6300もけっこういけてるんちゃう。しゅっとしとる |
■南海6300系電車はまだまだ元気
ちょうど1年ほど前に筆者は大阪・松原市の阪南中央病院というところで2ヶ月ほど過ごしていたと何度か書いている。そのあいだにしばしば出かけていたのはJR桜井線(万葉まほろば線)畝傍や阪堺電気軌道上町線の帝塚山四丁目だ。
ちょうど1年ほど前に筆者は大阪・松原市の阪南中央病院というところで2ヶ月ほど過ごしていたと何度か書いている。そのあいだにしばしば出かけていたのはJR桜井線(万葉まほろば線)畝傍や阪堺電気軌道上町線の帝塚山四丁目だ。
このうち帝塚山四丁目電停は南海高野線(以下、高野線と略)の線路のすぐそばにある。帝塚山四丁目から阪堺電車の線路は大きくカーブしながら築堤に登って南海高野線を越えて神ノ木電停にたどりつく。神ノ木電停からはすぐ下を走る高野線の線路が見え、近くにある高野線住吉東駅も見渡すことができる。
一昨年夏にも筆者は同じ病院でやはり2ヶ月ほど過ごし、そのときに阪堺電車の魅力にとりつかれて沿線に通い始めた。そこで、昨年に予期していなかった2度目の在阪療養生活を過ごすことになったときには、いままで写真を撮ったことがなかった高野線も撮ることに決めた。それは、高野線を走る6000系電車の廃車開始が近いといわれていたから。
もっとも、筆者はそれ以前に高野線や南海電鉄の車両自体をほとんど撮ったこともない「南海初心者」「遅く来た南海ファン」だ。そうして何度か堺東から乗ってみて、みなさんが書かれているように「高野線で前パンになって貫通幌のある車両は難波方にあり、晴れると日中は逆光になる」ということを自分の頭で理解した。
一昨年夏にも筆者は同じ病院でやはり2ヶ月ほど過ごし、そのときに阪堺電車の魅力にとりつかれて沿線に通い始めた。そこで、昨年に予期していなかった2度目の在阪療養生活を過ごすことになったときには、いままで写真を撮ったことがなかった高野線も撮ることに決めた。それは、高野線を走る6000系電車の廃車開始が近いといわれていたから。
もっとも、筆者はそれ以前に高野線や南海電鉄の車両自体をほとんど撮ったこともない「南海初心者」「遅く来た南海ファン」だ。そうして何度か堺東から乗ってみて、みなさんが書かれているように「高野線で前パンになって貫通幌のある車両は難波方にあり、晴れると日中は逆光になる」ということを自分の頭で理解した。
そこで、梅雨の晴れないあいだ、大和地方に遠出をするほどの元気もないあいだは、高野線の線路沿いで列車をねらっていた。もっとも松原市から橿原市あたりなら奈良盆地はそう遠くないけどね。いいなあ、東京圏よりも移動距離が少なく済んで。
とにかく、そこで気づいたのが高野線は6000系電車の増備形である6300系電車もかっこいいということ。こうやってみると6300もええやん! 遠くから見ると6000系電車と見わけにくいけど、それをいかして正面がちに撮ればいいわけさ。どちらも、切妻型の車体ではなく、おでこのあたりの優美な曲線が好ましい。こういうデザインの電車は東京首都圏にはもう思い当たらないから、なお素敵に見えるのだろうなあ。
とにかく、そこで気づいたのが高野線は6000系電車の増備形である6300系電車もかっこいいということ。こうやってみると6300もええやん! 遠くから見ると6000系電車と見わけにくいけど、それをいかして正面がちに撮ればいいわけさ。どちらも、切妻型の車体ではなく、おでこのあたりの優美な曲線が好ましい。こういうデザインの電車は東京首都圏にはもう思い当たらないから、なお素敵に見えるのだろうなあ。
東武やないし小田急やない。伊豆箱根でもない。泉北線や |
■南海電車は整備がよく見える
