■自宅で上信電鉄沿線に思いを馳せる
関東地方ではこの連休は連日好天に恵まれていて、各地の観光地の人出も多いようだ。こういう伝聞形で書いたのは、私は土曜日に上毛電鉄に乗った以外は、ほとんど自宅周辺に「引きこもり」のように過ごしているから。この時期恒例の寝冷えもしたし、仕事もある。ありがたいことだ。
先日の上毛電鉄行きで、途中駅の「新屋駅」のことを日ごろはさんざん注意しているというのに、「にいや」駅と呼んだからか(変な前振り)、ふと、かの台風通過直後の訪れた上信電鉄沿線で見たたそがれのようすを思い出した。念のため説明しておくと上毛電鉄の「新屋駅」(群馬県前橋市)は「あらや」、上信電鉄の「上州新屋駅」(群馬県甘楽郡甘楽町)は「じょうしゅうにいや」だ。あらやだ(祖母の口ぐせ)。
ごほん! 咳払いをしてみました。すみません。
■曇ってしまったので
この日は、台風一過を狙って出かけた。ところが、下仁田まで行かずとも高崎市内でさえ、天気予報通りに晴れ間は午前中のみで、午後から曇ってしまった。さあ、困った。晴れ間を狙ってイメトレしてきたから、そういう絵を狙いたいのに。そこで、薄暮を待った。私の撮影ではいつものことだ。
列車の通過のタイミングと、厚い雲に覆われた空から太陽が顔をのぞかせるタイミングがなかなか合わない。ホワイトバランスを工夫し、露出を絞ってシブい絵にしてみたり。けれど、雲の動きのドラマチックな様子は見ているだけで圧巻だった。カメラを持っている私なぞじつにちっぽけな存在なのだな、とひとりごちた。
あのとき見た空のようすの片鱗でも写し取ることができればいいのだけど。そして、写真に撮らなくても忘れないで覚えていたら、それはそれで楽しいか。
【撮影データ】
Nikon D7200/AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G/RAW/Adobe CameraRaw