10月中なら車体がオレンジ色に染まったのだろうけど |
■いつもの入庫とはようすがちがう
さて、SLパレオエクスプレス5002列車が広瀬川原に引き上げてきたところに、たまたま出くわしたときの話の続きだ。意図的に入庫するところをねらいに来たわけではないのに、運よくその時間に遭遇したというべきか。そこでせっかくの入換えシーンを眺めることにして、上り方の転車台のほうを見てふと気づいた。ふだん、日没どきに広瀬川原に来ないのでよく見ていなかったけれど、転車台が……明るいぞ。
■撮影会の予行演習だった
■撮影会の予行演習だった
そういえば、秩父観光興業が1000系電車とSL撮影のバスツアーを告知していた。そのなかにC58363の夕方の撮影会が行われるとあったけれど、どうやらたまたまその試験点灯に出くわしたようだ。なんとまあ、じつに運がいい。
とはいえ、勝手に見てしまっただけだし、すぐそばには行けないので、線路の反対側から眺めることにした。踏切まで行けばもう少し近づくことはできたかもしれないが。なんとなく申し訳ない気もして、あの。
■夜というだけでかっこよさ倍増
あたりがどんどんと暗くなるなかで、レフランプに照らされるC58363は係員の誘導に従ってゆっくりとバックして転車台に乗る。警告音とともに転車台が回転する。それは、SLパレオエクスプレス運転日には広瀬川原でも三峰口でも、ごくふつうに見ることができる光景ではある。
だが、今日は夜間の照明があるなかで行われているところがちがう。同じ作業がなんとも印象的に見えるとは。やはり夜はものごとをドラマチックに見せる。
■まるで奇跡に立ち会ったかのような気持ちになった
時間にしてわずか5分程度のできごとではあった。たそがれにオレンジ色の明かりに浮かび上がる転車台上のC58363のようすを遠巻きに見ていて、なんだか奇跡が行われるようすを描いた宗教画を見ているような気持ちになった。
いや、実際に秩父党の私には眼前で奇跡が起きたようなものだ。
【撮影データ】
Nikon D7000/AIAF Nikkor 50mm f/1.4D/RAW/Adobe Photoshop CC