2012年9月22日土曜日

【ドイツ出張ついで鉄記事】はじめてのドイツ訪問:ケルン〜デュセルドルフ電車絵日記

夜のケルンメッセ駅

■ドイツへ取材旅行に行っていました
みなさんこんばんは。しばらくご無沙汰してしまいました。筆者はとあるドイツのカメラ・写真関連用品ショーの取材依頼を急遽いただき、ケルンとその周辺に行っておりました。すてきなところで気に入りました。

ファーストショットはICE 3

ドイツははじめての訪問ですし、ドイツ語もあいさつ以外はソ連映画で見た独ソ戦に出てくるドイツ兵のセリフにある"Jawohl!(了解であります!)"  "Bitte(どうぞ/お願いします/どういたしまして)"あるいは"Achtung!(危険!)" "Wehrmacht(国防軍)"……あとはロシア語にもなっている"kartoffel(じゃがいも、ロシア語「カルトーフェリ/カルトーシュカ」)" "lager(倉庫、キャンプ、あるいは在庫……ロシア語「ラーゲリ」)"はたまた"stativ(三脚)" "objektiv(ここでは「写真用交換レンズ」)"などという偏った単語程度しか知らないありさまだったのですが、言葉で困ったことはありませんでした。

なお、有名なあのへんの単語ももちろん知っているけど挙げるのは控えました。いろいろあれだから。なるほど、シベリア送りだ。

英語とロシア語がわかるとドイツに行っても困らないだろうことは、想像通りでした。以前、イタリアのローマやチェコのプラハに行ったときにも感じていたのですが、やはりそうでした。もちろん、できればヨーロッパならば英語とドイツ語またはフランス語がわかるといいでしょうね。とはいえ、中学英語が話せれば切符を買う、宿に泊まる、食事をする、買い物をする程度の用はたせますね。

むしろ、首都や都市部ではないと英語話者が減るうえに、独自の文字を使う東アジアの隣国にいくほうが意思疎通に悩むことがある気がします。文字が読めないとあそこはとくにこまる。

デュッセルドルフ中央駅前にはカメラを構える男の銅像が

Leica M3にメガネつきというところがさすが

ショーの開催直前に行くことが決まったので、ケルン市内には予算内で投宿できず、近隣の都会であるデュッセルドルフに泊まりました。ドイツという国をまったく知らない私は到着してはじめて知ったのですが、デュッセルドルフというのは日本の企業も多数あり、領事館もあるなど日本人の在住者がたくさんいる町なのですね。だから、日本料理店もたくさんある。

でも、私も元バックパッカーだった同行の編集者も、短期の旅行でわざわざ日本料理(和食)店に行く気がしませんよねえ、というへそ曲がり……いやいや、気持ちの持ち主であることを幸いに、和食は一切食せずに過ごしました。そんなのは、自慢するほどのことではないですね。でもほら、短期のツアー旅行だと必ず組み込まれている「日本食レストランでの食事」が私は嫌なんですよ。まもなくわんさか和食が食えるところにすぐ帰れるじゃん! と思うから。

ドイツふうの黒パンをたくさん食べることと、おいしいプレッツェルを買うことができたので、食事に関してはそれで私はじゅうぶんに楽しめました。

眠い目をこすって赤い機関車が牽引する客車で通勤

■デュッセルドルフからケルンに毎日「通勤」
日本との関係の深いらしいデュッセルドルフに投宿してうれしかったのは、路面電車が走っていることと、取材先のケルンまで毎日「通勤」できたこと。ケルン泊ではないので日本からの取材陣と日本メーカー担当者だけで夜もつるむ、ということをしないですんだのもよかった。

今回のエントリーは以下、そんな毎日のケルンへの通勤の際に撮ったカットをお届けしようと思います。

ケルンとデュッセルドルフのあいだは50キロメートル弱あります。東京の都心からだと横須賀中央、逗子、茅ヶ崎、飯能、東松山、吹上、本厚木、相模湖、おゆみ野、成田湯川、南栗橋、牛久などがだいたい50キロメートル離れているようです。

