■LUMIX GX7 Mark IIだけ持って家を出た
ひさしぶりに「ふらり」という感じで、身軽に撮影にでかけたくなった。秋雨も落ち着いて、週末には晴れ間も見えそうだった。そこで、土曜日の夜に行き先を考えて行程を練り、日曜日の朝5時すぎに起きて家を出た。撮影機材はPanasonic LUMIX GX7 Mark IIと、15mm、42.5mm、45-150mmの3本の交換レンズにしぼった。三脚もなしだ。
目的地は群馬県桐生市内にある上毛電気鉄道の渡良瀬川橋梁だ。大胡電車庫で上毛電気鉄道開業100周年記念「感謝イベント2026」が行われるという予告がなされ、そのなかでデハ101号の臨時貸切運転が行われるとフライヤーに書かれていた。
大胡電車庫でのイベントのたびに、たいていはデハ101の臨時運行が行われる。2012年ごろから毎年何回かこのデハ101の臨時運行を撮るために、上電沿線を訪ねていたものだ。だが、コロナ禍直前の2019年秋以降、ずっとごぶさたしていた。
2025年1月には大胡電車庫でデハ101が火災を起こしている。小火で済み、修復されたことも知っていた。だからこそ、修復の済んだデハ101をひさしぶりに自分の目でも見たい。
■7年ぶりの上毛電気鉄道訪問でいろいろびっくり
今回のデハ101の運転区間は大胡〜西桐生で、一往復のみだ。そこで、好みの絵柄と撮影地、アクセスのしやすさを考えて渡良瀬川橋梁に行くことにした。経路探索アプリでルート検索をしていて、久喜から東武伊勢崎線・桐生線の特急『りょうもう』号に乗る例を見つけて、東武200系電車200型の『りょうもう』に乗ってみたくなったからという理由もある。
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| 赤城駅に東武鉄道入出場用ではなく 上電入出場用のIC乗車券の端末があった |
赤城で乗り換えてまずびっくりしたのは、上毛電気鉄道にIC乗車券『nolbé(ノルべ)』(eはアクセント記号のある「アクサン・テギュ(é)」だ)が導入されていたこと。東京地下鉄03系電車を導入したことは知っていたが、IC乗車券のことは知らなかった。いやはや、7年ぶりの訪問だものなあ。
3編成導入された800形電車は、2編成が運用入りしていた。この日もまずやってきたのが800形801編成だった。この800形の走りにも驚かされた。京王3000系電車を改造した700形電車の乗心地が悪いわけでは決してない。だが、800形のきびきびとした走りと揺れの少なさに感心してしまったのだ。
東京地下鉄03系電車は、私はかつて通勤で毎日のように乗っていた。だがしかし、どういうわけか非常に印象が薄かった。東武20000系電車のほうが好きだったからか。ところが、この訪問ですっかり好ましく思えるようになった。我ながらちょろいオタクだ。
富士山下駅の西桐生方に唯一残されていた電鐘式踏切も、2022年2月になくなった。電鐘式警報機を更新したのではなく、踏切自体が廃止になっていた。
■迷いに迷って見つけた場所にて
7年ぶりの訪問だけあって、忘れていたことがとても多い。
まず、渡良瀬川河川敷の水辺への降り方がわからなかった。2015年3月と2018年1月にはどうやって水辺に降りたのか。いまのほうが、堤防下の笹薮が荒れたまま繁茂しているように思う。長靴などを履かないと、どうにも越えられそうになく、水辺に降りることをあきらめた。堤防上からでは伸びた笹が邪魔だ。
下流側に行っても水辺に降りられそうにない。
渡良瀬川橋梁での撮影をあきらめるとなると……さあ困った。なにしろ、代案を考えていなかったから。列車の通過予想時刻の1時間半くらい前に到着していてよかった。
そこであたりを歩いた。以前から気になっていた丸山にも行ってみた。だが、私には枝越しに渡良瀬川橋梁をどうもうまく撮れそうになかった。
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| 高台の住宅地から線路を見ろした |
そこで、線路を見下ろすことのできる高台の住宅地にある坂道に行った。ここで撮るのは初めてだ。いつも撮ったことのある場所でばかり撮るのもあきる。
■いろいろダメだったんですけどね
そうしてあれこれと試写をして構図や露出の調整をしているうちに、おめあてのデハ101がやってきた。渡良瀬川を渡り曲線にさしかかるようすを連続撮影した。
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| デハ101がやってきた |
場所の選択はベストとは言えない。だが、いままで撮影したことのない場所を見つけたから、まあいいか……。
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| いい天気だなあ |
などと考えながら、折返しの大胡行きを撮るために赤岩橋に足早で向かった。移動のための時間がそうないから、渡良瀬川橋梁に来ると大胡行きはいつもこの場所で撮ってばかりだ。今日はいい天気だなあ、などと考えながら列車を待った。
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| きらきらと輝く川面 |
すると、大きな雲がどこからともなくやってきて……デハ101の通過時に橋梁の周囲だけを暗くしてくれましたとさ。
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| 雲が太陽を隠し始めて |
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| デハ101通過時に橋梁の周囲を暗くしてくれたわけです |
デハ101の通過後に空はみるみる晴れた。笑った。
大胡方面へ移動しようと列車に乗り込んだ。やってきたのはまたもや800形だ。撮影した写真を車内で再生していると、西桐生行き列車を写した場所には、画面内に細い電線ケーブルが横切っているのがわかった。撮影時に肉眼で見ていても、私の目にはまったく見えていなかったのだ。
あららららー。
心のなかでルパン三世の真似をした。西桐生行きの写真もだめか。あの場所で撮るのはだめじゃんか。新撮影地の開拓ならずか。どうも集中力にかけているし、目がよく見えていないことがわかった。なんといっても寝不足で眠い。
そこで、まだ午後早いのにそのまま中央前橋へ向かい、両毛線と高崎線に乗り換えて引き上げてしまった。次元大介ふうにいえば「とっととずらかった」というわけさ。
ボウズとはね。たまにはそういうこともある。
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| 埼玉県道27号東松山鴻巣線を走る路線バスから見た荒川河川敷 |
それでも、天気のいい日曜日に遠出して、デハ101の走りを見て、800形にも乗った。帰り道にも秋らしい景色を見ることができたから、いいんじゃないかなあ。
*おことわり:画面を横切る細いケーブルはレタッチソフトで消しています。
【撮影データ】
Panasonic LUMIX DMC-GX7 Mark II, iPhone SE3/LEICA DG SUMMILUX 15mm F1.7 ASPH., LUMIX G VARIO 45-150mm F4.0-5.6 ASPH. MEGA O.I.S/RAW/Adobe Photoshop CC 2025










