2019年4月20日土曜日

【西武多摩湖線撮影記事】多磨湖畔の赤電のもとに春来る 続編


■いつもは多摩湖北線でばかり撮るけれど
かしむかし……1980年代終わりから1990年6月に351系電車が西武多摩湖線を走っていたころのこと。ティーンエイジャーだった筆者はもっぱら多摩湖南線(萩山〜国分寺の多摩湖線国分寺口)でばかり列車の写真を撮っていた。その理由はとても単純で、351系電車はふだんは萩山と国分寺のあいだを往復するのがつねだったからだ。

とはいえ、野球開催日に国分寺から西武遊園地まで臨時準急列車が351系電車で運転されることがあり、それを多摩湖北線(萩山〜西武遊園地)で撮ってみたいとは思っていた。

けれど、そのころの筆者の腕ではどうもうまくまとめることができなかった。だから、多摩湖北線の写真を撮るようになったのは、おとなになって鉄道趣味に「出戻り」したここ10年くらいことだ。機材も充実してそれなりの経験を経ると、私にはむしろ北線のほうがおもしろいと思えるようになっていた。南線は住宅地のなかを走るので、日中ではないと住宅の影が線路に伸びるのだ。それにまあ……さんざん撮ったし。

■ひさしぶりに南線沿線を歩いた
とはいいつつ、最近は多摩湖南線では上下列車の交換シーンや商店街のある駅前を撮るだけで、沿線を歩くことはしていなかった。そこで、北線で始発列車を撮るために早起きしたとある朝のこと。北線での撮影にもあきたことだしと思って、ひさしぶりに南線の沿道を歩いた。

■朝早いと撮りづらいことを忘れていた
ソメイヨシノは散り、遅めのナノハナとハナダイコンがところどころに咲いていて、それをなんとか活かせないかなあなどと考えつつ。けれど、まだ朝早い時間だとやはり住宅の影がいろいろと邪魔をする……ということは、ひさしぶりに足を運んで思い出した。夕方遅くでもそうだから、南線沿線で走りを撮るのは11時から14時くらいまでのほうが、晴れている日は明るい写真になりそうだ。



■ナノハナが植えられていたのは予想外
街道と交差する大きな踏切のある駅構内にナノハナとハナダイコン(ショカッサイ)が植えられているのは知っていたのに、ナノハナがちょうど咲いていたというのはうれしい誤算だった。そこで、ナノハナを画面に入れて大きくぼかした。花は順光で写しても美しくはならない。それに、編成写真を撮るために用いる大きな絞り値でぼけていないのも重苦しく見えて美しくないと私は常々思っている。だから、できるだけ焦点距離の長いレンズで小さな絞り値にして、逆光になるようにして形がわからないくらいまでぼかすといい。これでもまだ形がわかるから、もっと大きくぼかしたいんだよな。



【撮影データ】
Nikon D7200/AI AF Nikkor ED 300mm F4S(IF), AI AF Zoom-Nikkor 80-200mm f/2.8D ED <NEW>, AI AF Micro-Nikkor 60mm f/2.8D/RAW/Adobe Photoshop CC 2019