走る赤デキを撮ったのはじつははじめて |
窓の外は雨。しかし、電車は雨をものともせずに進む。上熊谷、石原、大麻生……。うわなに、川原明戸のこのカメラの砲列は! C58が走るときだってふだんはこんなにいないぜ! そのようすを見て明戸で降りるのをやめた。
秩父鉄道に行った。ふだんは鉱石貨物列車を牽引して走る電気機関車(デキ)が5重連で12系客車を牽引する「秩父祭笠鉾特別曳行記念『EL5重連秩父祭』号」という、漢字がいっぱいの名前の列車が走ると報じられたからだ。これはなんと、4両編成の客車を5両の電気機関車が牽引するというすさまじい企画だ。日ごろいわゆる「ネタ列車」を撮りに行こうとは思わない私でさえ、これならば見てみたいと思わせる列車だ。
とはいえ、走行区間が秩父~熊谷の往復と限られるし、雨天でもあり、引きで撮れる有名撮影地が限られる沿線の人出が多くなることは容易に想像はついた。5重連だったら機関車が5両連なるようすがわかるように、できたら引いて撮りたいよね。 だから、出足が遅かった私は川原明戸はパスした。あの人混みのなかに入れてもらう勇気がない。それに「みんなと同じ写真を自分が撮る必要はない」というものすごくへそ曲がりな気持ちが私には強いからね。もっともそれで、独自の傑作が撮れるならいいのに。ぜんぜんうまくいかないところが突っ込みどころなんですが。
■樋口まで行くことに
ともあれ、長瀞の荒川橋梁も人出が多いはずだ。そしてなによりも空模様が怪しいから選択肢に入れなかった。白い空を写真の画面にたくさん入れてはいけません。現与党(当時)の某要人が撮影した樋口~波久礼の矢那瀬付近の直線区間も場所がこれからでは取れそうにないし、ヒガンバナが咲いているであろう上長瀞の桜並木もこれから行くには勇気がない。とくに上長瀞は始発で行かないと無理だ。 そんなわけで、有名撮影地ではあるけれど、工夫すれば人を避けることができそうなアングルが狙えそうな樋口駅先へ行くことにした。出足が遅かったからしかたがない。
解説しよう! こんなでした! |
下車してたどりつくと雨はやんだ。でも、線路両側の畑の畦道はすでに満員だ。そこで場所をもらうつもりはない。ねらったアングルが撮れるポジションを見ると、誰もいない。やったぜ! と思ったのですけど、当初のもくろみの通りにはいきませんで。そんなこともあって、列車は5重連なのに先頭になる「赤デキだけ真横から狙う」アングルへあっさり予定変更。
そうこうしているちに来ましたよ、デキ×5+12系4両。思ったより速度が速いのは、力が有り余っているからかも。気になるできあがりはというと、赤デキの真横からの流し撮りはバッチリ!
■上りは正面から
でもね、これでは機関車が5両連なっていることはまったくわからないですね。でもまあ、そういうふつうにいい写真はほかのみなさんがバッチリ撮っていると思うのでおまかせします。斜めからのきちんとした編成写真は「鉄道写真.com」から探してね!
いやあ、パンタグラフが10個並ぶと壮観だ。儀仗兵みたいだ |
いくら「他人と同じ写真は撮りたくない」と思う私でもさすがに、上り5002列車は「5重連であること」がわかる写真をと思い、でも長瀞の荒川橋梁を避けた結果、いつもの野上駅で交換シーンを撮ることにした。午後は完全逆光だからそうそうほかの撮影者も来るまい。と思ったら曇ってきたので好都合。
ここの場所も、私の使う望遠ズームの短焦点側で撮ると、ポイントでカーブしているところを走る姿でアップになるので、そのまま撮ると先頭のデキ301以外の機関車が見えないという難点がある。それでも、パンタグラフ10個が連なる姿はものすごく迫力があった。まあ寝坊してぐずぐずしたわりにはきちんと撮れたのではないか。
■1000系電車はこんな感じ
チョコバナナはもう運用離脱と考えてよさそう。ずっと同じ場所だ |
水色もこの日はずっと昼寝 |
実は赤デキをこう撮りたかったけど、ススキを見て諦めた |
EL5重連通過後はアングルが選び放題。ひゃっほー! |
上りEL5重連の2本前に来て、これ以降はセンガタンに会えず |
Nikon D2X/AI AF Zoom-Nikkor 80-200mm f/2.8D ED <NEW>, AIAF Nikkor 50mm f/1.4D/RAW