2011年4月8日金曜日

【秩父鉄道1000系撮影記事】秩父鉄道の桜を見る(その2)

いまや貴重な木製の架線柱

■夕方の桜並木にて
秩父鉄道の上長瀞の桜並木は、荒川橋梁とならんで沿線で最も有名な撮影地だろうか。桜が満開の時期には人出のあまりの多さに、むかしから私には近寄るのが気が重くなる場所だ。SLパレオエクスプレスの運転開始の時期からもう、満開の時期には昼間この場所に来ないようにしている。だれかが場所取りしてあるのを見るのも嫌だし。

でも、SLパレオエクスプレスが通過した後の夕方の桜並木には、うそのように誰もいなかった。

桜堤沿いの駅から三峰口行き下り列車に乗ったところ、明戸で上りSLパレオエクスプレス5002列車と交換した。それを見て運転席後ろで母親に抱かれていた子どもが、うれしそうにしていた。SLパレオエクスプレスとすれ違う電車の乗客がみんな一様に顔を上げて表情をほころばせ、あちらの乗客に手を振るのを見ていると、なんだか心が和む。

■降りてみたくなった
乗っていた電車(7501編成だった)は小前田で1000系チョコバナナ1007編成と、そしてスカイブルー1001編成と交換した。小豆1002編成は熊谷で寝ていたから、今日はリバイバルカラーはもう撮れそうにない。太陽がだんだん傾いて赤みを帯びて来たころに上長瀞に電車が着いた。迷ったすえに意を決して降りてみた。

桜並木のソメイヨシノは案の定どんどん散っていた。だが、ソメイヨシノではない木が一本だけ薄ピンクの花を咲かせていた。見ていてしみじみ美しいと感じる。

私はどうも花と電車を絡めて撮るのがいつもうまくできない。今回もすでにソメイヨシノは満開ではないし、昔に比べてすっかり桜が老木になって来たこの場所でもなおのこと迷う。

■背景をグラデーションにする
そこで、望遠ズームレンズの望遠端で桜をグラデーションのようにぼかしてしまうことに決める。そう考えていたら、お目当ての1000系が登場した。白い車体を西日に赤く染めて走って来た。

角張った車体のデキ102もカッコいい

そしてさらに、乗って来た電車が武川で追い越した、いまや最古参のデキ102が牽引する鉱石貨物列車にも遭遇できた。遅い時間に行ってこれだけ見られたのだから、大収穫だろう。

■帰路も運がよかった

ヘンテコ顔はいつもカッコいい状況で現れる

寄居経由で帰宅するべく待っていたところにやって来たのは7000系7002編成だった。TakaさんがWebサイトで教えてくださったように、橋梁のところの桜はちょうど満開だった。それにしても、いつも「いま電車が来たらかっこいい場面だなあ」と思っていると7002編成が来ることがとても多いのはいつも不思議だ。

1008編成と交換

この7002編成に乗って寄居へ向かう途中の樋口で、交換する1000系電車1008編成も見ることができた。それで今日の撮影はおしまいにする。寄居では茶デキも見たし、デキも桜吹雪の中を頑張っていてとてもよかった。

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【撮影データ】
Nikon D2X/AI AF Zoom-Nikkor 80-200mm f/2.8D ED <NEW>/RAW/Adobe Photoshop CC