ここ数日、いろいろなことがあった。私がかつて仕事をしていた業界では、はたから見ていて冷や汗をかくような事態を目撃した。日々の暮らしに忙殺されつつ、ときおりプリシラ・アーンが歌う『思い出のマーニー』の主題歌や、松たか子が歌う『アナと雪の女王』の劇中歌「レット・イット・ゴー~ありのままで~」を繰り返し聴いていたり、子どもの前で「レリゴー、レリゴー♪」と適当に歌って直される*1ていたらくなので、そのほどはご想像いただけるかもしれない。何かに悩んでいるというのではないが。
そうした折に、日ごろお世話になっているおっとっとさんの「地味鉄庵」のエントリーに驚かされた。秩父鉄道が10月26日(日)に行う「秩父地域開通100周年記念イベント」のことは知っていて、先日の秩父撮影行でも、現地でお会いしたウラハルさんや焼き鳥屋のお兄さんとも「夜汽車ですなあ」「7502編成の秩父ジオパークトレインですか」と話していて、すっかり油断していた。
なんと「急行リバイバルカラー」とは! 秩父鉄道さん、あいかわらず凄腕すぎる!
古い電車が好きな昭和生まれのオッサンであるとはいえ、あまりに昔の電車にしか関心を向けないのもよくないな、とも思っていたのだ。だから、
Отпусти и забудь,
Что прошло - уже не вернуть.
Отпусти и забудь,
Новый день укажет путь.
Не боюсь ничего уже,
Пусть бушует шторм *2
(訳)
もういいわ。忘れましょう
過ぎ去ったことはもう戻らない
もういいわ。忘れましょう
新しい一日がこれからの道を指し示す
もうなにも怖くはないわ
嵐よ吹くがいい
とまあ、そういう心境でいようと思っていたところへ「急行リバイバルカラー」って! もううれしくなってしまうではないか。秩父通いがやめられなくなってしまう! うれしいぞ。
秩鉄リバイバルカラーデハ100形タイプの1000系1002編成(11年11月) |
秩鉄リバイバルカラーの1000系1007編成(12年10月) |
そのリバイバルカラーは、小豆とはだ色のツートンカラーなのか。それとも、黄色に青帯の1980年代半ばからの色なのか。激しく希望するのは前者だ。かつてのオリジナル電車300系と6000系はよく似ているから、ツートンカラーはぜったいによく似合うはず。
というわけで、これからも古い電車好きを続けていくことにした。ブレかけていた私のヲタ心を叱咤されたような気持ちだ(なんだそりゃ)。というわけで、走ルンですなどの、最新の電車や新幹線という乗り物については、これからもあまり記事にしないので、あしからず。
Холод всегда мне был по душе.*3
いつもとっても寒かった
あ、口調は寒くてすみません。
オリジナルの急行形300系301編成(86年10月) |
301編成の黄色塗装(87年4月) |
注*
1 子どもの前で「レリゴー、レリゴー♪」と適当に歌って直される:「そのうた、にほんごだと『ありの~、ままで~♪』だよ。あと、『レリゴー』じゃなくて、『レット・イット・ゴー』だから」
2 : Текст песни «Отпусти и забудь»
『アナと雪の女王』(ロシア語タイトル «Холодное сердце»(冷たいハート))の劇中でエルザが歌う『ありのままで』ロシア語版 «Отпусти и забудь» (もういいわ。忘れましょう) より。日本語訳は拙訳
*3:同上。日本語台詞でいうところの「少しも寒くないわ」。ロシア語の"по душе"は私は最初まちがえていたが、「はっきりいうと」「率直にいえば」という意味。いささか意訳させていただければロシア語でいっているのは「いつもとっても寒かった」だから、いま現在は「少しも寒くなどはない」ということだと思うと、そこに翻訳の妙があると感心する。なお、英語の"The cold never bothered me anyway (寒さに悩まされたりなどしない→少しも寒くはない)"もうまく日本語にしたものだと思う。