鉄道直通列車2本めにまにあう時間までずっと河原にいた。いろいろな列車を撮影しているのに、どういうわけかデキ108牽引の上り鉱石貨物列車をスチルで撮影していないのは苦笑した。上空を飛び交うトンビや橋梁の柱から芽生える草なんて写しているのに。『テルーの唄』ごっこをしていたのか。我ながら見ていて「草が生えた」。

■帰り道でもまた出会った!
天気がよくても一日じゅう日向にいて、しかもめざす1001編成のほかにも門デフのC58363、赤デキ、茶デキ、1003編成オレンジバーミリオンなどのいろいろな「みなさんのお気持ちに応えますよ」的な「ヲタの琴線に触れるような」(あくまでも勝手な妄想ですが)すてきな列車をたくさん撮ることができたからか、池袋行き西武鉄道直通列車で引き上げてしまった。ところが、最後の最後にまたおもしろい出会いがあった。

駅でぼんやりしていたら、デキ108が鉱石貨物列車の返空列車としてふたたび現れたのだ。うれしいなあ。しかも、私が乗るつもりだった列車のまえに。ということは、この列車は西武鉄道直通列車に途中で追い抜かれるから、そのようすを見ることができるはず。ぼんやりしていてもそのことだけは思い出した。だから、ズームレンズをつけたカメラの露出をセットして窓際の席でスタンバイした。




そのおかげで、帰り道の電車に乗っていてもデキ108の写真を撮れたいうわけ。やっほう。対向列車を牽引している機関車がなんだったかは思い出せない。そして三倍交換のあいだに待機している運転士さんが貫通路を開けているくらい、夕方になっても暑かった。冷房装置もないし運転席の背後にはものすごく発熱するであろう機器をやまほど積んでいるから、きっと運転席は暑いのだろう。

そしてなにより、運がいいとこういう楽しい出会いがあるから、秩父鉄道通いを続けてしまうんだよなあ。古い写真を見ながらまたもやあれこれとプランを立てている。

【撮影データ】
Nikon D2X, D7000/AI AF Zoom-Nikkor 80-200mm f/2.8D ED <NEW>,  AF-S DX NIKKOR 18-200mm f/3.5-5.6G ED VR/RAW