南海電鉄に限らず近畿圏の鉄道会社はJRも民鉄も、東京首都圏の鉄道会社よりももの持ちがいいように見える。少なくとも大手私鉄はどこの会社も古い電車をていねいに整備して美しく使っている印象がある。簡単に新造できないという事情があるのだろうけれど、きれいに整備されているようすはたいへん好ましいと心底思う。乗っていても気持ちがいい。整備は大変だと思うよ。
東京首都圏ではもう数えるほどしか残されていない片開き扉とおでこライトを持つ南海6000系電車は、初期型が製造されたのは1962年だそうだ。でも、各種更新工事が行われているだけではなく、日常の整備が念入りなのだろう。いつ見てもぴかぴかと輝くようだ。だからか、あまり古びた印象が感じられない。その増備車で1970年から71年にかけて製造され、改良されて両開き扉になった6300系(旧6100系)電車もおなじだ。
南海はきちんと整備をしているのかなあ、と思っていたから、ラピート(50000系電車)のFS台車の重大インシデントの件ではおどろかされた。これは余談だ。
南海電鉄に限らず近畿圏の鉄道会社はJRも民鉄も、東京首都圏の鉄道会社よりももの持ちがいいように見える。少なくとも大手私鉄はどこの会社も古い電車をていねいに整備して美しく使っている印象がある。簡単に新造できないという事情があるのだろうけれど、きれいに整備されているようすはたいへん好ましいと心底思う。乗っていても気持ちがいい。整備は大変だと思うよ。
東京首都圏ではもう数えるほどしか残されていない片開き扉とおでこライトを持つ南海6000系電車は、初期型が製造されたのは1962年だそうだ。でも、各種更新工事が行われているだけではなく、日常の整備が念入りなのだろう。いつ見てもぴかぴかと輝くようだ。だからか、あまり古びた印象が感じられない。その増備車で1970年から71年にかけて製造され、改良されて両開き扉になった6300系(旧6100系)電車もおなじだ。
南海はきちんと整備をしているのかなあ、と思っていたから、ラピート(50000系電車)のFS台車の重大インシデントの件ではおどろかされた。これは余談だ。
この日に出会えた6000系電車はこれだけ |
■6300もええやん!
さて、2019年7月の段階ではまだ6000系電車の廃車は始まっていなかった。それまでの経験では6000系電車には「ちょっと待てば会えること」が多かった。ところが、この日は住吉東駅と阪堺上町線の陸橋を見渡すことができるカーブに立ってみても、やってきた6000系電車は林間田園都市行き下り区間急行列車だけだった。これが戻ってくるのはそれなりに時間がかかりそうだ。門限があるからそれほどは待てない。
でもね、意外と退屈しなかったのは正面のデザインが似ている6300系電車はたくさん走っていたから。パンタグラフを上げていかつい貫通幌をつけて雨のなかをぶっとばしてくるようすに私はすっかりしびれた。
いま振り返ってみると、堺東でバスに乗りかえることも多いのだから、堺東から三国ヶ丘のあいだで撮ってもよかったのに。帝塚山と住吉東のこのカーブはそうおすすめできるほどいいわけではない。まあほんと、南海初心者だからさ。阪堺電車もあいまに観察したかったのさ。これからはほかのところでも撮りたい。記事にしていないけれど大和川橋梁のよさも知った。泉北線内ではいちど撮っていて、それもなかなかよかった。つぎは泉ヶ丘ではなく栂・美木多かな……。高野線ならば列車の運行本数が減るリスクを承知のうえで紀見峠にも行ってみたい。林間田園都市などという、どこかで聞いたことのあるような気持ちになる駅前後もいい雰囲気だものね。
さて、2019年7月の段階ではまだ6000系電車の廃車は始まっていなかった。それまでの経験では6000系電車には「ちょっと待てば会えること」が多かった。ところが、この日は住吉東駅と阪堺上町線の陸橋を見渡すことができるカーブに立ってみても、やってきた6000系電車は林間田園都市行き下り区間急行列車だけだった。これが戻ってくるのはそれなりに時間がかかりそうだ。門限があるからそれほどは待てない。
