この駅の雰囲気が好きだ |
「101系はいい音だなあ」
武甲山の麓の駅を出て勾配を駆け登る三峰口行きの京浜東北線色の1000系電車に乗り込み、カーブで揺られて電車のモーターのうなりに耳を傾けながら、つい私はつぶやいた。
すると、隣駅手前のカーブを曲がる前にある三輪線とかつての武甲線の分岐点を一心不乱に眺めていた子どもが耳ざとく聞きつけて、大人なのに変なことを言うなあという顔で言った。
武甲山の麓の駅を出て勾配を駆け登る三峰口行きの京浜東北線色の1000系電車に乗り込み、カーブで揺られて電車のモーターのうなりに耳を傾けながら、つい私はつぶやいた。
すると、隣駅手前のカーブを曲がる前にある三輪線とかつての武甲線の分岐点を一心不乱に眺めていた子どもが耳ざとく聞きつけて、大人なのに変なことを言うなあという顔で言った。
「ひゃくいちけいじゃないよ」
あ、そうだよね。でも秩父鉄道1000系は、むかあしむかし「国鉄101系」っていったんだよ。私が子どものころは国鉄鶴見線や南武線、武蔵野線を走っていたのさ。
あ、そうだよね。でも秩父鉄道1000系は、むかあしむかし「国鉄101系」っていったんだよ。私が子どものころは国鉄鶴見線や南武線、武蔵野線を走っていたのさ。
そういうと子どもはなるほど、という顔をした。ああ、子どもにまた余計なことを教えちまった……。