■「府中通い」続いています
しばらく前のエントリーでも書いたように、「府中」で夜遊びをときどき続けている。競馬場に競艇場、競輪場も揃っているからね……という誤解を招くような言い方をあえてしてみるか。ははは。そのうち、私がもっとも気に入っているのは「競馬場」だ。
もちろん、鉄道写真撮影散歩という意味だ。私自身は金銭を賭けることはまったくしないけれど、うまく写せるかどうか確信が持てないような薄暮の時間をねらって列車を撮る。ひとが少ない時間だし、冬場などは濃い影を気にせずに済み、さらにはドラマチックに見えるから。そう思うとべつの賭けごとをしているようなものかも。
京王競馬場線はほぼ直線で走るものの、府中市内の住宅地のなかをわずか0.9キロメートルを走るだけだから列車は速度もそう出さない。春から夏にかけて線路の道床に雑草が生い茂る時期に行くと、除草剤散布を行わないために線路が緑色だ。そのためか、高速鉄道(通常の鉄道)であるにもかかわらず路面電車のようにも見えるところが魅力なのだということを知った。
■むかしの京王電鉄のようすを想像する
創業当初の旧京王電鉄は路面電車の規格で建設されたのだそうだ。いまとなってはその面影は1,372mmという路面電車の軌間にしか残されていない。そして、時代も走っている列車もまったくことなるとはいえ、競馬場線からそのころのようすをなんとなく想像するのもおもしろい。競馬場線の開業は昭和30年(1955年)だというから、そのころの京王帝都電鉄はまだその雰囲気を残していたのではないか。当時は小ぶりな緑色の電車が短編成でゆっくりと走っていたのだろう。
■2両編成の電車を撮りに出かけたい
京王競馬場線は私が見慣れている西武鉄道の各支線とはまたことなる魅力があるというのが、最近得た実感だ。西武園線、狭山線、多摩湖線、あるいは豊島線や国分寺線は4両編成以上の長さだし、走行距離ももう少し長いためにそれなりに高速走行をする。京王競馬場線のほうが沿線は町中の住宅地ではあるけれど、2両編成であり競馬開催時以外はずっと乗客が少ない……心配になるほど。そのためか、あちこちの地方私鉄の路線を彷彿させるところが私には魅力的なのかもしれないな。
【撮影データ】
Nikon Df/AF Nikkor 35mm f/2D, AI AF Micro-Nikkor 60mm f/2.8D, AI AF Nikkor 180mm f/2.8D IF-ED/RAW/Adobe Photoshop CC 2021