2023年1月24日火曜日

【八高線PETIT撮影記事】1年ぶりの八高線入間川橋梁訪問記

たまたま209系3500番代ばかりやってきた。パンタグラフがひし形でいい

■1年ぶりに入間川橋梁へ
午後遅くなってから……というよりもむしろ夕方になって、ふと思い出して八高線入間川橋梁へでかけた。昨年12月下旬に209系電車3100番代車が運用離脱してからずっと、足を向けていなかった。

自分は「所詮はちょろい鉄道ヲタ」でしかないと思うのは、列車の姿がはっきりとわかるような、順光のいわゆる編成写真をあまり撮らないくせに、好みの車両が走っていないと列車を写す気持ちが減ること。

このブログの自分の記事を読み返していて、電化区間であるいわゆる「八高南線」(八王子〜高麗川)にこの1年のあいだほとんど足を向けていないことに気づいて、理由を考えていくと苦笑する。

■旧阿岩橋の撤去工事が進んでいた
1年ぶりに足を運んでみると、旧阿岩橋の撤去工事がずいぶん進んでいた。古い橋は橋桁をいくつか残すのみになっていた。

旧阿岩橋の橋桁

平日は河原に重機が入っているようで、河原には重機が何台も停められている。重機が入れるように作業用の仮設橋もかけられている。渇水期を選んで工事が進められているそうだが、もともと水量が少ないところに仮設橋があるから、工夫すれば河原からいままで撮れない角度からでも撮影ができるのかも。

■空を主役にすることに
橋の上からはさんざん撮ったし、ほかの撮影者の方もいらしたので河原に降りた。撮影時から他の方と同じ写真になってしまうのがわかるのは、おもしろくないじゃない。

平日だと河原に降りても重機の作業のじゃまになるだろうから、作業が休みの休日でよかった。

こう撮るにはいささか暗いんだよね。到着が遅い

写真を撮るよりも、河原を歩いているのが楽しくなりかけた。探検みたいだ。だが、いままで撮れなかった角度でも撮れるかと思ったものの……到着したのがやや遅いので空が暗いこと、日没方向が画面のずっと左側になることから、日没した空を主役にするほうがむしろよさそうだ……と思い、河原から出てしまった。

それに河原に降りるスロープの白い手すりもめだつ。画面に入れる必要のないものはあらかじめ入れないでおきたいもの。

日没方向を確かめるアプリ「サン·サーベイヤー(Sun Surveyor)」もスマホに入れているのだから、訪問すべき時間もわかるのだけどね。

■より遅いシャッター速度で流し撮りができるように
日が沈んでからやってきた上り列車を流し撮りで撮った。カメラの向きからして後追いだ。1/60秒で流したところ、列車の姿を小さめに配したので、あまり流れている感じがしない。そうなると風景のなかに列車が埋もれてしまう。角度のせいもあって尾灯もめだたないし。

1/60秒で流すと列車の姿が小さいせいか流れている感じがしない

そこで、下り列車は1/30秒で流すことにした。1/60秒よりもシャッター速度を遅くすると、私は流し撮りの成功率が低くなるのでいままでは避けていた。だが、そういっているだけではいつまでもうまくできるようにならない。レアな列車をねらうわけでもないから、今日こそ練習日和だ。そう思って1/30秒を選んでイメージトレーニングをした。

そこへ列車がやってきたので、ファインダーで列車を見ながら慎重にレリーズのタイミングをさぐった。

流し撮りをするときの注意点は被写体の動きを見失わないこと。被写体の「この1点だけは動きを止めたい」と思う部分をじっと注視し続けて、その動きに合わせてカメラを腕だけではなく、体全体で動かして腰をひねる。その1点の動きを見失うと、ぶれていることが撮影時にもわかる。言葉で書くとわかりにくいのだが。

これは去年、西武国分寺線の列車を2週間くらいのあいだ連日通って流し撮りを「特訓」したときに得たコツだ。丸型の通風器(グローブベンチレーター)を備えた最後の6両編成である2027編成を流し撮りでうまく撮るのに2週間くらいかけたのだ。なにごとも練習はだいじだ。

手ぶれ補正機構のあるカメラやレンズで「流し撮り対応モード」のあるものは、それを使う。光学ファインダーのカメラのほうが私にはうまく使える。レリーズタイムラグのあまり大きくない一眼レフ、つまりミドルクラス以上の機種のほうがなにかと扱いやすい。

1/30秒のほうが流れている感じがあっていい。空の感じもよかった

軽やかなジョイント音を残して列車が川越に向けて去っていった。再生ボタンを押して見ると、そこには日没の空を背に走る列車が「疾走」するようすが写っていた。ちょっとは列車が浮かび上がって見える。数カット成功していたので、心のなかでガッツポーズをした。

このところ自分の写真の「ダイナミックさ」が欠けるところにおもしろみを感じないでいたから、それなりに満足した。何度も通っている場所でもまだ試していない撮り方があることがわかったこともよかった。

【撮影データ】
Nikon Df/AI AF Micro-Nikkor 60mm f/2.8D/RAW/Adobe Photoshop CC