ケルンとデュッセルドルフのどちらも幹線の大きな駅のある都会なので、品川から茅ヶ崎まで数日間東海道線に乗った、あるいは上野から熊谷まで高崎線に乗っていたようなものかも。そう思うと通勤はできるけれど少々遠いことはたしかで、できれば座りたい。帰りは都心を夜11時には出ないと帰り着かないしそれでも午前様だなあ、という距離ですね。

有名なケルン中央駅にて

いかにもヨーロッパという写真になりますね

さて、ケルンとデュッセルドルフのあいだは半超特急であるICEやIC(都市間連絡特急)、快速列車に相当するレギオナルエキスプレス(地域間急行というのかな。快速列車)が結んでいます。そして、デュッセルドルフ近郊やケルン近郊はそれぞれ4扉の電車(Sバーン、各駅停車)が走っています。デュッセルドルフから取材先であるケルンメッセまでは、2階建て客車列車のレギオナルエクスプレスに毎日乗っていました。

そうだなあ、4扉の通勤電車をがんがん追い抜いて走るレギオナルエクスプレスに乗っていると、京浜東北線や山手線の各駅停車であるE231系やE233系を追い抜きながら走る、湘南新宿ラインのE231系近郊型のグリーン車に乗っているような感じですかね。

■103形電気機関車はもういないの!
ドイツの鉄道というと、クリームと赤のツートンカラーの103形電気機関車や03形蒸気機関車しか知らない無知な私です。「0系新幹線とD51形蒸気機関車しか知らないで来日するドイツ人」を想像してみてくださいな。すごく時代錯誤な知識でしょう。私もそんな人間ということです。



そしてはじめてドイツの機関車を目にして驚いたのは赤い塗装。さらに客車列車の多さと、客車の最後尾に運転台がついていて、機関車のつけ替えをしないで客車を先頭にして走る列車があること。尾久~上野のブルートレインの推進運転による回送しかしらない私は、とても驚きました。推進運転でも高速で走っているのだもの。ペンデルツークというそうですが。


そして、機関車の形式もよく知らないでいたので、103形の後継機種が120形だったり、101形や111形などと「新しいのに形式番号が若い」という命名規則にも興味津々です。思えば、Leica M3の次にM2が出て、いまの最新機種がLeica Mになるようなものでしょうか。103系がいなくても101系や111系が走っているなんて日本じゃありえな……ありがたいことに我らが秩父鉄道には元101系がいますね。


■カメラを出していても誰も気にしないところがありがたい
それにしても、西ヨーロッパだからでしょうが、人ごみでカメラを出していてもじろじろ見られないところはとても居心地がよかった。鉄道を撮っていてもとがめられません。駅のホームでカメラを構える「鉄」はほとんど見かけませんでしたが、フランクフルト空港駅でEOSを構えてICEを撮っている若い鉄を見て、ちょっとうれしくなりました。メガネを掛けていたし。

そして、鉄道雑誌も売られているし、経済的に豊かで適度に都会的なところが、きっと日本人観光客にも居心地がよいところなのでしょう。

「DB:ドイツ鉄道」という単語も知っていました。
映画で見る知識だと「木造貨車に書かれたライヒスバーンの文字」ですが
おいやめろなにをすr

とはいえ、初日にケルン大聖堂前で女の子に写真を撮っていいかとたずねたら、だめ! と断られたのはちょっと凹みました。ばかなガイジンというポーズがよくなかったかなあ。まあそういうこともあるさ、ということです。

【撮影データ】
Nikon D4/AI Nikkor 50mm F1.8S, AI AF Zoom-Nikkor 80-200mm f/2.8D ED <NEW>/RAW/Adobe Photoshop CC