■「湖風号」の湖は狭山湖のことですね、わかります
さる2月末の土日に、小手指車両基地にて長らく回送の準備のまま留置されていた西武新101系電車245編成(イエローとベージュのリバイバルツートンカラー塗装)と、多摩川線白糸台車両基地に所属していた同251編成(近江鉄道100形「湖風(うみかぜ)号」塗装)を置き換える回送が行われて、多摩川線に245編成が行き、小手指車両基地に251編成がやってきた。
短くいうとイエローベージュが多摩川線に行き、近江鉄道カラーが本線に戻ってきたということね。
そして3月2日(火)から、さっそく251編成は狭山線での運行を開始したそうだ。私はその翌日に狭山線を訪ねてそのようすを目撃した。251編成を私は多摩湖線ではまったく撮っておらず、多摩川線で運行されていたのを見ただけだから、すこし新鮮だ。近江鉄道で「本物」は見たけどな。狭山線を走るなんて。ええと、「湖風号」の「湖」は狭山湖(山口貯水池)のことですね、わかります。などととぼけたくなる。もちろん、琵琶湖のことだからね。
西所沢駅の広い駅構内のようすはどことなく近江鉄道高宮駅を思い出させるし。なんともおもしろいなあと感じて私はこの251編成を見るたびにほほが緩む。高宮駅には西武ライオンズの選手の写真はなさそうだけどね。
■多摩湖線から撤退したあとのほうが運用範囲が広がったところがおもしろい
こうして狭山線にはダイヤ改正前に2編成の新101系電車が運用を始めた。新2000系電車からより古い3ドアの新101系電車に置き換わったのも少々おもしろい。多摩湖線から撤退したあとに、西武園線と狭山線での運用が開始されるとは、むしろ活躍する範囲が広がったわけだし。
3月2日から数日のあいだは、狭山線を走っていた新101系電車はもっぱら251編成だけで、牽引車代用の263編成は小手指にいたようだ。ただし、Twitterのタイムラインに流れてきた目撃情報によれば、平日夜に池袋線からの直通列車が終わったあとには263編成も狭山線の運用についていたようだ。そこで、日を改めて平日夜に立ち寄った。
なぜかというとですね……。狭山線でじつにひさしぶりにこういうふうに、3ドアの新101系同士の上下交換シーンが展開されるからなのです。
令和3年(2021年)にこういうふうに新101系同士の交換シーンを狭山線で目にすることができるようになるなんて、2012年秋に新101系電車が本線系統から撤退したときには想像していなかった。いまでも多摩川線や流鉄、近江鉄道に行けば同じ顔の電車が単線の上下交換をするところは見ることはできる。でも、ここは埼玉だ。勾玉とシラコバトのポーズをするあの埼玉だからさ。ほんとうに、いろいろとありがたいではないですか。
ただし、3ドア車同士の交換は毎日見られるのかは私にはまだわからない。日中は狭山線を行き交う2編成のうちひとつは8両編成の電車であるようだ。見られるとしても夕方以降なのかな。
*Twitterに目撃情報をアップしてくださったみなさん、おかげで私も狭山線を走る251編成、263編成と251編成の上下交換を見ることができました。ありがとうございます!
なお、赤電塗装の259編成はときどき西武園線でまだ走っている。毎日走るわけではないようだ。こちらもいつまで走るのかわからないけれど、楽しみな存在だ。所沢市の荒幡富士をはさんだ南北の路線(つまり狭山線と西武園線)で3ドア車の運用が(たまたま)復活した興味深さがある。
そして、多摩川線はイエローとベージュのリバイバルツートンカラーと赤電塗装がそれぞれ2本ずつという体制になったので、私にとってなんとなくごぶさたしがちな多摩川線にもひさしぶりに通いたくなった。
【2021年3月11日追記】
武蔵丘から出場した「伊豆箱根鉄道創業100周年コラボレーション塗装」の241編成も狭山線で運用を開始したそうです。
【撮影データ】
Nikon Df, D7200/AI AF Nikkor 24mm f/2.8D,AI AF Micro Nikkor 105mm F2.8D,AI Nikkor ED 180mm F2.8S/RAW/Adobe Photoshop CC 2021