2020年8月17日月曜日

【八高線撮影記事】「河岸」を変えて……残暑お見舞い申し上げます

 

■暑い日が続きますね
お盆休み期間も終わった。暑い日が続いているが、みなさんはいかがお過ごしだろうか。ようやく晴れる日が増えたのはとてもありがたい。体が暑さに慣れないけどね。そこで梅雨明けしてからも、お盆であっても筆者はあいかわらず自宅から10キロメートル程度のところにふらりと出かけている。遠出をしなくてもカメラがあれば私はそれなりに楽しい。距離が遠くなくても雰囲気が好きなところを選ぶとか、工夫をすればいいのだもの。

とはいえ、やはり列車のあるところのほうが私にはなにかと楽しい。ヲタだからさ……白いスーツを着てバーのカウンターでサングラスを掛けたままウィスキーのロックを傾けつつ、テレビを見ながらギレン・ザビの演説に対してつぶやくあのせりふのつもりでこのくだりは読んでほしい。そこで、ここしばらくはなんとなくJR川越線・八高線沿線に出向くことが多い。自宅から遠くはなく、宅地化が進んでもまだ雑木林を抜けて走る区間があり、それを好ましく思うからだ。

もともと私は都市近郊や周辺部を走る鉄道路線が好きなのだ。昨年と一昨年の夏にJR桜井線(万葉まほろば線)と和歌山線に通っていたのは105系電車が最後の活躍をしていたからだ。でも、それだけではなく、都市近郊を走るところが好きだった。開けたところが限られ、踏切には障害検知の装置がめだつところに置かれ、いろいろと撮影しづらいのだが。

■青梅短絡線で想像遊び
八高線と川越線にはぞれぞれいくつか橋梁がある。私がついつい足を運びがちな入間川橋梁はどちらも好きな場所ではあっても、写真をいつも似せてしまう。そこであらたな撮影場所を開拓したくなり、多摩川橋梁を目指した。「河岸を変える」というやつ。今回目指したのは1945(昭和20)年8月の八高線列車正面衝突事故があり、1947(昭和22)年7月に米軍機が事故を起こしたあの橋梁だ。ただし、そういう故事を求めてでかけたわけではない。

その道中で中央線からの青梅線直通列車がやってきたので、なんとなく乗った。先日も記事にしたように、この列車は立川〜西立川を青梅短絡線を経由するからだ。



青梅短絡線は住宅地のなかを走る。こうして東京始発の青梅線・五日市線直通列車や前述のように八高線直通列車、豊田車両センターからの出庫列車と青梅線直通各種臨時列車、米軍向け燃料輸送列車などが走るとはいえ、青梅線の本線よりは列車の運行頻度が高いわけではない。そのためか、軌道に雑草が生い茂る区間もあり路地裏を走る雰囲気がおもしろい。

明るい時間にここを乗って意識的に車窓を見たのははじめてだ。専用線や私鉄の路線のようにも見える。もともと私鉄だったわけだしね。ED16やEF15が石灰石輸送に充てられていたころはどうだったろう。そういう想像遊びをしているだけでもおもしろい。クモハ40も似合うなあ、なんて。

■旧五日市鉄道に縁のある日
昭島で下車して八高線の橋梁を目指して多摩川まで歩いた。その途中で「五日市鉄道大神駅跡」にたまたま行き当たった。ベンチが置かれてレールが敷かれ、貨車の台車が置かれている。五日市鉄道の路線跡はすべてが道路に転用されているわけではないそうだが、このあたりでは「五鉄通り」と名づけられている。

まったく意識していなかったけれど、青梅短絡線も五日市鉄道が、青梅電気鉄道や鉄道省の路線を介せず、同じ浅野財閥傘下の南武鉄道に直接接続して石灰石輸送を行うために建設したなごりだ。今日は何かと旧五日市鉄道に縁があるようでおもしろい。




■多摩川は私にはまだアウェイ
そうして多摩川左岸の河川敷に出た。あたりでバーベキューをして川遊びをしているひとたちの数の多さにちょっぴり驚いた。たしかに暑いけどさ……。

ただし多摩川のこのあたりでも堰も設けられているので水流の早い場所や水深の深い場所もある。水が澄んでいるわけではなく苔も生えているので、足を滑らせて溺れる危険性は低いとはいえない。鮎足袋を履いてライフジャケットをするくらいのきちんとした装備でもない限り、カメラ機材を持ってじゃぶじゃぶと水に入るなどというのはもってのほかだ。ちょこっと足を水につけるぐらいにしておこう。

私は中洲に行きたくなったけれど……通常の服装や靴でやってきて懐中電灯もない。暗くなり足元が見えない時間には危険すぎると思いあきらめた。

この日わかったのは、私のねらいたい写真にするにはいろいろと工夫が必要であるということ。撮影がうまくいったというわけではないという言い方を、前向きに言い換えているということね。川遊びをするには昭島市の公園があるこの左岸はいいだろう。立川と拝島を結ぶ路線バス(谷下停留所下車すぐ)も利用でき、日中は多摩川緑地くじら運動公園の駐車場も利用できる。

ただし、季節と時間を選ぶ必要があるように思われた。そういうところがまだわからないので、多摩川は私にはまだアウェイだ。あらたな攻略目標が見つかったということでもある。できるかぎりの工夫をしてみようぜ。

【撮影機材】
Nikon Df/AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G(Special Edition), AI AF Nikkor 35mm f/2D/RAW/Adobe Photoshop CC 2020