2015年7月20日月曜日

【秩父鉄道撮影記事】秩父ジオパークトレインにて考えた

ほんの数秒前に左からシカが線路を横切った(dp3 Quattro)
秩父の土地利用状況のうち、約84%が森林なのだそうだ。それは、ジオパーク秩父のWebサイトを見ていて知った。そして、パレオエクスプレス5001列車を雁行して走り、秩父で追い越す運用に入っていた秩父鉄道7500系7502編成「秩父ジオパークトレイン」に乗っていて、そのことを改めて思い知ることになった。

冒頭の写真は浦山口の浦山川橋梁を渡り始める列車から撮ったことは、秩父鉄道を訪問されるお仲間のみなさんにはすぐにおわかりだろう。このカットを撮るほんの数秒前に、橋梁の向こう側をシカが横切ったのを見て、私はとても驚いた。タイフォンを鳴らして徐行して橋梁を渡った列車の車窓から右の木立に目をやると、黒い瞳をこちらに向ける2頭のシカがいた。


いま思い出した。影森から浦山口にかけての線路際には、2頭のシカがいるようだ。つがいなのか親子なのかはわからない。影森登りのかの陸橋そばで列車を待ちながら退屈して三ノ輪線のあたりを歩いていて、木立のなかで見かけたことがある。そのことを、影森でよくお会いするSL狙いの方に話したら、こともなげに言われたっけ。ああ、2頭いるよ、と。もっとも、浦山川橋梁を越えたあたりで見たのは初めてだ。

これは4Kフォトなのです(G7)
このあとの西日がよかったのだけどな(GX8)
影森から先では、秋から冬にかけてはサルの群れにも遭遇する。しかも、その頻度が高くなってきている。影森の昭和電工の倉庫から山の方にかけて歩いていて遭遇したことは数知れず。武甲線跡に出てくることもある。けれど、サルに出会ったら目を合わせてはいけないというのはほんとうだ。レンズを向けるのはもっとまずい。昨年の11月だったか。武州日野の安谷川橋梁から武州中川にかけてのあたりでサルに追いかけられたことがある。LUMIX DMC-FZ1000でサルを撮ろうなんて考えたのがよくなかった。しかも、FZ1000のAFはきちんと合焦するのも驚く。いやいや、あぶないからよい子は真似をしてはだめ。全力疾走して安谷川橋梁を渡って逃げたものだ。

昨年の6月末。このカットを撮る少し前にシカを見た(G1X2)
あのあたりでもクマがいるんだ! と驚く(GX8)
こういった野生動物との遭遇は、彼らが暮らす環境と人間の住む環境が接近してしまったこと、そして、人間を怖がっているはずの彼らが里に降りてこないと彼らが暮らしていけないことを意味する。いささか考えこまされることではあるのだが。

秩父の自然の豊かさと自然とともにある暮らしは、決して都会に住んでいるわけでもない私にもとても魅力的だ。そもそも、本来の自然とは人間に容易に牙を剥くものでもある。いまの私たちの周囲にある自然は、人間が飼い慣らした、弱った自然でしかない。私たちはそのことをしばしば忘れがちだ。

夏は楽しい季節ではあるけれど、ゲリラ豪雨による河川の水量の急増もしばしばある。注意しながら自然を楽しみたいものだ。傘がまったく役に立たないゲリラ豪雨に見舞われてずぶ濡れになって電車に乗り、ほかのお客さんに嫌な顔をされた私からの大きなお世話な忠告だ。

【撮影データ】Sigma dp3 Quattro、Panasonic LUMIX DMC-G7、同GX8、Canon PowerShot G1X MarkII