2017年5月3日水曜日

【デジタルカメラ関連記事】マンフロット055シリーズ三脚と筆者のトライポッド・クライシスのこと

古い古い2004年以前のマンフロット055 CLB

■25年来のマンフロット055シリーズユーザーです
 業務ユーザーではなくても、ある程度ながいあいだ写真をやっていて、なおかついろいろな被写体を撮るようなひとであれば、いつのまにか使用目的や被写体に応じて複数の三脚を所有して使いわけるようになっているのではないか。コレクションで三脚を集めているというようなひとはそうそういないのでは……もしかしたらいるのかな。

 筆者は25年来のマンフロット055シリーズユーザーだ。ただし、1本の三脚を25年使っているのではなく、何度も買い換えている。それも、アルミ3段のものばかりを。055シリーズは中型三脚(*1)のカテゴリに入る最大パイプ径30mmのもので、正確な歴史がわからないものの、相当の長きにわたって作られているモデルだ。筆者が1986年頃に読んだモーターマガジン社『カメラマン』の用品特集でも、たしか055シリーズは「長年作られて定評がある」というようなことを読んだ記憶があるもの。2017年5月における最新モデルはアルミ3段がMT 055 XPRO3。カーボン製3段と4段の製品も用意されている。デザインが派手になった。いっぽう、筆者が使っているのは古い055 CLB(おそらく国内代理店が本庄株式会社のもの)と055 XPROB(ボーゲンイメージング時代のもの)だ。

■軽いことと値段が手頃なわりにしっかりしているから
 マンフロット三脚が好きなのは、比較的軽いこと。そして、値段が手頃なわりには作りがしっかりしていること。055シリーズはアルミ製中型三脚としては軽い。それでも、フラッグシップ一眼レフボディと70-200mm F2.8クラスや300mm F4クラスのレンズまでであれば、よほどの強風のなかで使うとか、数時間の露光をするなどというのではない限り余裕で使える。長時間露光をする場合は三脚ごと動かさない工夫を何かすればよい。そして、エレベーターを伸ばさないでも雲台に置いたカメラのファインダー部分の高さが、055 CLBはエレベーターを伸ばさないで雲台なしの最大高が135cmあり、センターポールを伸ばすと170cmくらい。自由雲台にやや大柄なボディを乗せると、センターポールを伸ばさずとも筆者の視線の高さにちょうど合うことから、ずっと気に入って使っている。

 筆者がいちばん最初に手に入れた055シリーズのモデルはたしか、1992年に買ったもの。当時の製品はART 055Cと呼ばれていたのだろうか(「ベネチア三脚」という名称ではもうなかったと思う)。あのころはシルバーのモデルもあり、ロック部分がもっと小さかった。また、ユニークなかたちの3ウェイ雲台があった。その頃のモデルのデザインが正直いうといまでもいちばんシンプルで好きだ。当時は本庄株式会社が日本国内の総代理店だったと思う。その後、Vitecグループに買収されたマンフロット自体の経営が変わり、日本では2006年からグループのボーゲンイメージングの取扱となった。ボーゲンイメージングはその後2010年には日本ではマンフロット株式会社と名前を変えていまにいたる。そのあたりの歴史はマンフロットのWebサイトを参照されたし。
 

■設営と撤収が容易なところも好きな理由
 さて、三脚にはレバーロック式とナットロック式があるが、筆者が055シリーズを好むのは、レバーロック式だからという理由もある(*2)。というのも、設営時にも撤収時にも脚部のロックを外せば、いっきに伸縮させることができるから。ぱちんぱちんぱちん、とロックを解除してスコンスコンスコン! (オノマトペだらけですみません)と脚を一気に伸ばす、もしくは縮めることができるのは忍耐力の少ない筆者には痛快だ。また、砂地などに設置したときに砂を噛みにくく、水分が侵入しても抜けやすいのもいい。筆者は海辺や河原などで三脚を使用することが多いのだ。ただし、脚部の伸縮が一気にできることこととトレードオフになるけれど、高さの微妙な調整はナットロック式のほうがやりやすい。マンフロット三脚には脚部に目盛りの表記があるわけではないしね。そこで、結局はレバーロック式の055シリーズとネットロック式のジッツオの両方を使いわけている。いっぽう、マンフロットの三脚は伝統的には近年にいたるまで、レバーロック式だったはず。そして、縮長が短くなる4段型よりも、ぜったいに3段型がいい。4段型のほうがやや重くなり、もっとも下の脚が細いのが不安だから。三脚を使っても不安定な三脚でぶらしてしまうのでは、とても惜しい。

