2022年9月9日金曜日

【路線バス】西武バス「西武フラワーヒル」停留所の転回場


■夜のバス転回場めぐりを始めた
この夏は暑さにやられて調子をややくずしてしまった。あれもまたああだし……というわけで用事のあるほかは遠出をしなかった。涼しい時間に近隣をうろついていただけだ。ここ数年そうだけれど。

それでも、ちょっとだけ続けている撮影がある。列車ではない。川越の帰りに西武バス「今福中台」停留所にある転回場を日没後に見て「フォトジェニックだ」と思って以来、夜のバス転回場を撮ることを始めた。まずは近隣にある転回場をさがしてめぐっている。


■バス転回場が好きな理由を思い出した
私はいわば路線バスの消極的なファンであり車両についての知識はないから、積極的なファンの方には退屈させそうだ。もうしわけない。しかも、夜になってからの写真ばかりだ。だが、私は夜だから、あるいは薄暮だから撮りたいと思っている。バスの車両そのものではなく転回場の雰囲気を撮りたいという。

どうして夜のバスの転回場に心惹かれるのだろうと考えていて、思い出した。ずっとむかし、モスクワ市内で撮った夜のトロリーバス転回場の写真がとても気に入っているからだ。そして、そういう場所を探し続けたい。


■「空き地のような場所が乗降場所」というところが好きなのか
バス終点の転回場も鉄道駅と同じように公共交通機関の乗降場所かつ操車場であり、そこから、あるいはそこまでひとが移動できるということに、なにやらロマンを感じさせる。そしてちょっとした空き地のような場所がそういう役割を持つところが興味深い。非常に言語化しづらいが、そういうところに心惹かれるということなのではないか。

きちんとまとめていないが、90年代終わりにフィルムで都内の夜のバス転回場を数箇所撮ったこともあった。だから、バス転回場めぐりは今回だけの思いつきではない。

そしてなにより、夜の撮影は同時に写真撮影の訓練でもある。ファインダーをよく見て四隅によけいなものを入れていないか、水平や傾き、ゆがみをよく見ているかどうか。

さらには、LEDの街灯によるフレアやゴーストをどれだけ発生させないで済ませるか、そういう訓練と実験でもある。画面内に大きく光源を写し込むとどうしてもフレアとゴーストは発生してしまうから、バスがヘッドライトをハイビームにしている姿を前から撮るにはフレアとゴーストはあきらめざるをえない。最新のレンズにすればいいのかもしれないけどね。


■昭和のニュータウン内にあるバス転回場



西武バス「西武フラワーヒル」停留所は西武バス所沢営業所「新所04」系統の終点だ。西武新宿線新所沢駅東口を結んでいる。近隣にある秋草学園高校を経由する便が、朝の新所沢駅発と午後の西武フラワーヒル発にある。

住宅地自体の正式名称は「新所沢フラワーヒル」であるようだ。所沢市と狭山市の境界部分に位置する住宅地だ。新所沢と入曽の中間地点にあり、南入曽車両基地に駅が設けられていたらそこが最寄りになったであろう場所にある。西武グループが昭和40年代末に開発し分譲を開始した。そのときから新所沢駅を結ぶ路線バスが設けられたようだ。昭和のニュータウンだからか、各戸の敷地には最近の住宅よりも比較的ゆとりがあるように思う。



狭山市が西武バス狭山営業所に運行を委託している狭山市循環バス「茶の花号」の「通勤通学コース(入曽駅)」便も、この西武フラワーヒル停留所に乗り入れている。2011年からであったか、通勤通学コースとして新設されたものだ。

【撮影データ】
Nikon Df/AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G (Special Edition)/RAW/Adobe Photoshop CC