■10時37分に起きたこと
あれはたしか、6月22日土曜日のこと。大阪・松原市の滞在先で朝起きて洗濯も掃除もすませて窓の外を見ると、雲が多いけれど日差しが明るいままだ。暑いけれど、どこか散歩に出ようかとスマホをいじって、ツイッターをなにげなく見ていると、近鉄南大阪線の唯一の旧塗装特急車16000系電車16007編成(Y07)が走っているというツイートが目についた。吉野から大阪阿部野橋へ上ってくるようだ。
そこで、カメラを手にちょろっと線路沿いまで行くつもりで最寄り駅まで行き、そこにいるつもりだった。けれど、それまで待つのもつまらない。そこで、数駅下り方面へ行こうと考えて下り列車に乗った。どこまで行こうかな、と考えているうちに道明寺に着いた。
■そんなわけでレッツ道明寺
これ以上先に行くとY07と離合してしまう。そこで道明寺で降りた。このとき、どうして下り古市方面を向いてカメラを構えずにわざわざ上り土師ノ里方面を向いていたのか、どうもよく覚えていない。とにかく、ホーム端でカメラを構えていると背後から上り大阪阿部野橋行き特急が通過した。たしかにY07だ。このときの時間はEXIFによると、掲載したカットで10時37分08秒。
土師ノ里〜道明寺は大きなカーブがあるので列車は減速する。Y07がそろりそろりと道明寺を通過してカーブを曲がっていって姿が見えなくなってほんの数秒後に、カーブから下り列車がやってきた。なんとまあ、復刻ラビットカー塗装(と書くと長いから、私がかってに呼ぶところの「ウサたん」)6020系6051編成(C51)だ。どっちも、近鉄南大阪線で一番めと二番めにワイの好きな電車や! 掲載したカットでは上のY07の30秒後、10時37分38秒にレリーズしている。
■まったくの偶然ではないな
こういう幸運があるから写真を撮るのはやめられないな、と思う。土師ノ里と道明寺の駅間にいたら、離合するところを見ることができたのかもしれないね。
幸運……ほんとうにただの偶然だったのかな。いまようやく思い出した。そもそも、最寄り駅で「青の交響曲(シンフォニー)」を撮ってから改札に入って下り列車を待ったら、このウサたんが偶然やって来た。それを河内松原で準急に乗り換えて先行し、土師ノ里方でカメラを構えていたのだった。
ウサたんC51に遭遇したのは偶然だけど、Y07を撮ったのは偶然ではないな。それでも、土師ノ里〜道明寺で離合することは知らなかったから、まあ幸運といえば幸運だ。
■「ツキムラ」の広告を見ると「近鉄に乗っている気分」になる
昨年、はじめて近鉄南大阪線に乗って以来、車端部に貼ってあるオーダースーツ店の広告ステッカーを見るたびに、近鉄の電車に乗っているなあ、という気分になる。それでは、私が地元の西武鉄道の電車に乗っている気分にさせるものはなんだろう。あ、もしかしてあれかも……「座席のシート切りは犯罪です!」という黄色いステッカー。終戦直後じゃあるまいし。まさか、座席のシートの端切れで革靴を磨くのだろうか。
さて、ウサたんは次の古市止まりだ。乗客を下ろすと入庫してしまった。私はすぐに運賃を精算してもらって、自分の滞在先最寄り駅まで戻った。そうして10分ほど待っていたら、Y07の吉野行き特急がやって来た。これだといかにも「吉野くん」という感じ!←大井川鉄道に譲渡されていないからその呼び方はおかしいけどさ。
これで朝の散歩はおしまい。滞在先に戻って昼ごはんがうまかったぜ! 散歩というほど体を動かしていないね、これ。頭はすこーしだけ使った、かな。
【撮影データ】
Panasonic LUMIX DMC-GX7 Mark II/LUMIX G 42.5mm F1.7 ASPH. POWER O.I.S./LUMIX G VARIO 45-150mm F4.0-5.6 ASPH. MEGA O.I.S./Adobe Photoshop CC 2019