ウレタンのレッグウォーマーがない古いモデルです

2004年製以前の055 CLBのレバーロック。操作時にちょっと痛い

センターポールが倒せる055 XPROB

055 XPROBのレバーロック部分。操作がだいぶしやすくなった

【参考】最新のカーボン3段式055 CXPRO3のロック部分は動きが軽やか

センターポールが90度回転するのは超ローアングル撮影に便利
最大開脚してセンターポールを90度倒して

この写真もそうやって橋の上で超ローアングルで撮影しているのです

■トライポッド・クライシスに見舞われ続けて

 筆者はじつはここ数年来、ほぼ毎年のように三脚を壊してしまう「トライポッド・クライシス」に見舞われている。それはおそらく、ここ数年は三脚使用頻度が急に高くなったから。撮影カット数も増え、ハードディスクも増えるいっぽうだ。その結果として、いろいろな所有する周辺機器の故障率が高くなったのだろう。2014年には10年ほど使った055 CLBの脚の一本が伸縮しなくなった。当時の認定修理店に持ち込んだところ、脚の内部の部品が破損したとのこと。そして、ほかにもプラスチック製の内部部品に亀裂があるとも。けれど、そこでは結局修理は依頼しなかった。というのは、部品代と技術料を含む修理代金が、新品の055シリーズ三脚を購入できる値段になることがわかったからだ。さらに、部品の取り寄せに数ヶ月かかるとも(残念ながらこういうところは海外製品のこまるところかも)。そこへ、すでに旧製品となっていた055 XPROBの在庫処分品を運よく見つけることもできたために、壊れた055 CLBは自宅に持ち帰り、いまも置いてある。

 このとき入手した055 XPROBをこんどは昨年6月を壊すことになるとは(けっこう泣けた)。開脚角度を規定するストッパーとそのバネをどこかで欠落させてしまったのだ。三脚として使用はできるけれど、3本の脚のうちの1本の開脚角度を固定できないのはこまる。マンフロットとジッツオのスペアパーツを取り扱っているイギリスの「STUDIO 1 LTD」に部品を注文しようかと考えていたものの、その部品を取りつけるために脚部をうまく私には外せそうにない。さらに、昨年の春にマンフロットの認定修理店が日研テクノに移管されたという。以前の認定店のプロショップらしい、打てば響く感じが好きだったのだけどなあ、ううむ……などと、はたして修理を依頼するかとためらって迷っているうちに、某カメラ店の中古コーナーで冒頭の古い055 CLBをたいへん安価に見つけてしまった。その結果、いまの主力として使っている三脚が古い055 CLBといういささかおかしなことになっている。いちばん最初に買った055Cのようにレッグウォーマーがないタイプだ。2004年ごろに買った055 CLBはレッグウォーマーがあり、レバーロック部分の形状がことなるので、それ以前の055 CLBだ。それに、じつは筆者は古いジッツオの小型三脚も使っているから、ローアングルはできないわけでもない。もっとも、055 XPROBは地面すれすれの高さの超ローアングル撮影に便利だよなあ。もやもや。

 この055 XPROBは1年近く放置した。だが、撮影していてどうしてもいろいろ不便な思いがあるので、ようやく日研テクノに先日送ったところだ。いくらなんでも自宅に壊れた三脚が何本もあるのも困るし。 新品のMT055 XPRO3の脚部よりも値段がかからなければいいのだが……と、こうして記事を書いている本日、こんどは文中に出てきたジッツオ三脚のセンターポールの雲台固定ネジを……やっぱり、筆者のトライポッド・クライシスが続いているみたい……いや、そんな呪いをかけることを自分で言っちゃだめだ……。055 XPROBがはやく直ってきますように。日研テクノさん、おねがいしますよ!

