夕方の大川行き、武蔵白石 |
■昭和の終わりから平成はじめのころの鶴見線
前日のエントリーで国鉄大船工場(当時、そしてそれ以前は国鉄中原電車区)にいたクモハ12013のことを書いたので、今日は鶴見線に所属していたかの有名なクモハ12052、053のことを書こう。以前のブログでお見せした程度の絵しかないが、ご容赦いただきたい。1985(昭和60)年末から平成にかけての姿だ。
戦前の雰囲気を残した立派な鶴見駅ホーム |
私が鶴見線に通っていたのは、1985(昭和60)年暮れ以降だと手元の写真アルバムにあった。冬休みに南武線に乗り継いで出かけたのが初めて行った際の行程だった。当時、都内に在住していて、いちばん時間のかからない経路は新宿→品川→鶴見というルートだったはずだが、わざわざ西武多摩湖線で国分寺に出てから西国分寺まで行き、府中本町→尻手→浜川崎というルートを使ったのは、西武多摩湖線の351系に乗りたかったことと、武蔵野線の101系1000番台車、南武線の101系冷房改造車と南武支線を見たかったからのはずだ。
冬休みの土日だったので、武蔵白石で乗り換えたクモハ12には鉄道ファンしか乗っていなかった記憶がある。
■支線専用のクモハ12が本線運用に復帰!
その後、鶴見線ダイヤの大減量が行われ、平日日中と土休日にはクモハ12が鶴見を起点に大川と海芝浦を交互に単行運転で結ぶという、驚くような「ダイヤ改正」が行われた。20メートル車体で3両編成の101系では輸送力過剰だったからだ。
それ以降は思い出しては通うようになった。なにしろ、戦前生まれの17メートル国電が全6キロ程度の短い区間とはいえ、出入庫の回送以外で本線をふつうの営業運転として走り回るという、平成の世の中とは思えない路線になったからだ。
■鉄道利用では川崎方面に行きづらいところがやりきれない
もっとも、当時(1985年ごろ)からすでにラッシュアワーと昼間の乗降量の差は大きな問題になっていたろう。ラッシュアワーでさえも乗客が減少していて、武蔵白石駅の急曲線に対応した小型車体の新型車両を導入するにはペイしないと判断されたのだろう。
海芝浦支線を走る |
昭和60年代には思えない絵柄 |
鶴見〜弁天橋は昼でも乗降客はそれなりに多い |
もっとも、当時(1985年ごろ)からすでにラッシュアワーと昼間の乗降量の差は大きな問題になっていたろう。ラッシュアワーでさえも乗客が減少していて、武蔵白石駅の急曲線に対応した小型車体の新型車両を導入するにはペイしないと判断されたのだろう。
鶴見線はいまとなるとそのアクセスに問題があると思う。東京方面からは鶴見まで出て乗り換えるか、JRなら川崎→尻手→浜川崎、もしくは京浜急行八丁畷→浜川崎と乗り換えないと電車では微妙にアクセスしにくい路線だ。だから通勤で毎日沿線に通っている人たちにも、おそらく川崎から路線バスを使う人も多いのではないか。
かくいう私も、クモハ12が大川支線以外を走るようになって鶴見線に通うには川崎から川崎鶴見臨港バス「川27系統」を使うことが多かった。この距離感と微妙なアクセスの悪さは、いかんともしがたい。
■1996年まで走り続けた
踏切で待っていてこんな電車が来たら驚くね |
鶴見小野までは住宅地のなかを走る |
■1996年まで走り続けた
この鶴見線の2両のクモハ12050番台車は、1996(平成8)年まで用いられた。1996年の段階でぶどう色に塗られた国鉄型の旧型電車で、定期的運行していたのはほかに小野田支線のクモハ42だけだ。だから、行くたびにだんだんと撮影者が沿線に増えてきた。
1990(平成2)年ごろまでは何度か通い、モータードライブつきの一眼レフとズームレンズ、カラーリバーサルフィルムを用いて何度か撮っている。そうしているうちに、そのときの自分では撮れる写真はじゅうぶん撮ってしまったような気持ちになり、鉄道趣味から離れて通うのをやめた。私にはそういうコレクターや研究者になりきれないような「あっさり」した執着心のなさのようなものがある。自分の写真に飽きてしまったのに、それを乗り越える努力を怠ったというべきか。よくあるんだよ、そういう怠惰さが私には。
置き換え直前の1996年冬にひさしぶりに思い出して撮影に来ただけだ。しかも、そのときのネガは現像さえしていない。もしいまでも走っていたら、どういうふうに撮るだろう。
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Nikon F-301, Konica FP/Ai Nikkor 85mm F1.4S, Sigma 75-210mm F3.5-4.5, Sigma 35-70mm F2.8-4, Hexanon 52mm F1.8/Kodachrome 64, Kodachrome 64 Professional, Fujicolor HR100