でもね、意外と退屈しなかったのは正面のデザインが似ている6300系電車はたくさん走っていたから。パンタグラフを上げていかつい貫通幌をつけて雨のなかをぶっとばしてくるようすに私はすっかりしびれた。
いま振り返ってみると、堺東でバスに乗りかえることも多いのだから、堺東から三国ヶ丘のあいだで撮ってもよかったのに。帝塚山と住吉東のこのカーブはそうおすすめできるほどいいわけではない。まあほんと、南海初心者だからさ。阪堺電車もあいまに観察したかったのさ。これからはほかのところでも撮りたい。記事にしていないけれど大和川橋梁のよさも知った。泉北線内ではいちど撮っていて、それもなかなかよかった。つぎは泉ヶ丘ではなく栂・美木多かな……。高野線ならば列車の運行本数が減るリスクを承知のうえで紀見峠にも行ってみたい。林間田園都市などという、どこかで聞いたことのあるような気持ちになる駅前後もいい雰囲気だものね。
泉北ライナーと離合 |
あれ。貫通幌がないやつもいてるんやね。早起きせなあかんなあ |
■また撮りに行こうっと
そんなわけで、うれしいことに南海電車の好きな電車が増えた。また撮りに行ってみたいのだが、いつになるか。なお、6000系電車の廃車が始まっていた今年の年始に大和川橋梁で高野線を撮ったときには、年始ダイヤとはいえ6000系電車はすでに「ちょっと待たないと姿を現さない電車」なりつつあった。とにかく、6000系電車とこの6300系電車がいてる(「おる」ではなく「いてる」)ならまた高野線に行っても私は楽しめる。
さて、廃車になった南海6000系電車のうち数両を別の鉄道会社が購入したとWeb上で伝えられている。生き残る電車があるのはありがたい。そのうえで、ひとりのしがない鉄ヲタからの大きなお世話ながらも切実なるお願いがある。それは、譲渡先の鉄道会社には、ぜひともこの電車をくれぐれも大切に扱ってほしいということ。
そんなわけで、うれしいことに南海電車の好きな電車が増えた。また撮りに行ってみたいのだが、いつになるか。なお、6000系電車の廃車が始まっていた今年の年始に大和川橋梁で高野線を撮ったときには、年始ダイヤとはいえ6000系電車はすでに「ちょっと待たないと姿を現さない電車」なりつつあった。とにかく、6000系電車とこの6300系電車がいてる(「おる」ではなく「いてる」)ならまた高野線に行っても私は楽しめる。
さて、廃車になった南海6000系電車のうち数両を別の鉄道会社が購入したとWeb上で伝えられている。生き残る電車があるのはありがたい。そのうえで、ひとりのしがない鉄ヲタからの大きなお世話ながらも切実なるお願いがある。それは、譲渡先の鉄道会社には、ぜひともこの電車をくれぐれも大切に扱ってほしいということ。
さびにくいステンレス車体ではあるけれど、洗車もできるだけきちんと行い、ぞんざいに扱わないでくれたらほんとうにほんとうにありがたい。譲渡先の鉄道会社の経営が厳しく、人員や予算が限られているのはわかっている。けれど、その予算をさいてせっかく購入された車両なのだ。大切に使えばきっとさらに長持ちして、ランニングコストも結果的には安くなると思う。口うるさく空気を読まないヲタからの大きなお世話であることは承知しているけれど、ほんとうにほんとうに……心からお願いします!
【撮影データ】
Panasonic LUMIX GX7 Mark II/LUMIX G VARIO 45-150mm F4.0-5.6 ASPH. MEGA O.I.S/RAW/Adobe Photoshop CC 2020
【撮影データ】
Panasonic LUMIX GX7 Mark II/LUMIX G VARIO 45-150mm F4.0-5.6 ASPH. MEGA O.I.S/RAW/Adobe Photoshop CC 2020