JR花輪線赤坂田駅前の投宿先で目覚めたのは、6時11分発の下り始発列車(大館行き1923D)が駅に到着する10分前だった。前夜は早く床についたのに日頃の夜更かしぐせが抜けずに寝つけず、宿にたくさんあった漫画のうち、浦沢直樹『MONSTER』を読み返してしまったからだ。
そうしてまず始発列車を駅前の道から眺めた。前夜到着したときは日没後で、あたりのようすがよくわからなかったけれど、日が出てみるとあたり一面の山々の木々が美しく色づいている。この景色を見るだけでも楽しい。
6時31分発の上り始発列車(日詰行き、鹿角花輪~盛岡:1922D 、盛岡~日詰:2586D)をねらうために犬に吠えられながら歩いてみたものの、20分ではなかなかいい場所が見つけられない。
乗り込んだのは数人の高校生のようだ。そして、前夜の最終列車と同じように、女性の車掌がきびきびと発車の合図を出すさまを眺めてから、自分も投宿先に戻った。これから忙しい撮影の仕事を始めるためだ。
【撮影データ】
Nikon D7200/AI AF Zoom-Nikkor 80-200mm f/2.8D ED <NEW>/RAW/Adobe Photoshop CC