10月の3連休初日に、西武鉄道横瀬車両基地で「ちちぶ&よこぜ車両基地フェスタ2024」が行われた。横瀬車両基地の一般公開は基本的には毎年秋に行われている。子どもがまだ幼かったころに数回訪問した。
子どもが鉄道に興味を持たなくなり(といっても鉄道車両には子どもはもともとあまり興味を持っていなかった。太陽工業株式会社の登録商標だろうと思われる名称で言うところの「ふわふわドーム」(膜状トランポリン)が設置されることが、子どもが横瀬に行きたがるいちばんの目的だった)、展示車両にほとんど変化がないことから10年以上もその存在を忘れていた。今年は広告を見てふとその存在を思い出し、ひさしぶりに行ってみようと思いついた。西武秩父線を走る4000系電車の遠くない置き換えも公表されたことだし、乗っておきたい。そこでまず「ちちぶ&よこぜ車両基地フェスタ2024」の電子入場券を入手した。
子どもが鉄道に興味を持たなくなり(といっても鉄道車両には子どもはもともとあまり興味を持っていなかった。太陽工業株式会社の登録商標だろうと思われる名称で言うところの「ふわふわドーム」(膜状トランポリン)が設置されることが、子どもが横瀬に行きたがるいちばんの目的だった)、展示車両にほとんど変化がないことから10年以上もその存在を忘れていた。今年は広告を見てふとその存在を思い出し、ひさしぶりに行ってみようと思いついた。西武秩父線を走る4000系電車の遠くない置き換えも公表されたことだし、乗っておきたい。そこでまず「ちちぶ&よこぜ車両基地フェスタ2024」の電子入場券を入手した。
そういうわけでひさしぶりに西武鉄道最寄り駅で「秩父フリーきっぷ」を購入して、まず横瀬車両基地を訪ねた。西武鉄道の芦ヶ久保〜西武秩父と秩父鉄道の野上〜三峰口の自由乗降が2日間できる。
こんなに晴れていたのははじめて |
E851は塗装をし直してもらったのか |
■午後の横瀬で晴れをはじめて体験した
「ちちぶ&よこぜ車両基地フェスタ2024」には午後の部の入場予約をした。午前中遅くに家を出て飯能で西武秩父行き列車を待った。すると、やってきたのは乗りたかった4000系ではなく、20000系「スタジオツアー東京エクスプレス」だったから大いに笑った。4両編成の4000系では混雑するだろうから、8両編成の通勤型車両である20000系のほうが、収容能力の適正さという意味では正解だろう。横瀬へ行く親子連れにも好まれそうだし。
ロングシートの20000系では、せっかくの西武池袋線飯能以遠・西武秩父線に乗るのでも、旅情は感じにくくて趣味的にはいまひとつ、などというのは独善的なオタクの「お気持ち」だぜ。自戒の念を込めまくりだ。あいたたた……。
うたた寝をしているあいだに横瀬に着いた。結局は眠っていたのでどの電車が来ても同じだったな。目覚めて驚いたのは晴れていること。2012年まで何度もこの横瀬車両基地の公開イベントに来ているが、晴れていたことがないのだ。それなのに、今日は晴れ。それも空が真っ青な快晴だ。光が強すぎるし、影も濃いほど。時間も正午過ぎ。
2012年9月はこんな感じの曇りだった |
このころはまだ検修庫もあった(のちに大雪で倒壊) |
レッドアローもクハ1101も塗装に艶がある |
Xを見ていると快晴をよろこんだオタクは多いようだが、私には撮影会で車両を撮るには影が濃く出すぎるように思えた。
だがこうも思った。無料の車両基地公開イベントは、まじめに車両を撮影するイベントではない。名前の通り「フェスティバル」だ。小さい子どもたちのいる親子連れ・家族連れに鉄道に親しみを持ってもらうためのものであり、ガチな鉄道オタク向けイベントではない。
過去の経験から私はこういうイベントでは、写真を撮らずに好きな車両を眺めるだけにしたほうがいいと学んだ。せいぜい、スナップショットに留める。まじめに形式写真を撮ろうと思わないほうが精神衛生上もいい。
なぜこう撮ったのか。「太陽が眩しかったから」か |
古い電気機関車をなんとか絵にしたくなったのかも |
だから、車両をざっと見て1時間程度で引き上げることにした。
オタクと鉄道好きファミリーだらけの駅に「52席の至福」が来た |
■「生きている鉄道」を見たくなって秩父鉄道へ
会場にいられるのは15時までだったが、13時半には退出した。帰宅するには早い時間だ。
もちろん、素直には帰らない。西武秩父まで足を伸ばし、秩父鉄道にもアクセスすることを考えたから「秩父フリーきっぷ」を買っていた。10/5(土)~27(日)の期間は、SLパレオエクスプレス牽引機C58363が製造80周年を記念して「後藤デフ・後藤工場標準マーク付」を装着している。どうせならこれも見たいと思った。
横瀬車両基地はいまは保存車両の保管場所であり、廃車解体される車両の解体場所だ。最近廃車になる車両は、ここまで回送されてきて大まかに解体され、陸送できるように車体を切断されてから、北館林の解体場に陸送される。
そういうことを知っているからか、なおさら「いまも動いている生きている鉄道」を見たくなった。走っている列車を撮りたくなった。
■「古い車両をたくさん見た一日」
それにしても夏日のように暑い。日向にいると汗ばむほど。10月中旬の快晴の日にはこういうことがある。真夏に比べて太陽の高度は低いが、冬場よりは撮影可能時間がまだ長い。
C58363は上り5002列車で撮ろうと早めに移動した。ただし、ヘッドマークのせいか撮影者は予想より少ないように感じた。定番位置には年配のいわゆる「SL爺」たちが数人いるだけ。定番位置を外すと自由に撮れそうだ。
ねらっていた場所でC58363も撮ったぜ |
露出と構図のチェックを念入りに済ませて……意図通りの構図でC58363を撮った。ひさしぶりだが、勘はおとろえていないようで安心した。あとは、先日の訪問で運休になって撮れなかった鉱石貨物列車だ。そう思っていて、そのあと予想していなかった場面をたくさん撮影してしまったのは前回のエントリーの通りだ。
どちらも非常にめずらしい事態だった。だから、鉄道に関しては「レアな列車に遭遇できる電車運」は最強なのかもしれないぞ、俺氏。ものはいいようだ。
先日はヒガンバナが咲いていたのに。あっというまにおしまい |
返空列車のデキ502もこぎれいだ |
帰路は西武秩父から飯能まで念願の4000系電車に乗ることができた。ボックスシートでしばしのうたた寝を決め込んだ。ひさしぶりに横瀬と西武鉄道経由で秩父を訪ねて、一日でいろいろな古い車両を撮ることができた。レアなシーンも見てしまったのだから、満足ではないかとひとりごちながら、真っ暗な窓を眺めるでもなくまどろんだ。
【撮影データ】
Nikon Df/AI Nikkor 28mm f/2.8S, Nikkor 50mm F1.8S/RAW/Adobe Photoshop CC 2024(2012年の写真はNikon D4/AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED)