2020年3月12日木曜日

【西武池袋線撮影記事】西武4000系電車の池袋発着終了の日を迎えて

最終日の下り2本め。1本めはレッドアローに被られた

■ダイヤ改正前の土日で池袋発着秩鉄直通列車が終わった
西武鉄道の3月14日のダイヤ改正の内容がさきごろ報じられたさいに、「むかしからの西武鉄道車両ヲタ」がおそらくもっとも注目したのは、池袋線のNRA(ニューレッドアロー)10000系電車が置き換えられるということと、土休日に設けられていた秩父鉄道発着列車が改正後に飯能発着に変更になるという項目だったのではないか。


改正後も10000系電車はしばらくのあいだは新宿線特急では用いられるようだ。置き換えはそう遠い先のことでもなさそうだが、新宿線特急車両の置き換え内容についてはまだ西武鉄道からは明言されていない(リンク先はPDFファイル「2019-2021年度 西武グループ中期経営計画」)。そして、4000系電車を用いた秩父鉄道への直通運転自体は継続される。だが、池袋発着であったものが飯能発着となることで、4000系電車が東京都内を定期列車としては走らなくなる。改正前の土日であるさる8日と9日が池袋発着の秩父鉄道直通列車の運転最終日であることを思い出し、筆者も線路際で見送った。沿線にはカメラを持ったファンが見受けられた。線路際でお会いしたみなさん、ありがとうございました。

所沢西武にビックカメラが入るようになるとは

■「急行接続で快速急行通過駅の利用者には利便性が向上する」からだそうだけど
この4000系電車の池袋口からの撤退は、プレスリリース(リンク先はPDFファイル)によると以下のような理由だ。

(以下引用)
5. 土休日、秩父鉄道直通電車の運転区間を変更します。
土休日の朝・夕に運行している秩父鉄道直通電車の運転区間を見直し、西武線側の発着駅を池袋から飯能に変更します。これに伴い、秩父鉄道直通長瀞・三峰口行きは、池袋発飯能行きの急行電車から飯能で接続します。飯能で急行電車を接続することで、西所沢~元加治間各駅(小手指・入間市を除く)からご利用のお客さまの利便性が向上します。
(引用終わり)

公式には上記のような理由だ。だが、設置準備が進められているホームドアに2ドアの4000系電車は対応させにくいからではないか、1988年に101系電車の主電動機、主制御器、台車、ブレーキ装置などを利用して登場してから老朽化が進んでいること、池袋口の特急列車がLaview(001系電車)にすべて置き換えられて同時に所要時間の短縮も図られるというので、10000系電車と走行性能が同じ4000系電車も池袋口から撤退させて、列車の走行性能を揃えたいのではないか、などという理由も考えられるだろうか。

ふだんはここで被られないはず

■秩鉄直通列車が継続することには安堵した
じつをいうと筆者としてはむしろ、秩父鉄道直通列車が遠からず取りやめになるのではないかという強い危惧を抱いている。だから改正後にも運転区間が短縮されても直通運転が継続されることには、やや安堵した。

筆者自身が秩父鉄道沿線へ行き来する際によく利用して、あくまでもそのときの体感からでしかなく数字の裏づけがないが、直通列車のうち秩父鉄道線内での三峰口行きの利用者数の少なさを見るたびに気にかかっているからだ。長瀞行きの列車は横瀬からでも季節を問わずそれなりにある。秩父鉄道線内発の列車も同様だ。影森〜三峰口はもともと閑散区間ではあるとはいえ、利用者が多いとはけっしていえないと思う。

熊谷・御花畑方は「各停」表示

同じ列車の三峰口方は「急行」表示だった

筆者にとってはこの上下2本ずつの池袋発着の直通列車は便利な存在だった。秩父鉄道に出かけるときに池袋線で直通列車に乗り、たとえば長瀞で乗り換えれば、寄居で対向するSLパレオエクスプレス5001列車に間にあう。帰りも同5002列車と寄居で交換する各駅停車に乗れば、長瀞発の2本めの池袋行きに間にあう。だから「電車利用での寄居〜三峰口でのSLパレオ撮影」によく利用していた。飯能発着になるのは残念だが、改正後は飯能で乗り換えればいいだけなのはわかっている。だから、今後とも利用することになるとは思う。

荒川橋梁で居残り学習中

■写真が少ないのはいつも乗っていたから
この直通列車は、運行開始時では野上・三峰口行きだったそうだ。それが秩父鉄道線内の上り方終着駅が野上から寄居まで延長されていたという。そのころ筆者は秩父鉄道沿線にまったく足を運ばなかったので、この目で見ていない。新101系電車の秩父鉄道乗り入れも、秩父鉄道線内の間合い運用も自身の目で見たことがない。直通開始以前にはあれほど足繁く秩父鉄道に通っていたのに。

筆者が知っているのはだから、運転区間が池袋〜長瀞・三峰口となってからの姿だけだ。2009年から秩父鉄道沿線に通うようになったころは上下ともに西武線内での種別は快速急行だった。2013年3月16日改正で上り池袋行きが急行に変更された。

上長瀞でおなじく「居残り学習」

筆者は前述のように、この直通列車に乗ることが多かった。だから、この列車自体を撮影したカットが少ない。あるとしても秩父鉄道線内で夜まで「居残り学習」をしたときに写したものが多く、西武鉄道線内ではほとんど写していなかった。秩父鉄道で撮ったものも以前の「快速急行」という種別表示が好きだったので「急行」表示になってからは数えるほどしか写していなかった。過去の写真をあれこれ見ていると秩父鉄道線内で「各停」表示のこともあるみたいだけどね。

最終日の2本めが都内を走るころにはすっかり日が暮れていた

■被り被られ振り振られ
そこで西武鉄道のダイヤ改正の内容が伝えられたあとは、もっぱら西武線内の池袋〜飯能で直通列車を撮影することを意識していた。午前中に起きられなかったときには、せめて午後の池袋行きだけでもねらっていた。ところが、これがまあ……列車の運転本数が多い池袋〜保谷、清瀬、所沢、小手指などならともかく、小手指〜飯能でも数分の遅延で……対向列車に何度も被られて……笑っちまったぜ。カーブを外側からねらうのに対向列車が来たことも。まあいいけどね。「ふつうの編成写真なんて撮らないよ」などと書いていたバチが当たったのかもしれないなあ。

そういえば……西武4000系電車というカテゴリをいままで設けていなかった。わりと好きな電車なのに。

2008年11月

快速急行時代の池袋行き(2013年1月)

【撮影データ】
Nikon D2X, D7000, Df, D90/AI Nikkor 50mm F1.8S, AI AF Micro Nikkor 105mm F2.8D, AI AF Nikkor 180mm f/2.8D IF-ED, AI Nikkor ED 180mm F2.8S, AI AF Zoom-Nikkor 80-200mm f/2.8D ED <NEW>, AI AF Nikkor 300mm F4 ED/RAW/Adobe Photoshop CC 2020
(F表記とf/表記は2020年3月現在のニコンイメージングでの表記を参照しています)