午前5時10分すぎ、JR北海道千歳線長都駅。渡道2回めの私は、駅に着くまで「おさつ」と発音することさえ知らなかった。知らないとそう読めないなあ。千歳線の各駅停車は6時台までないので、駅には私と相棒の二人しかいない。10月第一週の5時過ぎの気温は10℃以下で、数日前まで首都圏で日中の気温が25℃もあり、高湿度のなかで暮らしていた私には、一足先に秋を体感するような寒さだ。じっさいに、早出のサラリーマン氏は冬のハーフコートを着ていて、それが大げさに思えない。
10月上旬だからまだ明るい。それでも、これからの季節ではより札幌寄りではないと走行シーンを撮るのは、高感度撮影が得意なカメラではないと難しそうだな、と思いながら苫小牧方面へ向かう貨物列車が通過するのを見送った。しばらく経つと、苫小牧方向から待ち構えていた列車と思しき前照灯が見えた。