使われなくなって放置された遊園地の設備は物悲しい |
いずれも敷地外の沿道から撮影 |
ほんとうは、ロケハンやちょっとしたテスト撮影が必要で、早い時間に家を出ることができるならば遠くに行きたかったのだが、とりあえずテストだけはするべく、近隣の貯水池までやって来た。
撮影後に暗部を持ち上げたら、絵画調にノイジーだ |
到着したのは、すでに周辺の林の向こうに日が隠れるような時間だった。鳥たちがねぐらに帰ろうと群れをなして飛び始める。あまりヌケのよくない光に包まれる風景をしばし見やる。気温が急激に冷える中を三脚を立てて長秒時露出での撮影を試みた。指先と足下が冷える。
もちろん、「やれやれ」などという感嘆やピンホールマシンを探しまわること、双子の姉妹とロストボールを探したり配電盤を弔ったりなどはしない。なぜなら、私はもはや20代の若者ではなく、いまは1973年ではなくて2013年だから(もちろん、小説ではないから)。