さて、この日曜日で都電荒川線7500形電車が運用を終える(*)。以前のエントリーで書いたけど、私が沿線に住んでいた30年以上前は7500形は丸い古い車体だったから、なんとなくまだまだ「新しい」気がしてしまう。でも、昭和37年製造というから、鉄道車両としてはもうけっこうな古さなのだ。
そんなことを思いだしたのは、会社を退社しての帰り道。地下鉄に揺られている間だ。7500形はこの間は一度すれ違っただけだったっけ。もう2両しか走っていないから、会えるかどうかはわからない。そこでふと、丸ノ内線の新大塚で降りてみた。たしか大塚や向原まで歩けたはず。
新大塚から10分弱で向原電停に到着したので電車を待つ。するとやって来たのは、阪堺電車カラーの7511号車。おお、ドンピシャ!
さっそく乗り込んで、しばし吊り掛けサウンドに耳を澄ます。懐かしくて重々しい駆動音を23区内で聞けるありがたさ。デザイン的には荒川線の主役的存在である7000形のほうが好きだ。でも7000系も車体更新して35年くらい経つはずだ、と車内を見回す。たしかに内装もくたびれて来ているのがわかる。
副都心線で帰ろうと鬼子母神前で降りてカメラを向ける。撮れた絵がなんとなく気に入ってしまい欲が出た。いかん。そこで、早稲田からの折り返しを撮りたくなった。
そこで鬼子母神から面影橋電停そばの高戸橋まで走った。なにしろ2本くらい待てば早稲田から折り返して来てしまう。だが高戸橋の交差点ならば線路が大きくカーブするので、電車が信号で停止する。だから感度が稼げないカメラでもなんとか撮れるわけだ。
阪堺電車カラーの7511号車はすぐに折り返してきて、信号待ちだ。都電荒川線の電車の車体はもう黄色くないことは承知のうえだから、黄色以外の塗装をまとうことに違和感はない。それでも、見慣れない阪堺電車のシックな緑色は不思議だ。しげしげ眺めているうちに信号が変わる。そして力強い音を鳴らして起動し、で三ノ輪橋まで走っていった。さよなら7511号車!
*「この日曜日で都電荒川線7500形電車が運用を終える」:当初の予定では2011年3月13日(日曜日)でお別れイベントを行ったうえで運用離脱し、花電車として運転されるはずだった。このエントリーを旧ブログで書いた3月11日の午後に、ご存じの通り東日本大震災が起こり、7500形のお別れイベントは行われることはなかった。