2022年4月7日木曜日

【上信電鉄撮影記事】上信電鉄沿線観桜紀行2022 700形第3編成ホワイトタイガーを撮る


■上信電鉄沿線のサクラを見たくなった
さる3月末に、例のまん延防止等重点措置が解除された。そうして4月になるころに東京首都圏でもソメイヨシノの開花が始まった。そこで今年も自宅周辺のソメイヨシノやシダレザクラを愛でながら、昨年春に訪ねた上信電鉄沿線のことを思い出した。

昨年春のサクラの開花時期に行ってみたら、思っていたよりもずっと雰囲気がよかったことが印象に残った。それに、なんといってもいまは連日の戦争のニュースにかなり嫌気が差しているから、おだやかな風景を見たいと思った。

今年はさらに、朝の一部列車が車両不足によりデハ250形電車による単行運転がさる3月14日より行われているという(2022年4月20日追記:4月21日より通常運行に復帰し単行運転は終了と、上信電鉄Webサイトにて発表されました)。いささか不謹慎かもしれないが、このようすも自分の目で見たい。そこで、今年の春もあらためて上信電鉄沿線を訪問することに決めて、カレンダーと天気予報を見ながら行程を決めた。

■今年も菜種梅雨に重なった
昨年春に二日間ほど訪ねたところ、両日ともに雨に降られた。サクラは曇りや雨の日の拡散光で見るほうが、しっとりとした雰囲気に見えるから、降雨も悪くはない。そうは思いつつ、少しは晴れ間も見たい、そう思っていた。

それなのに、今年も二日間ともに同じように雨に降られた。そういう季節だから仕方がない。


■里山の駅で降りて去年と同じ写真を撮ってどうするのだ私
そんなわけで「今年も雨だなあ」と思いながら、途中で気になる駅があっても列車に揺られ続けた。私の自宅周辺ではソメイヨシノは見ごろを過ぎていたのに、沿線ではまだ七部咲き程度で、やや早かった。だから、サクラを画面に入れるには工夫が必要だ。そう思いながら列車に揺られた。積極的に撮り歩いたという感じの写真ではないかもしれない。

きわめてヲタ的な理由であれですが、乗っていた列車が上信電鉄オリジナル車両である6000形電車だったのがうれしくて、できるだけ長いあいだ乗っていたくなったという理由もある。そうして昨年もやってきた里山の駅で降りた。秘境駅などではけっしてない。周囲に家屋が建ち並んでいるのだ。

自分が乗ってきた列車はすぐに山間にある信号場で上下交換をするので、上り列車がすぐにやってくるはず。そこで望遠レンズを装着したカメラを設定して待っていると、対向して700形電車第3編成が姿を現した。ちょっと待ったあ! 去年も同じ構図でこの電車を撮ったぞ。同じ写真を量産してどうするんだ。

同じ写真ばかり撮るのもおもしろみがない。この駅の構内のサクラも開花し始めたばかりだったので、絵にしづらい。周囲のナノハナもまだやや早い。Twitterのタイムラインで見るところによると、どうやら本校執筆時である4月7日現在、ちょうど見ごろを迎えているようだ。

そこで、この次の上り列車に乗って高崎市内の駅までそうそうに戻ってしまった。そして、高崎市内の駅でもサクラはまだ満開になってはいなかった。

■翌朝のラッシュアワーにもふたたび遭遇した



翌日は高崎発の始発列車に乗って撮影を開始した。その列車にも700形の第3編成が充当されていた。数駅乗っておめあての早朝の列車を撮った。そのあいだも雨は弱まることなく、しとしとと降り続けた。冬の雨よりは気温が低くはないのでそうつらくはないが、ずっと濡れ続けるのは少しずつ体力と気力を奪う。

そんななかでふたたび、下仁田から戻ってきた700形第3編成に遭遇した。いつもいつも、この電車を上信電鉄線内で見ると重厚で大柄な「国電」に見えるのは興味深い。民営化後に製造された車両であるにもかかわらず、まだ「国鉄風味」が強い。165系電車の発生品を利用した下回りから聞こえるのも、重厚な主電動機の駆動音と強制通風式の抵抗器のブロア音だ。

【追記】上信電鉄700形第3編成は、もとは高崎車両センター配置の107系R15編成なのですね。以前、両毛線で乗ったことのある車両だったようだ。いろいろと私とはご縁があるみたい。JR時代とどうも印象がことなり、おとなしく見えるのは正面の貫通幌と渡り板が撤去されたからだけではなく、大きなごついジャンパ連結器が見当たらないからだな。

【撮影データ】
Nikon Df/AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G (Special Edition), AI AF Micro Nikkor 105mm F2.8D, AI AF Nikkor ED 300mm F4S (IF)/RAW/Adobe Photoshop CC