2019年9月19日木曜日

【関西リハビリ鉄2019夏】南海高野線6000系撮影記 その3 泉北線内で6000系をねらう


■はじめて中百舌鳥で降りて……飛び上がった
「電車運」などというものがあるのかどうか。そもそも、運勢といういいかげんで再現不可能なものを信じるかどうかは、そのひと次第だ。あまりに信心深くて行動指針の中心が占いになるようではどうかと思うとはいえ、都合のいい占いだけは信じてみようかな、という程度の軽いノリは筆者は好きだ。むしろ、ポジティブな暗示を自分にかけることで、行動がいい方向に及ぶ可能性があるからだ。


だから、そんないい加減なノリな物言いではあるし、いろいろとアレなのだけど、筆者は「電車運」がものすごくいい、と自分ではよく思っている。ねらった列車の運用に関する予備知識もなく現地におもむいてみてもねらった列車に遭遇できるとか、撮影目的ではなく訪れても乗りたいと思ってるレアな車両に乗れてしまうとか、目撃できるということがわりと多い。列車によい運気を使い果たすとか、そのぶん人生の大切なことでは「ハズレ」を引くのだと困るけどね。

あれは昨年の夏のこと。南海高野線に乗って中百舌鳥で降りた。高野線では最古参になった6000系電車を見てみたいという思いがあって、買い物のついでに高野線に乗ったはずだ。下り方面ホームの2番線に立ち、下り方向を見ていたら向かいの3番線に列車が通過するという表記が出ていた。ははあ、泉北高速鉄道からやってくる列車であるなということは線形から推測ができた。

まさか、ここで6000系が来たりして。なんてな

と思っていたら、やって来た列車はほんとうに6000系電車の区間急行難波行きだった。

■昨年のリベンジも果たしたい。だってカメラのおっちゃんはひつこいから
きええええええ! と筆者は声にならない声をあげた。もちろんあくまでも、心のなかで、だけです。良識のある大人のふりをしているので。カメラをセットしていなかったああああ!

とはいえ、6000系電車が泉北線にふつうに乗り入れていることはわかった。昨年はそれ以降はJR奈良線や桜井線(万葉まほろば線)・和歌山線を撮ってばかりで、南海高野線6000系電車を撮ったのは、和歌山線に行く途中の橋本で遭遇したきりだった。だからこの夏に予期せずにまた松原市の病院に入院することになったときに、このことを思い出して「今年こそは泉北線を行く6000系を撮る」と決めていた。

あたりまえやろ。カメラのおっちゃんはひつこいんや。

いい写真を撮るのに大切なのは、ひらめきも大切だけど、とにかくねばることにつきる。そこで、泉北線に乗った翌日にこんどは高野線中百舌鳥のホームに降り立ち、しばらく待ってみた。そうしたらほどなくして、昨年見たのと同じように、区間急行難波行きとして泉北線内から6000系がやって来た。



持っていたのが望遠端で300mm相当のズームレンズだから、そう望遠にはならない。それでも、昨年取り逃したシーンをまずは撮る。中百舌鳥隧道から出てくるところも撮れればもっとよかった。

それにしても、緑色の種別表示は西武沿線住民の筆者には反射的に「準急」のように思えてしまう。南海だと緑は区間急行で、準急(しかも正式には「準急行」)は青なのね。

■泉北線内のどこでねばるか
さて、6000系電車が泉北線内から難波行きとして去ったのは見た。運用をよく知らないけれど、たぶんまた和泉中央行きになって戻ってくるとにらんで、泉北線内で先回りしようと考えた。でも、どこで撮ろうか。

私が見ていてカッコいいなあ、と思ったのは泉ヶ丘の下り方ホーム端だった。午後は完全逆光になり、超望遠が必要だけど、難波・中百舌鳥方面行き上り列車が栂・美木多(とが・みきた)から勾配を登ってくるところが見られるからだ。筆者が読めなかったあの「栂・美木多」ですよ! でも、関東に来たことがないひとには「保谷(ほうや)」「上石神井(かみしゃくじい)」「小手指(こてさし)」だって知らないと読めないと思うぜ。


あとですね……泉ヶ丘の駅舎内のドトールコーヒーの喫煙室から、やってくる下り列車を冷房が効くところで観察できることに気づいたというのもある。ずっとホーム端にいると暑くて溶けちゃうからな。ただし、喫煙室だから喫煙しないひとには長居しづらいけどね。こんなことができるのも、喫煙室に入ってもおとがめなしな大人だけの特典だ。おじさんでよかった、と思えることがあるとはなあ。


難波と和泉中央は片道で30分強だから、たいして待ったわけでもない。あいまにほかに6000系電車は来なかった。ただし、6300系の短い編成の中百舌鳥止まりの列車には遭遇できたから、まあ飽きはしない。それでも、そろそろ帰ってもいいすかあ……などと思い始めたころに。やつは来た。




ステンレスカーは完全逆光で見てもかっちょええ、と思うのは筆者だけではないはず。勾配を降りていくようすもイカす。

■被られちゃったとはいえ、けっこう満足
さて、難波から6000系がもういちど泉北線内に戻ってきたことがわかれば、あとはうっかりしない限り撮影可能だ。そう思いながら待っていたら……ついに難波行きが来た!

えへへ。和泉中央行きが被っちゃったけどね。まあいいや。







やって来た6000系電車を撮ってから乗り込んで、堺東まで戻った。6000系電車に乗るとステンレスの片開き扉が閉まるときのどーん! という衝撃の大きさにおどろく。というのは、あずまびとの筆者の身の回りには片開き扉の電車が見当たらないから。

泉ヶ丘では300mmよりももう少し長いレンズがあるともっとすっきり撮れるはずだ。こんどは筆者の装備では450mm相当で撮れるAPS-CのD7200を持ってまた来たいものだけど、とりあえずはよしかな。

【撮影データ】
Panasonic LUMIX DMC-GX7 Mark II /LUMIX G VARIO 45-150mm F4.0-5.6 ASPH. MEGA O.I.S./Adobe Photoshop CC 2019