【2017年5月9日追記】
 連休の谷間にロンドン郊外の町サリーにある「STUDIO 1 LTD」に発注したジッツオ三脚のパーツがヨーロッパの対独戦勝記念日(5月8日。旧ソビエト圏では5月9日)に届くとは! むこうは連休ではないし、ロイヤルメールではなくてFedExだったとはいえ、1週間もしないで届くのだもの。ジッツオとマンフロットの三脚パーツはこれなら今後も「STUDIO 1 LTD」に注文するほうが確実だし、そう思えば安心して使い続けることもできてうれしい。それにしても、母さん、僕のあの三脚、どうしたんでせうね? ええ、連休前に、修理の可否と見積もりを電子郵便で問ひ合わせをしたら、現物を発送してほしいという返信を27日にもらつて、 28日に東京の蒲田へ発送したあの三脚ですよ。ああ、そうか、日伊の枢軸国だから負けてるのか……って、なにこのヘタリア?(苦笑)

【2017年5月13日追記】
 上記の追記をした翌日に、修理依頼した三脚の修理代金見積もりハガキがきた。ネットでも返信できるというのですぐに修理続行を依頼したら、13日に修理完了で14日に受け取り可能とか。「イタリアからの部品を取り寄せに数ヶ月」かと思っていたから、こんなに早く受け取りができると思っていなかった。うたがってすみませんでした! ありがたいありがたい。使える三脚が急に手元に増えて……三脚コレクターは私かもしれないな。なにしろ、コニカマーカティングがかつて発売していた復刻版のティルトール三脚まで持っているから。軽いけれど倒さないように注意が必要なので、屋外撮影に持ち出すことはないけどね(持ち出さない三脚というあたりが、コレクションっぽい)。

【2017年5月14日追記】
修理完了にともない、新たに記事を書きました。

【注記】
中型三脚(*1):三脚の「小型」「中型」「大型」のカテゴリわけをするにあたって、最大パイプ径(あるいは脚径)での分類がある。「小型」は20〜25mm程度、「中型」は26〜30mm程度、「大型」は34〜40mm程度。この分類をあてはめると、055シリーズは最大パイプ径30mmで「中型」。055シリーズとならんで人気のある190シリーズは最大パイプ径が26mmの「小型」三脚になる。190シリーズはセンターポールを伸ばしても最大で160mmで、ミドルサイズ以上の一眼レフと大口径望遠レンズを組み合わせて使うには筆者には少々こころもとないので、筆者は店頭で触っても撮影で使ったことがない。あまり大きくないエントリークラス一眼レフとダブルズームキットやミラーレス機のダブルズームキットを使い、一眼レフでは大口径望遠レンズを使わない、長時間露光をしない、必要に応じて露出ディレー機能やスマホや専用リモコンからのリモート撮影をする、あるいは電子シャッターや先幕電子シャッターで撮影する、ストーンバッグをかならず使うなどの対策をすればいいのかもしれない。三脚の作り自体はしっかりしているけどね。やはり、三脚は用途ごとに使いわけが必要なのですよ。

三脚にはレバーロック式とナットロック式があるが、筆者が055シリーズを好むのは、レバーロック式だからという理由もある(2*):一般的には、アドアマや業務用途にはナットロック式、エントリーユーザーにはレバーロック式を勧められることが店頭などでは多いようだ。ナットロック式は細かい高さ調整がたしかにしやすい。そのかわり、がたつきの少ない高精度な三脚であればとくに、砂地や水辺で用いたら使用後に分解して乾燥させる、あるいは、サービスセンターでときどき見てもらうほうが長く使い続けることができる。国産2大メーカーの高級三脚のナットロックには、回転角を少なくする工夫や共回りしない構造などがなされていて、じつにかゆいところに手が届くことにもじつは惹かれている。どちらも電車で修理に持っていける場所に窓口があるし。

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