■薄暮の街を撮るために
先週末(7月27日土曜日〜28日日曜日)は川越百万灯夏まつりだった。蔵造りの川越一番街を中心に、出店や出し物があり、盛況だったようだ。その前日までの2週間ほどの期間の日没のころに、私は街を歩いていた。提灯が飾られているようすを撮るためだ。この祭りのことは数年前まで意識したことがなかった。あるとき夜の一番街を通過してみて、提灯が飾られた町並みの美しさを知って息を呑んだ。それ以来、祭りが近づくとその前日までのようすを写している。
祭りそのものには正直に言うとあまり興味がない。だから、当日に出かけたことはコロナ禍のまえに一度あるくらいだろうか。地元の商店が店舗の前で飲食物や飲みものを販売しているので、それを買ってほろ酔いになった。祭り当日は写真を撮るよりもそうやって楽しみたい。今年は祭りの日に用事もあったので、前日までのようすを見ただけだ。
川越一番街はコロナ禍が明けてからはインバウンド需要もあり、休みの日の日中になるといろいろな外国語を耳にするほど盛況だ。だが、日没後に店じまいをする店が多いために、日没の時間になるとずいぶん人出が減る。
私はその、人もまばらな一番街のようすが好きだ。そこに提灯が飾られているようすは、なんともいえない旅情めいたものを感じる。近隣に住んでいるというのに。
その雰囲気を写真にすることがいつも楽しい。
■ライブビューで拡大表示させて撮る
ここ数年、この薄暮の川越一番街を撮るのに使うのはAI Nikkor 85mm F1.4Sばかりだ。85mmという焦点距離で部分的に切り取ることが気に入っている。もっと新しいLUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S.も所有しているが、1980年代に設計されて現代のレンズほどには鮮鋭度がない描写のAI Nikkor 85mm F1.4Sを使うことが気に入っている。Nikon Dfと組み合わせたときの外観が好きだから、というのも大きな理由だ。ただし、薄暮の時間にAI Nikkor 85mm F1.4Sで光学ファインダーでピント合わせを確実に行う自信はない。だから、ライブビューにして拡大表示させながら撮影する。老眼鏡も欠かせない。
逆光で撮影するから、いつもの非純正のレンズフードも欠かせない。ニコンのねじ込み式レンズフードHN-13をゼラチンフィルターホルダーAF-2にねじ込んで使っている。
なお、この話はnoteにも書いた。noteとは掲載カットを変えてある。合わせてご覧いただけるとさいわいだ。
【撮影データ】
Nikon Df/AI Nikkor 85mm F1.4S/F1.4/1/125秒/ISO AUTO(100〜1,600)/4,000K〜5,000K/ピクチャーコントロール:スタンダード/RAW+JPEG/Adobe CameraRaw
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