2026年9月23日水曜日

【東武野田線】夕闇迫る古利根川河畔にて東武8000系8111編成を撮る


■秩鉄鉱石貨物列車は運休中

秋雨前線と台風のために、9月に入ってから連日雨が降り続いている。日照時間もとても少ない。報道によれば、関東甲信越地方の降水量には平年の3倍以上、日照時間は平年の3割程度のところもあるそうだ。9月とはこういう天気の月だったっけ……? 

筆者は9月に入ってからは秩父鉄道沿線とはごぶさたしている。上旬の土曜日に秩父鉄道クハニ24号車と思われる車体を利用した上熊谷のバー『BURBON CLUB』に行くために、熊谷〜上熊谷に乗っただけだ。いまの筆者が沿線を訪問できるのは週末だけだが、天気が悪かったり用事があったりして、訪問できない日々が続いていた。

そうしているあいだに、秩父鉄道の鉱石(石灰石)の搬入先である太平洋セメント熊谷工場の休転期間が始まった。

Xのタイムラインを見ていたところ、13日から鉱石貨物列車は運休しているようだ。13日に無動力で電気機関車の回送が行われたようで、その目撃写真があがっていた。

運休の理由は、太平洋セメント熊谷工場が定期修理(定修(ていしゅう)と略)を行っているから。太平洋セメント熊谷工場のWebサイトに以下のように説明されている。改めて引用して説明する。
まず、「定修(ていしゅう)」と呼ばれる定期修理。熊谷工場では年に2回、9月と3月の半ばから、それぞれ約1カ月間生産設備を停止し、定修でメンテナンスを行います。
工場の操業開始と鉱石貨物列車の運転再開は、10月上旬のようだ。とはいえ、数年前に貨物列車の運転再開を聞きつけて訪問したところ、運休になったこともある。

そういうわけだから、気長に運転再開を待とう。

■連休に東武野田線に行ったのだ
連休期間中に筆者が行ったのは東武野田線(アーバンパークライン)だ。祝日でも筆者は朝に職場に行く必要があるために、遠出はしにくい。そこで自宅で過ごしてカメラバッグとストラップを洗濯していた。だが、せっかくの祝日だから、気分転換もしたい。どこへ行こうかな……と考えていて、野田線の至宝ともいうべき8111編成のことを思い出した。さいわい、運用もいい感じのようだ。

そこで朝の仕事を終えたある日、いったん帰宅してから大宮に向かった。すると、大宮駅東武野田線ホームには6両編成の8000系電車81110編成がいた。インフレナンバー車だ。1番ちがいの81111編成には東上線と越生線でお世話になっていたから、なんだかおもしろい。

筆者はここ数年、野田線を訪ねて8000系電車を撮ることはできても、乗ることができないでいた。移動するのに特定の形式や編成をねらうことをしないから、という理由もあるだろうが、かつての「8000系の牙城」野田線を走る8000系も確実に数を減らしつつあることを感じていた。

それなのに、ふらりと出かけて8000系に乗れたのだから、なんだか幸先がいい。こういう思い込みはとても大事にしたい。

さて、家を出たときにはまだ日が高くて青空が広がっていたのに、列車が春日部に着くころにはずいぶんと日が傾いて、空は赤みを帯びてきた。春日部では対向ホームに8111編成がいるのも見た。

そうして古利根川の河原にたどり着いたら、驚くような空模様になっていた。すごくきれいだなあ、と思いながらしばらく空を眺めた。




■10030系もカッコいい
野田線の春日部〜運河は単線区間だが、ほとんどの時間はほぼ10分おきに列車が走る。上下交換もするので、線路沿いにいるとひんぱんに列車が来る印象がある。

筆者は8000系を見たくてここに来たが、次々とやってくる10030系、60000系、80000系もそれぞれ魅力的に見えた。

筆者がとくに気に入ったのは10030系だ。行先方向幕が幕式のままで前照灯もLED化されていないうえに、重厚な走行音をかなでて走るから、遠くから見ると8000系と区別しにくい……いや、8000系は8111編成以外は前照灯がLED化されていて、幕式の方向幕が残されている編成も少ないから、より新しい10030系のほうが古めかしい特徴を残している。更新されないのは置き換えが近いからなのだろう。




■8111編成は流し撮り!
日没してあたりが暗くなっていった。この古利根川の鉄橋は春日部から近いが、さきほど春日部で大宮行きとして見かけた8111編成がふたたび下ってくるには、30分程度はかかる。空模様や光線状態はどうなるかなあ、とどきどきしながら、試写しつつ待ち構えた。

試写の結果、8111編成は流し撮りすることに決めた。これ以上カメラのISO感度を上げたくなかった。それよりも、このところ無難な写真ばかり撮っているという自覚があったから、撮影の難易度を上げたくなった。シャッタースピードを1/60秒にセットして、待ち構えた。

大宮方の踏切警報機が鳴りはじめ、しばらくすると鉄橋のそばの柏方の踏切警報機も鳴り始めて、遠くから列車の前照灯が近づいてきた。白熱灯色の前照灯に重々しい駆動音……8111編成だ。


鉄橋の上で列車は多少は減速するものの、結構な速度を出したまま通過する。カメラを固定して撮影する場合にも1/500秒ではぶれてしまう。撮影方法によっては1/1,000秒でもぶれることがある。だから1/60秒での流し撮りにはいつも緊張する。

1カットはなんとかうまくいったのが撮影時にもわかった。列車の通過後に再生してみて安堵した。


■復路には8000系方向幕残置編成!
柏へ去っていった8111編成が大宮行き列車として古利根川そばの駅に戻ってくるには、1時間半かかる。18時を過ぎて日没してあたりは完全に真っ暗だから、戻ってきても撮影方法が限られる。だから、撮影はあきらめて、次の上り列車に乗って帰宅することにした。

集中力も使い果たしてしまった。

しかし、この日のツキはまだ使い果たしてはいなかったようだ。やってきた列車はまたもや8000系。それも、いまとなっては貴重な幕式行先方向幕と塗りドアを残置したままの8163編成!

感激しながら乗り込んで、大宮まで揺られた。1973年に製造されたという8163編成は、その車内や車外に疲れが隠せないところもないわけではなかった。それでもなめらかな走りで大宮まで筆者を運んでくれた。


じつはこの2日前にも同じ場所で撮影をしているので、筆者は連休中に2回野田線を訪ねたことになる。そのときの成果も悪くはなかったものの、この日のほうがずっと気に入っている。連休中に気に入った写真を撮ることができてよかったぜ。

【撮影データ】
Nikon Df,iPhone SE3/AI AF Nikkor 35mm f/2D,AI AF Micro Nikkor 105mm F2.8D/RAW/Adobe Photoshop CC 2025