2017年11月10日金曜日

【機材の話】三脚だけではなく照明機材を運搬するにも便利。ラムダ「三脚ケース2」のこと



■ラムダ「三脚ケース2」を手に入れた
ラムダ(LAMDA)という、おもに山岳用などのアウトドア用途に向いたカメラバッグを作っている会社がある。ご自身も山岳写真を撮影される登山家である佐久間博さんが社長を務める会社だ。ご存知ではない方はCAPA Camera Webにも記事があるので参照されたい。

その製品は店頭ではヨドバシカメラ、ビックカメラなどのカメラ写真用品を扱う大手量販店のほか、ICI石井スポーツにも置かれているという。すでに30年以上の歴史があるといい、アウトドア撮影をする写真家には知る人ぞ知るメーカーだ。どの製品もとても堅牢かつ「堅実」な印象を受けるところが、佐久間さんのまじめなお人柄を感じさせる。佐久間さんは大言壮語などをされない、たいへん実直な方だ。ヒラの編集部員であった私のような無名な人物にもたいへんていねいに対応いただいたことへの恩義は生涯忘れない。リュックサック(カメラザック)製品がおもで、なかには「槍ヶ岳」「双六岳」などという名を冠した製品もあり、佐久間さんの山岳への愛情を感じさせる。

そのラムダ「三脚ケース2」を先日ようやく手に入れた。カメラ誌編集部に勤務して製品情報を担当していたころからその存在は知っていたものの、手に入れる機会を先延ばしにしていた。サイズはXS、S、M、Lの4種あり、私が手に入れたのはいちばん大きなLサイズだ。Lサイズの収納三脚長は70〜80cm、円周50cm。ケースの重さは300gと軽い。価格は定価で4,000円+消費税から5,500円+消費税というところ。2020年10月現在でのヨドバシドットコム価格では税込み3,300円から4,500円だから、価格的にもそう値の張るものではない。色は現在の2型ではネイビーとグレーの2種が用意されている。

■気に入った三脚ケースを持っていなかった
私は前述のように、何本かの三脚を所有している。とはいえ、どれにもケースを使っていなかった。以前は三脚はむき出しのまま携行していたものの、撮影行では公共交通機関を使用すること、時間や場所によっては避けていても時間的にしかたなくラッシュアワーにさしかかることもあり、そのさいにひとにぶつけてしまうのもためらわれる。また、ここ数年は三脚を何度も故障させていることから、列車内の網棚の上に置いた際に、あるいは携行中にどこかにたたんだまま置くなど、移動中に衝撃を与えたり傷をつけるのも気に入らない。パーツの破損もありえるから。

そうなるとやはり三脚ケースが必要だと思うようになった。そこでまずは、市販のトートバッグに入れて三脚を携行していたものの、三脚全体をしまうことはできない。おまけに、気に入っていた無印良品の昨年モデルの帆布トートバッグは穴が空いてしまったし……今年の製品に同じ大きさのものがない。

そこで、ずっと気になっていたラムダの三脚ケース2を手に入れて……もっと早く入手すべきだったという思いにかられている。さすが、佐久間さんのところの製品だなあ、とも。なんというのだろうか、ご自分のご経験から「自分ならばこういうものがほしい」という気持ちで商品開発をされているのではないかと想像できるし、そこがとても魅力的なのだ。


■軽いことと面ファスナーで締めるところが特徴
世の中にはいくつもの三脚ケースがある。三脚メーカーだけではなく、カメラバッグ製品の一環としても。それらのなかでこのラムダの三脚ケース2のメリットともいえるいちばんの特徴は、面ファスナーで締めることで、三脚の長さに合わせてケース全体の長さを調整できる点だろうか。小さな三脚を大きなケースに入れても、中身に合わせてケースを折りたたんで面ファスナーで固定することができる。


Lサイズで300gという重量が示すように、山岳用途ではすこしでも軽いほうがいいのだろうからか、余計なポケットやクッションはない。もし、航空機で移動するなどの際に機内持ち込みをしないなどの場合などでクッションが必要ならば、三脚を梱包材(プチプチ)やバスタオルなどで包んでおくのといいだろう。この点は要注意だ。

そして、ストラップのバランス配分もよく考えられている。先日の撮影で肩から提げていても、そのバランス配分のよさをひしひしと感じた。

クッション材がない利点は軽さと、使わない場合にこのケースを小さく丸めてカメラバッグなどに収納できるところにある。クッションがしっかりしている三脚ケースはそれ自体の自重も増えるし、たたんだり丸めることはできない。山岳行ではこうした収納性のよさというのは非常に重要だろう。山に登らなくても便利なものは便利なのだ。

■照明器具の運搬にも使いたい
私は三脚以外にも、必要に応じて照明器具を持ち運ぶことも考えていちばん大きいサイズを選んだ。そうやって、三脚以外の運搬にも使っている。ここ最近の買い物のなかで、もっとも「自慢したい」「みなさんにもおすすめしたい」のがこの「三脚ケース2」だ。山に登らない私でもとても使いやすくて気に入っている。

この「三脚ケース2」は同業者のなかでも有名な製品だ。同業の友人にプレゼントしたこともある。汎用的に使える軽量な三脚ケースを探している方は、いちど店頭で手にとって試してみるといい。

【2023年9月追記】
有限会社ラムダは本年8月31日をもって終業したとのこと。修理サポートは1年間程度行うそうだが、購入はおそらくは各販売店の現在の在庫限りになりそうだ。