LUMIX G VARIO 7-14mm F4.0 ASPH.の 7mm端(14mm相当)でサイドビューを撮った |
■上電大胡電車庫を訪問した
7月のエントリーで、上毛電鉄大胡電車庫にある、東急7000系電車由来のパイオニア台車を利用した仮台車についてふれた。すっかり夏が終わってしまったものの、遅まきながら、こうして大胡電車庫を訪問した日のことを書きたい。
あれは梅雨晴れの日のこと。前々から行ってみたかった大胡電車庫の見学を申し込んだ。申し込みは事前に電話かメールで行うむね、上毛電気鉄道Webサイトにある。大人:500円、高校生・中学生:400円、小学生以下:300円(2024年6月現在)で30分程度のあいだにひと通り説明していただけて、撮影をしてもかまわないというのだから、とてもありがたい。
あれは梅雨晴れの日のこと。前々から行ってみたかった大胡電車庫の見学を申し込んだ。申し込みは事前に電話かメールで行うむね、上毛電気鉄道Webサイトにある。大人:500円、高校生・中学生:400円、小学生以下:300円(2024年6月現在)で30分程度のあいだにひと通り説明していただけて、撮影をしてもかまわないというのだから、とてもありがたい。
庫内は春や秋の電車庫イベントでも見ることはできるが、ふだんの姿も見てみたいではないか。
デハ101と「上電×スナガ」712-722編成 |
■デハ101をまず撮ってから
【撮影データ】
私が訪問した日は、デハ101は2番線の手前にいた。そして、その奥では715−725ジュエルピンク編成が検査中。パイオニア台車を履いていたのはこいつだった。
案内してくれた係員氏によると、機械室の壁にずらりと掛けられている工具などもいまは使わず、検査は「京王さんに外注」しているそうだ。解体して主要部品を京王重機整備の事業所にトラックで送って整備してもらい、それが済むとトラックで戻されて、大胡でふたたび組み上げるということらしい。
なるほど、京王重機整備は車両の販売と保守もセットで行っているのか、と思った次第。そういうパッケージで請け負っているのだろう。
東武5700系クハ701の台車でしたっけ? |
715−725ジュエルピンク編成は検査中で、パイオニア台車に |
奥には東武からきた仮台車もあった。そして、デハ104はじつに美しく塗装されている。車籍がなくて本線を動かせないとはいえ、方向転換をしてデハ101とは連結したら幌で行き来できるのならば……そのうち、車庫敷地内で無動力でもデハ101が牽引するとおもしろい。そんな姿が見られたらうれしい。これは私の妄想だ。
車籍がなく動かせないデハ104もピカピカ |
■おじいさん! デキ3021が動いた
建物の外にいたデキ3021+テ241の位置に行ってみたら驚いた。あれ。デキがパン上げしているぞ……。まさかそのあの。
(係員氏)「これから車庫内で入れ替えをするので、動(いご)かしますよ〜」
(私)「ええっ!ま、マジっすか(そう言いそうになった)見ていていいですか!」
(係員氏)「どうぞどうぞ〜」
懐かしいコンプレッサーと独特の汽笛を響かせて、目の前でデキ3021が動き出して、感激した。クララが立った! デキが動いた! もう、それだけで車庫見学に来たかいがあった。
(係員氏)「これから車庫内で入れ替えをするので、動(いご)かしますよ〜」
(私)「ええっ!
(係員氏)「どうぞどうぞ〜」
ななな。なんとデキ3021がパン上げして……! |
いちど詰所まで戻り、もう少しだけ撮影させてもらうことにした。するとこんどは、712−722編成も動いた。大胡駅構内を見ると、先ほどのデキ3021+テ241はパン上げしたまま大胡駅構内に留置中だ。運転していた係員氏が歩いて検車区に戻って来たので聞いたところ、もう少し駅構内に停めておくという。
入れ替えのために712−722編成も動き始めた |
■大胡駅構内に戻ってひとり撮影大会じゃ
そこで、お礼を言って電車庫を辞して、駅に戻って切符を買い、駅員氏に写真を撮りたいからと声をかけてプラットホームに入った。すると昼下がりの大胡駅には乗客もおらず、しばらくはデキ3021+テ241のひとり撮影大会でしたよ、あなた! いま俺の電車運はなんかすげえ。
デキ3021+テ241は大胡駅構内に出てきた |
なんとも模型的なことか! |
真っ黒い被写体なのに14時過ぎのトップライトではある。それはもうやむを得ない。そこで撮影時には露出オーバーで空を白飛びはさせず、でもシャドウは完全に潰さない露出を気をつけた。
そしてRAW現像時にシャドウをつぶさないように、入念に補正した。
大胡電車庫の建物自体も素敵だし、そこにいる車両も名優揃いだ。そして、たまたまデキ3021+テ241が動くところも見てしまったのだ。私の萌え心がすっかり掴まれた……。
そして、デキ3021は日本電装株式会社が塗装工事(ほかの整備)を行ったのですね。日本電装株式会社は日本車輌製造株式会社と京王重機整備株式会社が株主。日本車輌製造のIR情報によると「持分法適用会社」とあり役員などの派遣は行っていないそうだ。「当社は日本車両(ママ)製造株式会社殿の鉄道車両を中心とした技術を継承し」というキャッシュが残されているが、昭和47(1972)年の日本車輌製造東京支社(蕨工場)撤退時に名古屋にいかずに残った人員がいて、そのひとたちを雇い入れたのだろうか。ふむふむ。興味深い。
同社Webサイトを見ると、関東圏の各社の車両の復刻塗装などは日本電装が請け負っているのだそうだ。俺たちの東武8000系8111編成や東武博物館の展示車両の復元、あるいは上信電鉄デハ251の復刻塗装なども手掛けたようだ。
この日のおかげで、もともと好きだった上電がすっかり大好きになってしまった。しみじみいい。
追記:2024年6月に写真をすべて再現像しました。
【撮影データ】
Panasonic LUMIX DMC-GX8・LUMIX G VARIO 7-14mm / F4.0 ASPH.、LEICA DG SUMMILUX 15mm / F1.7 ASPH.、LEICA DG NOCTICRON 42.5mm / F1.2 ASPH. / POWER O.I.S.・RAW(Adobe CameraRawにて現像)